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apr LC500h GTの“いちばんまとも”な予選日。オートポリスGT初走行のふたりとともに、決勝は「最低でも表彰台」

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apr LC500h GTの“いちばんまとも”な予選日。オートポリスGT初走行のふたりとともに、決勝は「最低でも表彰台」

 10月14日に大分県のオートポリスで行われた2023スーパーGT第7戦『AUTOPOLIS GT 450km RACE』の公式予選。今季ここまで速さを見せながらも結果を残せていない31号車apr LC500h GTは、3番グリッドから待望の初優勝と「最低でも表彰台」を目指す。

 名門コンストラクターのaprが今季2023年のGT300に投入し、開幕前テストからそのルックスと速さで注目を集めているapr LC500h GT。第2戦では予選2番手に入る走りを披露しているが、決勝での最上位は第4戦での5位と、チームの期待とは裏腹に結果を残せていない。

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 そんなapr LC500h GTは、前戦SUGOの公式練習で“半損”のクラッシュを喫してしまったものの、何とか決勝日には修復を間に合わせ最後尾スタートから11位まで追い上げている。レースでの速さはあるはずで、マシンを走らせるaprの金曽裕人監督は「土曜日をもっとまとめられれば」と予選日でのクラッシュや失格を嘆いていた。

 迎えた第7戦オートポリスの土曜予選日。apr LC500h GTは午前中の公式練習でオイル漏れが起こってしまったものの、セッション中に修復を行い8番手タイムを記録。午後の予選はQ1を根本悠生、Q2を小高一斗の若手ふたりに託し3番手につけた。

 土曜予選日を「今年の流れから言うと“いちばんまとも”な内容じゃないかなと思います」と振り返る金曽監督。

「僕らは、まず土曜日を“まともな土曜日”にしたいというだけです。明日の決勝も大切ですけど、僕らはもっと小さなテーマで『土曜日をしっかりと乗り切ろうぜ』というテーマで今はやっています」

「変な話、メカニックたちはお昼ごはんを食べることができたというだけで喜んでいる状態です。なので高望みをするのではなく、土曜日をしっかりとまとめ上げよう、土曜日の1時間、1分をもっと大切にしようというのが今回のテーマでした」

「明日は3位でもいいからまずは表彰台」と語る金曽監督。今回の良い流れについては「ヨーロッパから根本を呼び戻した」ことも大きく影響しているという。

■小高と根本はGT“初オートポリス”。今週末はマシンの“長さ”がネックか
 2023年はランボルギーニのヤング・プロフェッショナル・ドライバーに選出され、ヨーロッパをメインに開催されるファナテックGTワールドチャレンジ・ヨーロッパに挑戦している根本。今季は同時にapr LC500h GTの第3ドライバーも努めており、2020年のスーパー耐久シリーズ以来の国内レースに参戦している。

 そんな根本は第5戦終了後、並行参戦しているGTワールドチャレンジ・ヨーロッパの日程バッティングにより「今季のスーパーGT参戦は今大会で終了となります」ということを自身のホームページで明らかにしていた。しかし、急きょスーパーGT第7戦への参戦が決定し、2020年のスーパー耐久以来となるオートポリス戦に臨むことになった。

 もちろん根本にとってスーパーGTでオートポリスは初走行。当時のスーパー耐久はピレリワンメイクということもあり「やっぱりタイヤが凄いですね。ブリヂストンさんの一発のグリップ力と、高グリップが長く続くというのが本当に信じられないくらい素晴らしかったです」と、スーパーGTマシンでの初走行を語った。

 午後の予選ではQ1を担当し2番手タイムを記録した根本。クルマには確かなパフォーマンスを感じていたものの、Q1という立場と自身のアタックの狭間という状況から、100%攻めきれなかったことを悔やむ。

「クルマのポテンシャルは絶対にQ2に進むことができるということと、それと同時に『何があってもQ2に繋げないといけない』という心境もありました。普通に走ることができればQ2に進むことができるのは分かっていたので、1回目のアタックを少し抑えたら抑えすぎてしまいました」

「やはり練習走行から予選でかなりタイムが上がるので『こんなもんかな』と思ってアタックしたら、もっと攻められることが分かりました。そこで2周目にさらに攻めたら第3セクターでタイヤのグリップがなくなってしまいました。セットアップやタイヤもアタックの1周に賭けて組んでいるので、経験不足が出てしまいましたね」

 しかし、結果的には2番手でQ2に進出したことで「そこまでリスクを取る必要もないので、自分としては“ぼちぼち”な良い仕事ができたかなと思っています」と笑顔をみせた。

 Q2を担当した小高にとってもスーパーGTでオートポリスを走行するのは今回が初走行。小高は公式練習でのトラブルにより走行時間が減ってしまったことを残念がりながらも、3番手から挑む決勝に向けては自信を覗かせる。

「自分としてポールポジションを獲りたかったという気持ちもありますし(トップの2号車と)0.3秒差しかないので、少しセットアップを変更すれば見えた位置だったんじゃないかなとも思っています」

「でも、ここ最近の成績から考えると久しぶりに前の位置からスタートすることができますし、今年は何だかんだで決勝で強いレースが毎回できています。僕自身とクルマにとってオートポリスでのレースは初めてなんですけど、タイヤが厳しいことはみんな一緒だと思います。そのあたりは戦略やドライバー、チームがミスなくレースすることができれば結果はついてくると思います」

 なお、今回の第7戦の予選ではapr LC500h GTが履くブリヂストンタイヤ勢がポールポジション、3番手、4番手と速さをみせた。決勝はapr LC500h GTにとって初のオートポリスでのレースとなるが、タイヤについては「いちばんホイールベースが長いので摩耗は緩やか」と金曽監督は言うものの、その“長さ”ゆえに第3セクターの遅さがネガティブポイントだという。

 これについては小高も「タイヤの攻撃性は少ないと思いますけど、LCの特性的にクルマが長すぎて曲がりきれないコーナーが多々あります」と同じような意見を言っており、この“クルマ長すぎ”問題が今週末のapr LC500h GT唯一のウイークポイントになるかもしれない。しかし、待望の初表彰台と初優勝に向けて絶好の土曜日を過ごしたapr LC500h GTが、決勝での優勝候補であることに変わりはないだろう。

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