現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 輸入車といえばコレ! メルセデス、BMW、アウディの「Dセグメント」を比べてみた

ここから本文です

輸入車といえばコレ! メルセデス、BMW、アウディの「Dセグメント」を比べてみた

掲載 更新 16
輸入車といえばコレ! メルセデス、BMW、アウディの「Dセグメント」を比べてみた

■はじまりは1975年に登場したBMW「3シリーズ」

 メルセデス・ベンツ、BMW、アウディは、日本においては「ドイツ御三家」「プレミアム・スリー」などと称される輸入プレミアムブランドだ。その人気は高く、2019年のブランド別輸入車新規登録台数はメルセデス・ベンツが1位で6万6553台、BMWが2位で4万6814台、そしてアウディが4位で2万4222台となっている。

シャープなガンダム顔に変更 BMWの高性能セダン 改良新型「M5」登場

 この3ブランドは、それぞれのカテゴリーでライバル車が存在している。どんなモデルがあってどんな特徴があるのかを見ていこう。まず最初は、欧州流のクラス分けでは「Dセグメント」というカテゴリーからだ。

 このセグメントという分け方は、ボディの大きさ(おもに全長)で分類するが、Aセグメントから始まってBセグメント、Cセグメントと進み、次がDセグメントになる。またそれより大きなEセグメント、Fセグメントへと続く。

 ちなみにAセグメントはドイツ御三家のブランドには存在していない。VW「up!」やルノー「トゥインゴ」がAセグメントにあたる。Bセグメントはアウディ「A1」があるが、メルセデス・ベンツ、BMWのモデルにはない。なお、BMW MINI3ドアはBセグメントだ。

 Cセグメントは、メルセデス・ベンツ「Aクラス」「Bクラス」、BMW「1シリーズ」アウディ「A3」などがこれにあたり、Dセグメントにはメルセデス・ベンツは「Cクラス」、BMWは「3シリーズ」、アウディは「A4」が当てはまる。

 それぞれのモデルの乗車定員は5人だが、大人4人乗車ならば楽に乗れてどこまでも快適にドライブできるし、ファミリーユースにもビジネスユースにも使える。全長4700mm前後と大き過ぎないボディは、軽快にスポーティドライブするにも適当なので、ある意味オールマイティな使い方ができるセグメントなのだ。

 いまやエンジンはターボチャージャー付きが当たり前になっていて、最近は搭載される一番小さなエンジンの排気量は1.5リッター以下になっている。これなら毎年払う自動車税も安い。また大きなエンジンは、その倍以上ある3リッター6気筒、4リッター8気筒エンジンを搭載するモデルバリエーションもあり、購入するときの選択肢は幅広くなっている。

 Bセグメント、Cセグメントより立派に見えるという点もプレミアム感を出したいメーカーは力を入れたくなるポイントだ。ボディサイズがあるので車両価格もそれなりにする。しかしサラリーマンでも手が届くゾーンにあるから、販売ボリュームもかなり見込める。つまりカーメーカーにとっては美味しい商品なのだ。

※ ※ ※

 Cクラス、3シリーズ、A4のなかでデビューが一番早かったのは、BMW3シリーズである。1975年に評判の良かった「02シリーズ」の後継車として、初めて3シリーズという名前で世に出た。初代3シリーズの開発記号は「E21」だった。最初は直列4気筒エンジンだけだったが、すぐに直列6気筒を搭載したモデルも登場した。

 3シリーズのサスペンションが、その後の多くのクルマのベンチマークになった。BMWのスポーティな走りを再現しようと、フロントはストラット、リアはセミトレーリングアームを採用したモデルが多く登場した。

 1982年に「E30」と呼ばれる2代目の3シリーズがヒットした。日本でも“六本木のカローラ”と呼ばれるくらいメジャーになった。今でもBMWというとまず3シリーズをイメージする人が多いのも、このE30が売れたせいかもしれない。

 同じタイミングで登場したのがメルセデス・ベンツCクラスだ。W201型「190E」の後継車として、W202型Cクラスが颯爽と現れた。

 BMWとは反対に、メルセデスといえば一番大きな「Sクラス」をイメージする人が多いようだ。良くも悪くもその押し出しの強さがメルセデスだったが、190Eが登場したころからちょっと可愛くなって「小ベンツ」という呼び方をする人もいたが今は昔だ。

 プレミアムカーの代表格であるメルセデス・ベンツだが、190Eや初代Cクラスを開発するにあたって妥協はしていない。「最善か、無か」という社是は、この当時一番小さなサイズのモデルにも浸透していた。

 初代Cクラスを実際に運転しても、メルセデスの特性で小回りが効くから、車庫入れ、縦列駐車などが楽にできた。高速道路を走っているときのバシッとした安定感も、Sクラス同様、Cクラスでも高いレベルで実現していた。根本的なクルマづくりのところで、安全が最優先されているからだろう。ハンドルの応答性はシャープ過ぎず、ドライバーの技量に頼らないところもメルセデスらしさだ。

