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トヨタの「“7人乗り”プリウス」がスゴかった! 全長4.6m級の「ちょうどイイサイズ」にめちゃ広い3列シート空間! “リッター31km”の低燃費すぎミニバン「プリウスα」復活あるのか!?

掲載 更新 8
トヨタの「“7人乗り”プリウス」がスゴかった! 全長4.6m級の「ちょうどイイサイズ」にめちゃ広い3列シート空間! “リッター31km”の低燃費すぎミニバン「プリウスα」復活あるのか!?

■“プラスアルファ”の価値で大ヒット作となった「プリウスα」

 2011年5月、トヨタはハイブリッドカー「プリウス」に新ラインナップ「プリウスα」を追加しました。

【画像】超カッコいい! これがトヨタの「プリウス“ミニバン”」です! 画像で見る(30枚以上)

 大ヒット作となった3代目プリウスの圧倒的な低燃費性能を受け継ぎ、カタログ燃費は31.0km/L(10・15モード燃費)をマーク。

 さらに広大な室内空間という“プラスアルファ”の価値も加えた、新しいコンセプトのモデルでした。

 この狙いは見事に成功しました。発売後わずか1か月で5万2000台もの受注を集め、2013年には年間販売台数が10万4000台に達するなど、爆発的な人気を獲得。ファミリー層を中心に、多くのユーザーから絶大な支持を得ました。

 プリウスαを理解するうえで最も重要なのが、全長4615mm×全幅1775mm×全高1575mmと、都市部でも扱いやすいボディサイズのなかに、2列・5人乗りと3列・7人乗りの2仕様が存在したことです。

 7人乗り仕様では、3列目シートのスペースを確保するため、トヨタの量産ハイブリッド車として初めて小型のリチウムイオンバッテリーを採用。

 これをセンターコンソール内に配置するという巧みな設計が採用されていました。

 この先進的な配置によって、7人乗り仕様の重量増は5人乗り仕様(ニッケル水素バッテリー)に対してわずか10kgに抑えられていました。

 また、乗り心地を向上させる「ばね上制振制御」という画期的な技術も搭載されていました。これは、モーターのトルクを微細に制御して車体の揺れを抑えるもので、プリウスαが“走り”にもこだわっていたことを示しています。

 オプション設定された世界最大級(当時)の樹脂製パノラマルーフも、ガラス製に比べて約40%軽量で、低重心化にも貢献していました。

 2014年にはマイナーチェンジによってフロントマスクがシャープなデザインに刷新。

 さらに2015年には「G’s」、2017年には「GR SPORT」といったスポーツコンバージョンモデルも追加され、モデルライフの中で魅力を高め続けました。

■大ヒット作が「絶版モデル」となった背景とは

 では、これほどまでに市場に受け入れられたプリウスαが、なぜ2021年3月に生産を終了し、姿を消すことになったのでしょうか。

 その背景には、3つの大きな理由が考えられます 。

 ひとつ目は、クルマそのものの「陳腐化」です。

 2015年にベースとなるプリウスが新開発のTNGAプラットフォームを採用した4代目へと進化したのに対し、プリウスαは旧来のプラットフォームのまま販売が継続されました。

 この技術的な世代間ギャップが販売減少の一因となり、ピーク時に年間10万台を超えていた販売も、末期の2019年には月平均約1000台にまで落ち込みました。

 ふたつ目は、「市場の変化と強力なライバルの出現」です。プリウスαが属していたステーションワゴン市場は縮小し、人気はSUVへと完全に移行。

 さらに皮肉なことに、トヨタ自身のラインナップにプリウスαの役割を代替する、より魅力的なハイブリッド搭載モデルが次々と登場したのです。

 5人乗りのワゴンを求める層は「カローラ ツーリング」へ。7人乗りを求める層は、スライドドアを備えた「シエンタ」や本格ミニバンの「ノア/ヴォクシー」へと流れていきました。

 3つ目は、「トヨタの販売戦略の転換」です。2020年、トヨタは国内の全販売店でそれまでの4チャンネル制を止め、全車種を取り扱う方針に転換しました。

 これにより、プリウスαのような特定のニーズに応える派生モデルを維持する意義が薄れ、販売台数の減少も相まって、車種整理の流れのなかで淘汰されたと考えられます。

 しかし生産終了から数年が経った今も、プリウスαの復活を望む声は少なくありません。

 特に現行5代目プリウスについて「美しいデザインの代わりに実用性が犠牲になった」と感じる層からは、「やはり広いプリウスが欲しい」という声がSNSなどにも上がっています。

 インターネット上では、「プリウス クロス」や「プリウス エステート」といった名称で、クロスオーバー風のスタイルで次期プリウスαが登場するのではないかという噂や予想レンダリング(イメージCG)も見られます。

 こうした復活の参考になりうるのが、トヨタが近年展開した「クラウン戦略」です。

 歴史ある「クラウン」をブランドとして展開することで、従来のセダンだけでなく、クロスオーバー、スポーツ、エステートといった複数のボディタイプを設定することで、新たな成功を収めました。

 この手法を応用し、「プリウスファミリー」として実用性を重視した派生モデルが登場する可能性は0ではないといえるでしょう。

 かつて“一時代を築いた”「広くて燃費の良いプリウス」というコンセプトが、現代の技術とデザインによってどう再定義されるのか。多くのファンが、その日を待ち望んでいます。(佐藤 亨)

文:くるまのニュース 佐藤 亨
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みんなのコメント

8件
  • sch********
    需要はあると思う。
    5人乗り欲しいです。
  • s01********
    プリウスαいまでもよく見かけますよね。
    エスティマもしかり、大人しめのデザインのファミリーカーはなんでなくなっちゃうんだろう?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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