次世代のクルマに影響を及ぼしたモデルも
クルマの技術は常に進化していて、それが新車に投入されて世に出る。素晴らしい技術であっても販売的に大ヒット……ということには必ずしもならないのが世の常だが、それでも意味がなかったわけではない。次世代につなげるという点では大いに存在意義があったというクルマは少なくないのだ。今回はそんなモデルを振り返ってみよう。
1)ビスタ
1998年に登場した最後のビスタとなる5代目は、デザイン的になんとも頭でっかちな感じで、それまでカムリとともに培ってきたトヨタのミディアムセダンのイメージを覆したというか、「どうしちゃったの?」という声もあったほど。そのようなことはトヨタは先刻承知で、背が妙に高いのは立ち気味に座ると前後方向に余裕が出て、室内空間に広くなるというパッケージング上の試みゆえ。実際、クラスを超えた広さがあり、その後のクルマ作りに大いに活かされている。
2)ロゴ&キャパ
ホンダが1996年に出したのがロゴで、それをベースに1998年に出したのがキャパとなる。どちらもフツーのハッチバックとトールワゴンで、平凡そのもの。当時は「ホンダのやることじゃない」という声も聞かれたし、実際、販売的にはふるわなかった。しかし、今、この2台を見ると、フィットにうまく昇華されているし、N-BOXなどにもそのエッセンスは盛り込まれていることがわかる。よく考えれば、ロゴとキャパ以前にはこの手のジャンルはなかっただけに、フィット前夜として大いに意味があったわけだ。
3)IQ
軽自動車がある日本においては珍しいAセグメントのクルマがIQで、車内空間の工夫においてさまざまな試みがなされているのは有名なところ。これ以外にも、ステアリングギヤボックスをエンジンルーム内の上方に位置させるなど、メカ的にも意欲的だ。安全装備も9個のエアバッグやS-VSCなど、当時の高級車並み。販売台数うんぬんではなく、将来のクルマ作りのためにということで作られたクルマである。
ツインのHVモデルの売り上げはたった300台!
4)ツイン
スズキの超マイクロ軽がツイン。ふたり乗りに割り切って、ラゲッジも最小限だった。IQ同様、シティコミューターとして今見ると非常に斬新だ。しかもハイブリッドもあったことに驚かされる。ちなみにハイブリッドは300台しか売れなかった。こちらも登場が早すぎた。
5)レジェンド
レジェンド自体は1代限りではないが、4代目のみに採用されていたのがSH-AWDで、3つのモーターを使って4輪のトルク配分を行なうというホンダらしいもの。SHはスーパーハンドリングの略で、当時試乗すると走りに違和感はないし、メーター内のモニターを見ると、激しく作動していることが見て取れたのも面白かった。
コストがかかりすぎたのか日本では姿を消してしまったが、2代目NSXで見事復活。ちなみにリーマンショック時に1度、NSXの復活が頓挫しているが、このときもSH-AWDを採用する計画があったとのこと。この流れで、2代目が採用したことになる。リーマンショック時には、まさか再度復活するとは思っていなかったようで、技術者も包み隠さず「レジェンドのやつ、採用するはずだったんですよね」と教えてくれたのを今でも覚えている。
技術編
最後に個々のクルマではなく、登場が早すぎた技術を紹介しよう。まずは4WS。ご存じのとおり、1980年代の日本らしい技術だが、海外では4輪全部がステアするのは変だと言われることがあった。サスペンションなどの技術進化もあって、その後、日本車でも姿を消すが、ここに来て、安定性確保のためにロングホイールベース化したことによるハンドリングの鈍化に対応するため、輸入車勢での採用が目立つようになってきた。
そしてもうひとつが、MTベースのAT。つまり2ペダルのMTというもので、欧州車勢での採用は多く、日本車ではスズキのASGがある。この先駆けとなったのがいすゞのNAVI5で、アスカなどに積まれたが、早すぎたのと制御が不完全なため、結局、消えてしまった。いすゞ以外で目が出た点にも注目だ。
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みんなのコメント
4代目だけとは初耳だ。
スズキのAMTはAGSだから。
何回間違えたら気が済むんだ⁇