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メルセデスF1、痛恨の”マジックボタン”ミスを避けるためにフランスGPに向け小変更を加える?

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メルセデスF1、痛恨の”マジックボタン”ミスを避けるためにフランスGPに向け小変更を加える?

 F1アゼルバイジャンGPの決勝レース終盤、赤旗中断からの再スタート直後にメルセデスのルイス・ハミルトンがターン1を止まりきれずにコースオフしてしまった。このミスについてハミルトンは、”マジックボタン”を押してしまったのが理由だと説明したが、チームはこの再発を防ぐための策を講じたようだ。

 アゼルバイジャンGPの決勝レースは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが、タイヤのパンクに起因するクラッシュを起こしたため、赤旗中断となった。そして残り3周というところからレースが再開されることとなった。

■ルイス・ハミルトンのまさかのコースオフを引き起こした“魔法のボタン”とは一体何なのか?

 この中断後の再スタートはスタンディングスタートとなったため、まずは各車が隊列を組んで1周のウォームアップランを行ない、それまでの順位でスターティンググリッドにつき、残り2周の超スプリントレースがスタートした。

 ハミルトンはこのウォームアップラップの際、ブレーキバランスをフロントに寄せ、フロントタイヤをしっかりと暖める作業を行なった。このブレーキバランスを瞬時に変えるボタンは、”マジックボタン”とも呼ばれている。

 ハミルトンはグリッドから好加速を見せたが、レッドブルのセルジオ・ペレスとサイド・バイ・サイドになったところで、誤ってこの”マジックボタン”を再度押してしまったという。その結果ターン1を止まりきれずにオーバーランしてしまい、最後尾まで落ちてしまった。そしてわずか2周ではポジションを取り戻すにはあまりにも短すぎ、痛恨の無得点でレースを終えたのだ。

 ハミルトンはこれについて、自身のミスであると告白しているが、メルセデスもミスが起きにくいマシンを提供するために対策を講じるようだ。

 メルセデスのテクノロジー・ディレクターであるマイク・エリオットは、チームがアゼルバイジャンGPの後に公開した動画で次のように語った。

「ルイスはほとんどミスを犯さない。それが、彼が他のドライバーとは違うところだ」

「彼がミスを犯しにくいマシンを用意するのは、我々の義務だ。我々はそのことを共有し、どのように改善できるかを検討する。そして、次のレースに向けて用意しなければいけない」

 フランスGPまでに行なうことができる対策は、ソフトウエアを変更するか、このマジックボタンに保護カバーを取り付けるという程度のモノかもしれない。そしてハミルトンも、ステアリングを掴むポジションを少し修正する必要があるかもしれない。

 ハミルトンは、右手でクラッチパドルを操作する際、左手はステアリングホイールの左上の角に置いていることが多い。実は今回問題の原因となった”マジックボタン”は、このハミルトンが左手を置くことが多い位置に近いのだ。これが、アゼルバイジャンでミスが起きた一因だった可能性がある。

 エリオットは次のように語った。

「彼は素晴らしいスタートを切った。彼とペレスは並んでターン1に向かい、その後ルイスは曲がる過程でマジックボタンを押してしまった。残念なことに、彼はそれを押したと感じていなかったようだ」

 このマジックボタンの押し間違いが表面化したのは、アゼルバイジャンが初めてだった。しかしブレーキバランスを動かすという仕組みは、新しいモノではない。

 ハミルトンは、2019年以来ずっと同じレイアウトのステアリングホイールを使っている。そして以前使っていたツインパドルのモノではなく、シングル・ウイッシュボーンスタイルのクラッチパドルを好んでいたようだ。

 レースをスタートするにあたって、ステアリングの左上の角に手を置くのは、このパドルのポジションに対応するためのポジションだったはずだ。そしてクラッチの感触を掴み、コントロールするのに役立っていただろう。

 一方でチームメイトのバルテリ・ボッタスは、より短いクラッチパドルを使っている。これによって、レースをスタートする際に、左右どちらも使うことができるようだ。

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