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カエル似のライト ナマズ似のグリル デイムラーSP250 & モーガン・プラス8(1) 英国製V8の世界

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カエル似のライト ナマズ似のグリル デイムラーSP250 & モーガン・プラス8(1) 英国製V8の世界

トルクフルな特性 ビート刻むサウンド

V型8気筒エンジンと聞いて、真っ先に思い浮かぶ国はアメリカだろう。だが歴史を振り返ると、英国の自動車メーカーもその可能性へ古くから注目していた。トルクフルな特性にビートを刻む勇ましい響きが、大西洋の反対側でもドライバーを魅了してきた。

【画像】ベントレーにロータス、マクラーレンまで UK編集部が選んだ英製V8エンジン・モデルたち 全99枚

確かに第二次大戦以前、V8エンジンを手掛けていた英国の自動車メーカーは、数えるほどしかなかった。スタンダード社やオートビア社といったブランドは、既に現存していない。それでも、様々なクラスのモデルへ採用されてきたことも事実だ。

今回は、編集部選りすぐりの英国製V8エンジン・モデル、10台を揃え、2台毎の試乗で魅力を振り返ってみることにした。ただし、アメリカ製ユニットを積んでいた、ジェンセンやACカーズなどは見送っている。

MP4-12CのV8は日産ユニットがベース

モーガン・プラス8は、ローバーが提供するV8エンジンを積んでいたが、その起源はゼネラル・モーターズにあることをご存知かもしれない。それでも、ローバーが金型と製造・販売の権利を購入し、多様な目的を前提に進化を経た英国製ユニットだといえる。

マクラーレンMP4-12CのV8エンジンは、1990年代後半に開発された、日産のル・マン・マシンへ積まれたユニットがベースなことはご存知だろうか。その潜在能力を最大限に引き出し、磨き込んだのは、マクラーレンの技術者だ。

技術の進化を象徴したような傑作から、不調に悩まされた労作まで、個性豊かな10台が一堂に会した。まずは、クラシック・スポーツから乗り始めていこう。

魅力の中心にある2.5L V8エンジン

1959年から1964年に製造された、FRP製ボディを持つ2シーターのロードスターが、デイムラーSP250「ダート」。この魅力の中心にあるのは、2.5L V8エンジンだ。

技術者のエドワード・ターナー氏が、世界最高の1基を目指して設計したユニットは、パワフルでシルキー。半球状の燃焼室にオーバスクエア比率のシリンダー、軽いプッシュロッド、混合気を均一に送る吸気マニフォールドなどが、その鍵を握っていた。

ボディ後端にはテールフィンが控えめに伸び、最高速度は196km/h。グレートブリテン島中部、コヴェントリーに拠点を置いたデイムラーがこんなモデルを発売するとは、当時は誰も予想しなかったはず。ところが、主要市場のアメリカでは不発に終わった。

彼の地では無名ブランドで、スタイリングは少々華やかさに欠けていた。サービスを受けられるディーラーも限定的だった。クライスラーが「ダート」という名称の権利を保有しており、改名が迫られたことも、イメージとしてはプラスに働かなかった。

カエルのようなライト ナマズのようなグリル

今回ご登場願ったガンメタルのSP250は、1960年式。現オーナーのジェームズ・デイビス氏は、レストアが行き詰まっていた状態だったものを、2015年に購入したという。

「自分は、1964年までデイムラーで働いていたんです。最後のSP250が製造されていた頃で、それ以来、いつか手にしたいと考えてきました。これは、デイムラーの工場でシャシー補強などが施された、Bスペックへアップグレードされた1台なんですよ」

デイビスが購入後、レストアは再始動。ボディとシャシーを分離し、入念に仕上げられている。カエルのように飛び出た丸いヘッドライトと、ナマズのようなフロントグリルが印象的。思わず、好きになってしまう人も少なくないはず。

その奥には、1960年代のユニットとしては驚くほど滑らかに回る、V8エンジンが潜んでいる。6000rpmまで引っ張れば、小気味いい加速を引き出せる。トルクが太く、1000rpm程度でトップギアの4速のまま走ることもいとわない。

この続きは、デイムラーSP250 & モーガン・プラス8(2)にて。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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