 若い女性に人気だったモデルといえば真っ赤なアウディだ。話題のアウディ80からの後継車として1994年に登場したのがA4だ。初代はB5、二代目はB6、そしてB7、B8、B9と現行まで数字が続く。初代がB5だとするとB4はと探るとアウディ80へと繋がっていく。

 先進技術のアウディだが、その代表格としては4WDの「クワトロ」が有名だ。

 それまで4WDといえばオフロード専用と思われていたのに、オンロードを走る普通の乗用車に使うという発想でクワトロが登場した。安定感が増して走りやすくなるし、冬道では鬼に金棒の走りができるようになる。いまだにアウディは北海道のシェアが高いのも、このクワトロの効果があるはずだ。

 もうひとつ、女性に人気があるのはアウディの質感の高いインテリアだ。ライバルメーカーも頑張っているが、昔からアウディのダッシュボードの造り方は丁寧な仕事をしている。

■Cクラス、3シリーズ、A4の特徴をそれぞれ解説

 それでは、ドイツ・プレミアムスリーのDセグメントモデルをそれぞれみていこう。

BMW「3シリーズ」

 2019年、初代「E21」が登場してから数えて7代目となる新型「G20」3シリーズが登場した。

 エンジンは2リッター直列4気筒ターボガソリンとディーゼル、3リッター直列6気筒ターボ、そして2リッター直列4気筒ターボに電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドも用意している。

 これらは「320i」「320d」「330i」「M340i」「330e」というネーミングになっている。FRの典型的なレイアウトであるが、前後の重量バランスが50:50になるように重いバッテリーをトランクに移すなど、お金をかけて作っている。

 それはハンドリング性能と乗り心地性能の両方を、高いレベルに持っていくためだ。「xDrive」という4WDモデルでも50:50を実現している。

 足の動きでトランクリッドを開閉することができるセンサーの装着も早かった。今はリバースアシストで記憶している50mのハンドル操作をやってくれるのもおもしろい。ギミックのようなものだが、実用上でも役に立つ。

 長距離ドライブが多いならディーゼルの320d、オールマイティなのはガソリンの320iがお勧めだ。雪国の人にはxDriveも魅力だろう。

BMW「3シリーズ」セダン(320i)
全長×全幅×全高=4715mm×1825mm×1440mm
ホイールベース=2850mm

メルセデス・ベンツ「Cクラス」

 バシッと閉まるドアの音で、走り出す前から車内には安心感が漂う。ここはSクラスと変わらない品質感を出しているから、Cクラスの人気も衰えない。

 BMW3シリーズと同じく典型的なFRレイアウトであるが、BMWほど重量バランスにはこだわっていない。ややフロントヘビーにすることで直進性を上げているからだろう。

 Cクラスのエンジンは1.5リッター直列4気筒ターボ、2リッター直列4気筒ターボガソリン、ディーゼル、48VのBSG(ベルトドリブン・スタータ・ジェネレータ)を装備した「C350e」もある。さらにメルセデスAMGと呼ばれるスポーティバージョンは、3リッターV型6気筒ツインターボ、4リッターV型8気筒ツインターボなども用意されている。

 1.5リッターターボの「C180」でも9速ATで十分に走るが、余裕が欲しいなら「C200」だ。最近出たローレウスエディションはスポーティ派に向けたバージョンだ。もちろん最高出力476psを発生するメルセデスAMG「C63S」になると別次元のクルマになる。

メルセデス・ベンツ「Cクラス」セダン(C200ローレウスエディション)
全長×全幅×全高=4705mm×1810mm×1425mm
ホイールベース=2840mm

アウディ「A4」

 フォルクスワーゲングループとしてプラットフォームの共通化を進めると、このA4も横置きエンジンになってもいいころなのだが、いまだに縦置きエンジンにこだわっているところがプレミアムブランドらしくて良い。

 FWDベースなので、コーナリングではフロントヘビーのネガティブな部分が出そうだが、普通に走っているぶんにはそれに気づかせないように出来上がっている。

 クワトロの場合もフロント40%、リア60%という駆動力配分にして、フロントヘビーによる曲がりにくさを出さないように努力している。

 エンジンは1.4リッター直列4気筒ターボ、2リッター直列4気筒ターボ、3リッターV型6気筒ターボと、こちらもバラエティに富んでいる。V型6気筒搭載車は、A4から名前が変わって「S4」と呼ばれる。

