エモいクルマを乗りこなす人が増えている。今回はフォルクスワーゲン「タイプ3」を普段使いするフォトグラファーの田邊剛が登場。50年以上前に発売されたクルマを、約20年に渡って乗り続ける理由とは。
【はじめに】アンティークやヴィンテージではなく、ちょっと古くてエモいクルマを乗りこなすおしゃれな人が増えている。彼らの物選びは個体の値段や希少性ではなく、“おしゃれ”であること。この連載では中古車を通じて、クルマの“おしゃれ”について考察する。
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18年間ずっと一緒
フォトグラファー・田邊剛の愛車は、1970年式「フォルクスワーゲン タイプ3」。18年前に購入して以来、仕事からプライベートまで、雨の日も風の日もともにしてきた。そのことを物語るようにボディにはサビが浮き、キズや凹みが目立つ。だがどれも“味”に見える。
「そもそも購入したときからコンディションはそこまで良い方ではありませんでした。普段からシートもかけずにそのまま屋外に止めているので劣化が激しいのかもしれません。とはいっても最近オーバーホールを済ませたばかりなので、すこぶる元気です」
いまでこそ盛り上がっている旧車界隈だが、18年前はそれほどでもなかった。なぜこのクルマを選んだのか訊くと、幼少期の体験に起因するようだ。
「子どもの頃テレビでワーゲンのバス(「フォルクスワーゲン タイプ3」)が映って可愛いなと思ったのが最初。ただそれはバスでしたし、いつか乗りたいと思ったわけではないですけどね。でも潜在的にはインパクトがあったのかも。とにかく古いから好きとか、そういう感じじゃないです」
長年乗り続けている相棒はロケハン帰りに、当時目黒通り沿いにあった中古車ショップに立ち寄った際に出会ったという。
「当時は「オペル アストロ」に乗っていたのですが調子が悪く、ちょうど乗り替えようと思っていたタイミングで、これなら機材も乗せられるしちょうどいいないいかかなって。ただ最初は古いクルマならではの”重ステ(重いステアリング)”のマニュアルに戸惑いました。いまでは最近のクルマのハンドルを握ると逆に軽くて違和感があるくらいですが」
次に乗りたい車種について訊くと「これ以外は考えられない」と言いながら、複雑な心境を語る。
「ほかのクルマに乗りたいという思いは特にないです。例えばこれとまったく同じ時代の同じモデルを提案されても乗りたいと思わない。『同じモデルなのに!?』と思うかもしれないけど、そういうことじゃないんだよっていう。このクルマがいいんです。でもだからといって、いわゆるクルマ好きの人が抱く”クルマ愛”を持っているのかと聞かれれば、またちょっと違うといいますか……。撮影現場はもちろんロケハンや温泉、近所のスーパーへ行く時も20年近くずっと乗り続けてきた結果、愛情だけじゃない、不思議な気持ちが芽生えています」
「普段から意識しておしゃれをしない」という。この日着用していたサンシーのジャケットに触れながら、愛車について自身のファッションと絡めて語る。
「このクルマ自体、別にカッコいいと思ったり誰かに見せたいと思って乗っているわけではなく、自分がただ好きで、運転を楽しんでいるだけなんです。普段のファッションもそうで、流行っているからという理由で選ぶことはありません。たとえばこういう民芸のようなデザインが好きだから、今日はこのジャケットを着ているわけで。ちなみに最近はずっとこれ。着すぎてすごいクタびれてきちゃったけど、これからもずっとおじいちゃんになっても着たいって思わせてくれるものなんです。このクルマもジャケットと同じく、僕にとってはずっと乗り続けたい、そういう存在なのだと思います」
田邊剛(たなべ・ごう)フォトグラファー
1981年生まれ。千葉県出身。2001年に写真家、富永よしえに師事。2004年に独立してフリーに。昨年10月に出版した、木彫り熊作家である柴崎重行の作品集『PENKERU』の撮影を担当。
文・オオサワ系 編集と撮影・岩田桂視(GQ)
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