現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【3列7人乗りSUV】新型M・ベンツGLEクラス試乗 300 dの価格/内装/走りを評価

ここから本文です

【3列7人乗りSUV】新型M・ベンツGLEクラス試乗 300 dの価格/内装/走りを評価

掲載 更新
【3列7人乗りSUV】新型M・ベンツGLEクラス試乗 300 dの価格/内装/走りを評価

どんなクルマ?

text:Shigeo Kawashima(川島茂夫)

【画像】メルセデス・ベンツGLE 300 d 4マティック【実車】 全20枚

photo:Keisuke Maeda(前田恵介)

GLEクラスのライバルには何が相応か。意外と悩ましい問いである。

レクサスRXはどうか? スポーツ&ツーリング傾向が強すぎる気がする。ならばLXは? これはランクルの姉妹車でもあり、オフロード志向が強すぎるような。

同門からGクラスは? オフロードに本気すぎて乗用車のイメージが希薄。ランクルとレクサスRXの間くらいが収まりがいいか……。

メルセデス・ベンツのSUVラインナップではGLSクラスに次ぐ上位設定となるモデルがGLEクラスである。

プラットフォームにはFR車用でも上位設定となるMHAを採用し、全車にフルタイム4WDを採用する。ハードウェア構成からも分かるようにハードクロカンでの常用を前提に開発されたSUVではないが、オンロード主体にレジャーなどでのクロカン走行にも対応。

そのカバーレンジを大きく取ったのが特徴だ。

トルク 5Lエンジン並み

外観は上級ワゴンにも似た落ち着きを感じさせるもので、5×2mに達する堂々とした体躯と合わせて正統派RVといった印象。この辺りが冒頭の云々なのだが、トレンドよりベンツ車らしさにこだわった結果と言えよう。

試乗モデルは日本に輸入されるGLEクラスではベーシック仕様となるGLE 300 d 4マティック。

ベーシックといってもパワートレインは5L級ガソリン・エンジン並みの最大トルクを誇る2L 4気筒ディーゼルに、上級クラスでは定番化しつつある9速ATを採用。2.3トンの車重をしても十分なスペックである。

上位グレードとは装備設定が異なるが、OP設定されたAMGラインとレザーエクスクルーシブパッケージの装備により内外装関連は上級グレードと同等にすることができる。

もっとも、両パッケージを装着すると、GLE 400 dとの価格差は約60万円でしかない。電子制御エアサスや駆動トルク可変分配型4WDの装備を考慮するならGLE 400 dを選ぶべきだろう。

なお、試乗モデルには撮影映えするAMGラインを装備している。

どんな感じ?

重量級のSUVの動力性能では滑らかな応答性が重要。動き出しのコントロールしやすさは普段使いでの扱い易さだけでなく、悪路走行時の踏破性にも関わってくる。

今回の試乗ではオフロード・ステージはなかったが、登坂発進や駐車場での取り回し等々の細かなアクセル操作を必要とする状況でも操りやすい。悪路での扱いも良さそうである。

車体サイズのわりに最小回転半径が小さいこともあって大型SUVに不慣れなドライバーでも戸惑うことはないだろう。

登降坂が連続する山間のワインディングロードに入っても印象は大きく変わらない。大トルクの余裕をそのままに細かなアクセルワークにもよくついてくる。長い登坂では1段低いギアを維持して変速頻度を少なくするなど、走行状況を的確に捉えた変速制御が素直で力強いエンジンを一層頼もしく感じさせる。車格を実感させる余裕とドライバビリティである。

動力性能はGLEクラスに十二分と言えるが、フットワークは微妙である。誤解なきよう付け加えるなら、出来が悪いという意味ではない。

GLE 400 dとGLE 450に採用された電子制御エアサスの出来が良すぎて、相対的にGLE 300 dが普及仕様のように思えてしまう。エアサス仕様に乗らなければそんな気分にもならなかったのだが……。

