ピレリは2024年から、タイヤウォーマーを使わずに使用できるタイヤを投入すべく準備を進めており、今週末のベルギーGPの際に行なわれるF1委員会で、導入するかどうかの最終決定が下される予定である。
ピレリはこのタイヤウォーマー不要のタイヤについて自信を持っており、すべきことは全てやったと信じている。
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F1は2024年から、タイヤウォーマーの使用を禁じることを目指している。現在世界中で行なわれているモータースポーツ・シリーズのうち、タイヤウォーマーを使っているシリーズは少数派となっており、F1もその方向に舵を切ろうとしている。
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しかしF1チームはこの方向に批判的。ウエットタイヤとインターミディエイトタイヤについてはタイヤウォーマーを排することに同意しつつも、スリックタイヤ(ドライタイヤ)についてはタイヤウォーマーを残す可能性が高いと見られている。
これについてはピレリがテストプログラムに関する報告書をFIAに提出し、金曜日にベルギーGPの舞台であるスパ・フランコルシャンで行なわれるF1委員会で議論がなされる予定だ。
現時点で2024年のレギュレーションは、タイヤウォーマーを来年も使用すると規定されている。そしてFIAとしては、この決定をF1委員会に委ねる前に、ピレしがウォーマーなしでも走れるタイヤを作り上げるために十分な行動を採ったかどうかを判断する必要がある。
F1チームは、今季からタイヤウォーマーなしで使うウエットタイヤを導入することには賛同。モナコGPでこのウエットタイヤを初めて実戦使用した。しかし、インターミディエイトタイヤについては、ウォーマーなしで使えるモノに変更するという試みを否定。ただ、前述の通り2024年からインターミディエイトもタイヤウォーマーなしに切り替えられる見込みである。
ただ、ウォーマーなしで使えるドライタイヤについても、テストプログラムが続けられており、決定前最後の実走テストは、イギリスGP後にシルバーストン・サーキットで行なわれ、レッドブル、ウイリアムズ、ハースの3チームがこれに参加した。
この新しいタイヤは、走行前にウォーマーで温めずとも、ピットを出てコーナーをいくつか通過すれば十分にタイヤが発熱し、問題なく使うことができるという。しかしながら、テストを行なったバーレーン、バルセロナ、シルバーストンは、いずれもタイヤへの負荷が高いコースであり、チーム関係者はより幅広いタイプのコースでも、テストを行なう必要があると主張しているという。
チーム側としては当然、変数となりうる要素が加わることは避けたいと考えるのは当然であろう。一方でピレリは、タイヤウォーマーなしで走れるということを証明できたと、自信を持っている。
「我々は全体的に満足しており、チーム代表によって行なわれるF1委員会での評価に向けて、文章を定めた」
ピレリのチーフエンジニアであるシモーネ・ベラはそう語った。
「我々はシーズンのこの時点で、望んでいた場所にいる」
「今後もテストがある。スパでも、モンツァでも予定されているし、競技会内でのテストもある。開発段階はまだ終わっていない」
「まだテストすべきモノがいくつかあるし、新しいコンパウンドもある。構造はほぼ出来上がっているが、我々はコンパウンドを真剣に探しているんだ」
このタイヤウォーマーなしのタイヤについては、レース戦略にどんな影響を及ぼすのかという点で疑問が残る。また、タイヤウォーマーを使わないタイヤを履いてコースに出た際、どんな挙動を見せるのかという点についても疑問符がついている。
メルセデスのトラックサイド・エンジニアリング・ディレクターであるアンドリュー・ショブリンは、motorsport.comに対して次のように語った。
「ドライでの課題は、ウエットよりもはるかに大きいと思う」
そうショブリンは言う。
「ウォーマーなしで週末のレースを走るということは、間違いなく可能だ。そうしようと思えば、来週にもできる」
「問題は、それによってレースが改善されるか? もっと良いショーになるか? そういう点だ。テストでは、半周くらいした段階でグリップを得ることができる。そこから先は、ドライバーにとっては比較的普通のことだ。ただ、路面がウエットからドライへと移行していく状況、セーフティカーが出場したり、全車がピットに入ったりするなど、テストでは試すことができないシナリオもある」
「100度で使うように設計されたスリックタイヤを履いて、少し濡れたコンディションでピットレーンにいてタイヤの温度が20度しかないと、グリップはほとんどない」
「安全性が担保されているか、スポーツとしてこれに取り組むだけの準備ができているかどうか、その点についてはまだ多くの疑問が残されていると思う」
興味深いのは、F1委員会でタイヤウォーマーを使わないドライタイヤの2024年からの導入が棄却されたとしても、ベルギーGP終了後にはアストンマーチンとマクラーレンが参加して新タイヤのテストが行なわれる予定になっているということだ。
なお2025年以降のF1タイヤサプライヤーについては、現在選定の作業が進められている状態。ピレリ以外にブリヂストンも、F1復帰に向けて入札したと言われている。
この決定は夏休みの間にも下される予定で、もしブリヂストンが次期タイヤメーカーに決定し、しかもF1委員会がタイヤウォーマー廃止を受け入れなかった場合には、ピレリのタイヤウォーマーなしのタイヤテストは意味なさないことになるため、2024年用の”タイヤウォーマーあり”のタイヤ開発にシフトすることになるはずだ。
ベルギーGP後にスパで行なわれるテストは、日程的にも今から内容を変更するのは難しいと思われるため、タイヤウォーマーなしのタイヤがテストされることになるはずだ。しかしモンツァで予定されているテストは、2025年用タイヤをテストする意味はなく、2024年用”ウォーマーありタイヤ”のテストに移行する可能性がある。
そうなるとこのモンツァでのテストを担当するレッドブルとアルピーヌは、2024年用タイヤを他チームよりひと足早く試すこととなり、不公平な状況になる可能性がある。
なおアブダビGP後にヤス・マリーナ・サーキットで予定されているテストでは、全てのチームが2024年用タイヤを試すことができる予定だ。
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