 ベースモデルとなる「A4 35 TFSI」のFWDも悪くないが、どうせアウディに乗るなら「A4 45TFSI クワトロ」を選ぶのをオススメする。

アウディ「A4」セダン(A4 35 TFSI)
全長×全幅×全高=4750mm×1840mm×1430mm
ホイールベース=2825mm

こんな記事も読まれています

スズキ「新型スイフト“セダン”」!? 精悍顔「コンパクトセダン」は意外と現実的! 次期型「ディザイア」なCGがスゴイ
スズキ「新型スイフト“セダン”」!? 精悍顔「コンパクトセダン」は意外と現実的! 次期型「ディザイア」なCGがスゴイ
くるまのニュース
「Try, Hyundai EV試乗会 KONA&IONIQ 5」の追加開催決定! 5月11日(土)から4都府県で順次開催
「Try, Hyundai EV試乗会 KONA&IONIQ 5」の追加開催決定! 5月11日(土)から4都府県で順次開催
カー・アンド・ドライバー
スバル伝説のスタイリッシュクーペ「アルシオーネSVX」ってどんなクルマ? 32年前の“右ハンドル仕様”を米国で発見
スバル伝説のスタイリッシュクーペ「アルシオーネSVX」ってどんなクルマ? 32年前の“右ハンドル仕様”を米国で発見
VAGUE
ますます魅力的……ホンダ軽商用バンN-VANが一部改良 Nシリーズ10周年記念車はアウトドアテイスト満点!!!
ますます魅力的……ホンダ軽商用バンN-VANが一部改良 Nシリーズ10周年記念車はアウトドアテイスト満点!!!
ベストカーWeb
トヨタ新型「ランクル250 エアロ仕様」初公開! オシャ&タフな精悍スタイル!? リアスポイラーも設定
トヨタ新型「ランクル250 エアロ仕様」初公開! オシャ&タフな精悍スタイル!? リアスポイラーも設定
くるまのニュース
R34GT-Rはタービン交換に40万円!? 中古で激安の過走行車購入はアリなの? 10年/10万kmのメンテ費用はいくらかかるのか
R34GT-Rはタービン交換に40万円!? 中古で激安の過走行車購入はアリなの? 10年/10万kmのメンテ費用はいくらかかるのか
ベストカーWeb
うおおおお!!!!!!!! やっぱあったじゃん新型マツダ6セダン!!! 待望のFRで高級サルーン爆誕か!?!?
うおおおお!!!!!!!! やっぱあったじゃん新型マツダ6セダン!!! 待望のFRで高級サルーン爆誕か!?!?
ベストカーWeb
スズキ「Vストローム250SX」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
スズキ「Vストローム250SX」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
スズキ「スイフト」が英国で圧倒的支持を受ける理由 顧客満足度8度目の1位、信頼性ランキングも2位という揺るぎない実績
スズキ「スイフト」が英国で圧倒的支持を受ける理由 顧客満足度8度目の1位、信頼性ランキングも2位という揺るぎない実績
Merkmal
異次元のSTIモデルだ! 歴代Sシリーズで唯一SがつかないR205の走りがヤバすぎた!!!
異次元のSTIモデルだ! 歴代Sシリーズで唯一SがつかないR205の走りがヤバすぎた!!!
ベストカーWeb
最高のミニバンキャンパーはこれだ! 4人が寝られるトヨタ ノアがベースのキャンパー
最高のミニバンキャンパーはこれだ! 4人が寝られるトヨタ ノアがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
SFドライバーのテオ・プルシェールがインディカー参戦決定。第2戦ロングビーチでマクラーレンから代役出走へ
SFドライバーのテオ・プルシェールがインディカー参戦決定。第2戦ロングビーチでマクラーレンから代役出走へ
AUTOSPORT web
未来のWRC戦士は誰だ? 若武者激突! モリゾウチャレンジカップ第2戦レポート
未来のWRC戦士は誰だ? 若武者激突! モリゾウチャレンジカップ第2戦レポート
ベストカーWeb
プリウスもない! クラウンセダンにもない! 最近フォグランプのあるクルマ減ってない?
プリウスもない! クラウンセダンにもない! 最近フォグランプのあるクルマ減ってない?
ベストカーWeb
宮田莉朋が2度目のWEC出走へ。第3戦スパでレクサスRC F GT3を代役ドライブ
宮田莉朋が2度目のWEC出走へ。第3戦スパでレクサスRC F GT3を代役ドライブ
AUTOSPORT web
中央道の渋滞対策2ストライク、三振間近! なぜ愚策が繰り返されるのか?[清水草一の道路ニュース]
中央道の渋滞対策2ストライク、三振間近! なぜ愚策が繰り返されるのか?[清水草一の道路ニュース]
ベストカーWeb
大型連休でも大活躍! 6名以上乗れる手頃な価格の中古車4選
大型連休でも大活躍! 6名以上乗れる手頃な価格の中古車4選
グーネット
ハイブリッドなのにスポーツカー⁉️ C 63 Sに新世代のAMGを見た
ハイブリッドなのにスポーツカー⁉️ C 63 Sに新世代のAMGを見た
グーネット

みんなのコメント

16件
  • BMWは3シリーズが、メルセデスはSクラスがブランドイメージを牽引しているように思う
    7シリーズは大きな3シリーズと感じる一方で、Cクラスは小さなSクラスというのがしっくりくる。
    ちなみに自分は320i G20 Mスポーツを買って、まだ500kmしか走れてないのもあって足回りの硬さに閉口しています笑
  • ジャガーXFとかの方が、本来日本人好みの乗り味の気がする。
    ま、好きなものが一番!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

479.0764.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0648.0万円

中古車を検索
A4 (セダン)の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

479.0764.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0648.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村