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刺激的な走りと実用性の好バランス──新型BMW M3ツーリング試乗記

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刺激的な走りと実用性の好バランス──新型BMW M3ツーリング試乗記

BMW「M3」に新設定されたツーリングモデルに小川フミオが乗った! 刺激的な走りにくわえ、実用性の高さにも迫る。

万能選手

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趣味がいろいろあって荷物を運びたい一方で、痛快なファン・トゥ・ドライブも欲しい……そんな願いをかなえてくれるのが、BMWの新しいM3コンペティション M xDriveツーリングだ。

デビューは2022年6月だ。1986年に初代M3がデビューしていらい、いまのM3は“初めて”が多い。

全輪駆動の設定もそうだし、今回のツーリング(ステーションワゴン)ボディが追加されたのも、やはり“初”である。

M3コンペティション M xDriveツーリングは、通常の全輪駆動システム「xDrive」でなく、よりスポーティに走れるようM社がチューンナップした「M xDrive」を搭載する。

xDrive と「アクティブMディファレンシャル(ギヤ)」を組み合わせ、M モデル専用に開発された「ドライビングダイナミクスコントロール」によって制御するのが特徴だ。

車内から「Mダイナミック・モード(MDM、 4WD Sport)」を選ぶと、後輪側への駆動トルク配分が増加。後輪のスリップ許容量が大きくなることで、「より多様なハンドリングを楽しむことが可能になる」と、BMWは説明する。

特にM xDriveは、前輪への駆動力配分を停止して、後輪駆動で走ることも可能だ。電子制御システムの介入を抑え、ハイパワーを後輪だけで駆動することで、サーキットなどでよりダイレクトな操縦を楽しめるのが、いかにもBMWらしいと言いたい。

これに組み合わせたのがM社チューンの3.0リッター6気筒ガソリンターボエンジン。専用設計の吸気ダクト、高回転まで安定したパワー供給を実現するための鍛造ピストン、広い回転域でレスポンスがよいツインターボシステムを搭載する。

普通に走っているだけでも、このエンジンの魅力の一端は充分に感じられる。ドライブしている私の右足と直結したようなレスポンスのよさだ。

650Nmの最大トルクが2750rpmから5500rpmにわたって得られるのも、レスポンスのよさに貢献する。どんなふうに運転していようと、アクセルペダルを踏み込むと、すかさず加速。これが気持ちよい。

ツーリングボディゆえに機能性も求めるユーザーにとって、たいていのシチュエーションで満足いく、万能選手といえるキャラクターが特徴だ。

機能とデザインを合体エクステリアは、縦型の大型キドニーグリルを採用。大出力エンジンの冷却性能を高めるための大型のエアインテークと、機能とデザインを合体させている。

側面では、Mモデル専用のサイド・ギル、やはり専用のドアマウンテッドミラー、そしてダウンフォースを生むリヤスポイラーが目をひく。

ホイールベースは2855mmでM340i xDriveツーリングより5mm長い。サスペンションの形状ゆえか。全高は1435mm。前出のM340iより15mm低い。

いっぽうトラック(トレッド)はフロントが1615mm、リアが1605mm。M340iに対して、前後とも35mm拡大している。ハンドリングのためだ。

インテリアは、M スポーツシート、Mロゴの入ったドアのキッキングプレート、専用デザインのメーターパネル、やはり専用のハンドルをもつ。

オプションとして、「よりスポーツ走行に適した」(BMWジャパン)というM カーボンバケットシートが選べる。日本のM3ツーリングはATしかないので、このシートをつけても大丈夫。というのは、私が「M2」のマニュアル車で同じデザインのシートを経験したところ、ペダル類がオフセットしているせいで、立体的なシート形状と脚とが干渉してやりにくかったからだ。

試乗車はカーボンブレーキを装備するなど、さまざまなオプションが選べるのは、趣味のクルマとしてたいへんよいことだと思う。

スポーツカーならでは私はM3ツーリングで、東京から河口湖を往復した。片道120kmぐらいが、あっというまの印象である。なにしろ、ドライブしているあいだが楽しい。

危険回避などのときのための、瞬間的な加速も、かなりのものだ。1870kgの車体が、一瞬にして時空間移動するような、加速力を味わえる。

高性能車は、室内ミラーに映ったときと、追い抜いていくときのリヤビューこそ大事、としてきたのは、BMWも例外ではない。

すぐ思いつくのは、「2002ターボ」(1975年)のフロントリップスポイラーに書かれた“turbo”の文字が、いわゆる鏡文字だった点。鏡に映して初めて、ちゃんと読めるのだ。

M3ツーリングでも、フロントのフレームレスのキドニーグリルや立体的造型のバンパー一体型エアダムは強烈なほどの印象を与える。

もうひとつ、リヤビューにおける、排気管のための巨大なサイレンサーと、そこから太い径のエグゾーストパイプが左右2本ずつ突き出している様子は、自動車好きなら心に“刺さる”。

いかにも速そう! そして実際に速い。

着座位置は低めで、スポーツカー的。そこにサイドサポートがしっかり張り出したスポーツシートが備わっている。足腰がちょっと弱ってくると、乗降のとき「よいしょ」と言いたくなる。これはカッコ悪いので、足腰を鍛えなくては、と、私は思った。

思えば、こういう点も、スポーツカーを所有するのには大事かもしれない。クルマは人間の身体機能をカバーしてくれる“道具”のように思われているフシもあるけど、じつは、スポーツの道具のように、十全を目指して使うには、それなりの準備だっている。それをM3ツーリング試乗時にふと思い出したのだった。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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