コーナリング/乗り心地

フットワークの基本はワインディング路や高速走行での安定性。高重心のSUVで車重2トン超級とすれば当然である。

神経質な挙動を徹底的に排除している。だからといって決してルーズな操縦性ではない。

動き出しも収束も滑らかであり、前後の接地バランスが安定しているので細かな補正操舵もなしでコーナリングラインを維持しやすい。

コーナリング中の制動も躊躇なくできる。車体サイズや車重をあまり感じさせないハンドリングである。

乗り心地では沈み込みを抑えた硬さを意識させられる。車軸まわりの揺動感も強め。S字コーナーでの切り返しなどの挙動収束や悪路での路面当たりを配慮したサス設計が乗り心地に現れている。

高速走行での安定性、悪路での踏破性と乗り心地をうまく両立させたフットワークだが、エアサス仕様の“低速域ではしなやか” “高速域ではしっかり”という快適域の広さあるいは走りの質感を比べると見劣りする。

300 dで十分ではあるが、快適性と走行性能の両立を考えた費用対効果では悩ましい問題である。

3列目シートは?

3列シートで乗車定員は7名。サードシートに大人が座るにはセカンドシートを前方にセットする必要がある。

それでも着座姿勢は膝を抱える、いわゆる体育座りに近く、サードシートの実用性は短時間の緊急用でしかない。

もっとも、SUVの3列シート車で実用的なサードシートを備えるモデルはなく、GLEクラスはまだ使えるほうだ。ただ、セカンドシートのスライド機構は客室/荷室のバランスを積載量に応じて加減できるので、アウトドアレジャー趣味に使うには有り難い機能である。

GLE 300 dの走行性能やキャビン機能を総合的に判断するなら、アウトドア趣味に適した上級SUVとなる。

WLTC総合モード燃費は12.5km/L、同じく高速道路モードでは14.2km/Lであり、同クラスでは燃料コストも良好。SUVの雰囲気を楽しむにもいいが、SUVらしく使うためのバランスのよさが見所である。

ベンツらしさが魅力

ただし、アウトドア趣味のRVとして適した性能や使い勝手を求めるなら、1000万円近い予算建ては不要。

GLEクラスは適応用途としてレジャー向けの正統派SUVだが、それだけで選ぶには費用対効果は低い。

走りの信頼、安全&運転支援機能やインフォテインメントの先進性などのベンツ車に共通した価値へ意義を見出してこその投資効果である。

外しがないから「先ずメルセデスありき」であり、価格に見合った価値を提供するから「メルセデスに掘り出し物なし」。

結局、至極真っ当な商売をしているのだが、それも含めて信頼と良識。それをアウトドア趣味で充実したプライベートライフに展開したのがGLE 300 d。

「今流行りの……」という視点ではなく、ベンツ車らしく真面目にSUVを楽しむユーザーに向けた真面目なSUVなのである。

メルセデス・ベンツGLE 300 d 4マティック スペック

価格:940万円
全長:4940mm
全幅:2020mm
全高:1795mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費:12.5km/L(WLTCモード)
CO2排出量:-
車両重量:2350kg
パワートレイン:1949cc直4ディーゼル・ターボ
使用燃料:軽油
最高出力:245ps/4200rpm
最大トルク:51.0kg-m/1600-2400rpm
ギアボックス:9速オートマティック

