2027年春に運行開始するJR東日本の「オールグリーン車」
かつての国鉄、そして発足当時のJRには、在来線の夜行列車が数多く設定されていました。とくに「20系客車」登場以降の夜行寝台列車は「ブルートレイン」として親しまれました。
【画像】JR東日本の「新・夜行特急」と往年の「ブルートレイン」を写真で見る(20枚)
しかし2000年代に入り、新幹線網の拡大や高速道路ネットワークの整備にともなう高速バスの一般化などが進み、夜行列車の需要は激減します。
そしてブルートレインも2015年に「北斗星」が定期運行を終了、JRグループの夜行定期寝台列車は「285系電車」による「サンライズ瀬戸・出雲」を残すのみとなっています。
ところがこのように夜行列車を巡る環境が厳しくなるなか、JR東日本が6月11日に驚きの発表を行いました。それは「オールグリーン車」の新たな夜行特急列車を2027年春に運行開始するというものです。
この新たな夜行特急列車の車両は現在常磐線の特急「ひたち」「ときわ」を中心に運用されている「E657系」のうち、1編成10両が改造して充てられます。
旅客用の座席を設けるのはこのうち9両となり、前述のようにすべてがグリーン車で、乗車定員は120名程度となります。
1号車と10号車は1人用および2人用個室の「プレミアムグリーン」となり、2人用個室にはL字型のソファを配し、幅190cm×長さ200cmのフルフラットのスペースとへのアレンジも可能とのことです。
また2号車から4号車、6号車から9号車のグリーン車にも1人用、2人用、4人用の個室が設定されます。
こちらの1人用、2人用個室もシートアレンジによりフルフラット化が可能で、スペースは1人用が幅90×長さ195cm程度、2人用が幅185×長さ200cm程度となります。
4人用個室は常時フルフラットで、スペースは幅325×長さ195cmと、おおむね3.5畳程度と考えていいでしょう。
さらに6号車には1人用および2人用の「車いす対応グリーン個室」を2室設定するとのことです。
一方5号車は「ラウンジ/販売スペース」となります。ラウンジは車内唯一のオープンスペースで、乗客同士の交流の場、グループ旅行の語らいの場としての利用が想定されています。
JR東日本社長は「ブルートレインの復活ではない」
エクステリアデザインは、ブルートレインを彷彿とさせるイメージが与えられます。
車両全体は「2色の青」が包み込み、1号車側はブルートレインの記憶を受け継ぐ明るい青「メモリアルブルー」、そして10号車側には真夜中から夜明けへと向かう時の流れを象徴する濃紺「ミッドナイトホライズン」という、非対称なカラーリングとなります。
メモリアルブルーとミッドナイトホライズンとをつなぐ白いラインは、夜明け前の一瞬の輝き「ブルーモーメント」を表現しています。
この新たな夜行特急列車の具体的な運行計画については、プレスリリースで「運行エリアや運行ダイヤ、ご利用料金、列車名称などについては今後改めてお知らせする」とされています。ただ同日に行われたJR東日本の喜瀬陽一社長の記者会見では、これらの内容についても一部が明らかになりました。
喜瀬社長は質疑応答の冒頭で列車のコンセプトについて、「長距離の移動を夜間に行うのがブルートレインであり、今回の特急列車はブルートレインの復活ではない。夜行列車の旅の楽しさや、旅先の観光を視野に入れるという部分で、ブルートレインとは異なる新たな旅の提案である」としています。
運行形態については、一編成しかないので定期列車は難しく、運行しようという目的地の観光ニーズなどに合わせての催行が考えられているとのことです。また具体的な運行の時間帯については「山手線の駅を21時ごろに出発すれば青森に9時に到着する」というイメージが語られました。
そして5号車のラウンジにおいて軽食を販売するものの、お仕着せの夕食は用意せず、好きなものを持ち込んで食べてほしいといった考えも語られました。
気になる料金については、「東京から新青森までグランクラスで行くと3万740円、グリーン車で行くと2万3740円。これに若干プラスしたくらいの金額にしたい」とのことです。
北東北の観光は、春の弘前城の桜、初夏の八幡平のドラゴンアイ、夏のねぶた祭り、冬の八甲田山の樹氷など、魅力的なコンテンツにあふれています。
2027年春の運行開始以降は、この新たな夜行特急列車でこれらの観光地を目指すツアーが用意されることになるのかもしれません。運行開始が楽しみです。(植村祐介)
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みんなのコメント
改造車なのは当然利益が少ない列車だから、改造なのも仕方ないがそれでも減価償却が過ぎて間もないE657系だから長期の活躍が期待できる。
あくまで観光列車。
定期的な夜行列車の復活は将来もなさそうだ。