カタルニア・サーキットを舞台にF1スペインGPの決勝レースが行なわれ、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが他を寄せ付けないポール・トゥ・ウィンを果たした。
グランプリ2日目は雨混じりとなったものの、決勝前の天候は晴れ間も差す状況。気温24度、路面温度35度と予選時より暖かいドライコンディションだったが、サーキット北西には分厚い雲も立ち込めていた。
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降雨の可能性も示唆される中、各車はスタートタイヤにほとんどがソフトタイヤを選択。その中でポールスタートのフェルスタッペンと11番手のセルジオ・ペレス(レッドブル)がミディアムタイヤを履いた。
なお、ピットスタートを選択したシャルル・ルクレール(フェラーリ)がハードタイヤ、ローガン・サージェント(ウイリアムズ)がミディアムタイヤを履いた。ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は予選での他車への走行妨害により計6グリッド降格ペナルティが科され、10番手からのスタートとなった。
全66周の決勝レースが幕を開けると、ソフトタイヤを履くカルロス・サインツJr.(フェラーリ)がターン1でフェルスタッペンに襲いかかるも、フェルスタッペンがそれを退けて首位を死守。フェルスタッペンはミディアムタイヤながらも、サインツJr.以下を上回るペースでギャップを築いていった。
3番手スタートのランド・ノリス(マクラーレン)はオープニングラップでルイス・ハミルトン(メルセデス)と接触して後退……1周でピットインを強いられることとなった。
ランス・ストロール(アストンマーチン)はノリスやハミルトンを抜いて3番手に立ったが、ハミルトンが8周目ターン1で抜き返して3番手陥落。その後方からは予選で後方に沈んだメルセデスのもう1台、ジョージ・ラッセルが迫った。
スタートから数周でソフトタイヤ勢のタイムに陰りが出始め、後方で大きなジャンプアップを見せていた周冠宇(アルファロメオ)や角田裕毅(アルファタウリ)などからピットインし、ハードタイヤやミディアムタイヤなどに変えていった。
フェルスタッペンから7秒差とペースの上がらない2番手サインツJr.は、ハミルトンに1秒差まで接近されて15周目の終わりにピットイン。ミディアムタイヤに履き替えたが、サインツJr.としてはこの選択に無線で疑問を呈していた。
一方でフェルスタッペン、ハミルトン、ラッセルのトップ3は20周を越えてもスタートタイヤで1分20秒台の好ペースをキープ。4番手には予選11番手から追い上げてきたペレスがつけた。
ハミルトンはソフトタイヤながらもスティント終盤までペースを維持し、24周終わりにピットイン。ミディアムタイヤを履いて、サインツJr.の後ろ5番手でコースに合流した。
レッドブルはフェルスタッペンを26周目の終わりにピットへ呼び込み、ハードタイヤへ交換。ピットへ入っていない2番手ペレスの前でコースに復帰した。
ペレスが翌周ピットインを済ませたことで全車がタイヤ交換義務を消化。ラッセルはターン5で雨粒が落ちたとチームに無線で報告したものの、他のドライバーから降雨の報告はなく「汗かもしれない」という結論にラッセルとメルセデスは至ったが、路面温度は30度まで低下するなどコンディションの変化はあった。
この時点でフェルスタッペンが首位、ハミルトンがサインツJr.を抜いて2番手、4番手にラッセル、5番手にストロール、6番手をエステバン・オコン(アルピーヌ)と角田が争った。
ただ角田はオコンを抜ききれない周回が続き、30周目を越えたあたりからペースダウン。ペレスに交わされ8番手に後退した後、34周目の終わりにピットでミディアムタイヤへ交換した。
角田は翌周ピットへ入ったオコンのアンダーカットに成功したものの、39周目のホームストレートで再び抜き返された。しかし、角田はしばらくオコンに離されることなく1秒差で追いかけることができた。
上位勢ではサインツJr.が42周目に2度目のピットイン。ソフトタイヤ→ミディアムタイヤ→ハードタイヤへと繋ぐタイヤ戦略を採った。
3番手のラッセルは45周目の終わりにピットへ。ソフトタイヤに履き替え、最終スティントで飛ばす戦略に出た。1ストップ戦略かと思われたペレスもそこから数周遅れてピットへ戻り、新品のソフトタイヤでコースに復帰すると1分16秒までペースを上げて、54周目にサインツJr.を攻略。4番手に浮上して7秒先のラッセルを追った。
首位フェルスタッペン、2番手ハミルトンも最終スティントへ向けてソフトタイヤへ交換。トップ2は盤石な状況を築いていたが、フェルスタッペンにはトラックリミット違反による黒白旗が振られ、チームはリスクを避けてファステスト狙いを控えるよう諭した。
ただ、その直後にフェルスタッペンは1分16秒330のファステストラップを記録。その後は1分17秒台までペースを落とし、ファイナルラップへ。そのままマシンをチェッカーまで運び、今季5勝目をポール・トゥ・ウィンという形で挙げた。
2位にハミルトン、3位にラッセルが入りメルセデスがダブル表彰台。フェルスタッペンからハミルトンは24秒差と大きなギャップがあるものの、名門復活に向けてポジティブな結果となった。
ペレスは最終的に約3.4秒足りず4位で表彰台を逃した。フロントロウスタートのサインツJr.は5位。アストンマーチンの2台が6~7位に続いた。
角田はレース終盤までオコンや周と入賞を争った。ただ、周をコース外に押し出したと判断され5秒のタイム加算ペナルティが科されてしまった。8位オコンに続いてチェッカーを受けた角田だがペナルティにより12位に降着。周やピエール・ガスリー(アルピーヌ)が繰り上がり、ポイントを獲得した。
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