こんな記事も読まれています

WRCに最強の「セリカ」が参戦! ホモロゲーションモデルとして登場したトヨタ「セリカGT-FOUR RC」とは
WRCに最強の「セリカ」が参戦! ホモロゲーションモデルとして登場したトヨタ「セリカGT-FOUR RC」とは
バイクのニュース
SHOEIヘルメットにビルトイン可能! バイク用インカムの新製品
SHOEIヘルメットにビルトイン可能! バイク用インカムの新製品
バイクのニュース
フェルスタッペン、アメリカでの3戦で使用するスペシャルヘルメットを発表。ライトブルー基調に
フェルスタッペン、アメリカでの3戦で使用するスペシャルヘルメットを発表。ライトブルー基調に
AUTOSPORT web
テスラ モデル 3、新グレード「パフォーマンス」を追加…最高速度262km/h
テスラ モデル 3、新グレード「パフォーマンス」を追加…最高速度262km/h
レスポンス
ハコスカなんて偏平率82%よ! 昭和の時代は薄っぺらいタイヤが履けなかったって知ってた?
ハコスカなんて偏平率82%よ! 昭和の時代は薄っぺらいタイヤが履けなかったって知ってた?
ベストカーWeb
10年目にして一新! マツダ「ロードスター」は事実上のモデルチェンジ!? ドライビングファンは現代版ロータス「エラン」でした
10年目にして一新! マツダ「ロードスター」は事実上のモデルチェンジ!? ドライビングファンは現代版ロータス「エラン」でした
Auto Messe Web
フォルクスワーゲン、「Polo GTI」誕生25周年記念限定車「Edition 25」を発売開始
フォルクスワーゲン、「Polo GTI」誕生25周年記念限定車「Edition 25」を発売開始
月刊自家用車WEB
テスラ モデル3に爆速モデルが登場! 0→100km/加速タイムはなんと3.1秒だ!!
テスラ モデル3に爆速モデルが登場! 0→100km/加速タイムはなんと3.1秒だ!!
Webモーターマガジン
トヨタの大きなカクカク「最新SUV」発売! ゴツさ満点&快適車中泊な仕様も登場!? 新250のアイテムとは
トヨタの大きなカクカク「最新SUV」発売! ゴツさ満点&快適車中泊な仕様も登場!? 新250のアイテムとは
くるまのニュース
[カーオーディオ・プロショップに行こう♪]プロなら、使い勝手の良い「サブウーファーボックス」を作れる!
[カーオーディオ・プロショップに行こう♪]プロなら、使い勝手の良い「サブウーファーボックス」を作れる!
レスポンス
新しいマツダのセダン、EZ-6登場!──GQ新着カー
新しいマツダのセダン、EZ-6登場!──GQ新着カー
GQ JAPAN
【ドゥカティ】ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京で開催されたイベント「Ducati Day 2024」のレポートを公開
【ドゥカティ】ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京で開催されたイベント「Ducati Day 2024」のレポートを公開
バイクブロス
ノーマルシビックに羽根を授ける! モデューロが新たな実効空力テールゲートスポイラーを公開!
ノーマルシビックに羽根を授ける! モデューロが新たな実効空力テールゲートスポイラーを公開!
ベストカーWeb
楽天市場お買い物マラソンで MAXWIN のドラレコなどが最大20%OFF!
楽天市場お買い物マラソンで MAXWIN のドラレコなどが最大20%OFF!
バイクブロス
日産自動車、北京モーターショーで4車種の新エネルギー車のコンセプトカーを公開
日産自動車、北京モーターショーで4車種の新エネルギー車のコンセプトカーを公開
月刊自家用車WEB
FIA F2バルセロナ・インシーズンテストがスタート。初日はマクラーレン育成ボルトレートが最速
FIA F2バルセロナ・インシーズンテストがスタート。初日はマクラーレン育成ボルトレートが最速
AUTOSPORT web
高速道路でクルマが故障! 「謎の△」無いと罰金6000円!? 使い方わからない人も多い「三角表示板」とは
高速道路でクルマが故障! 「謎の△」無いと罰金6000円!? 使い方わからない人も多い「三角表示板」とは
くるまのニュース
こんないいクルマあるなら日本で売ってよスズキさん! 乗りたい欲が抑えきれない「海外専売モデル」4台
こんないいクルマあるなら日本で売ってよスズキさん! 乗りたい欲が抑えきれない「海外専売モデル」4台
WEB CARTOP

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1268.01510.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

258.01460.0万円

中古車を検索
GLEクラスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1268.01510.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

258.01460.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村