【試乗】メルセデス・ベンツML63AMGは、AMGの名から想像できない走りの個性を持っていた【10年ひと昔の新車】
2021/05/17 06:30 Webモーターマガジン 2
2021/05/17 06:30 Webモーターマガジン 2
2008年、2代目メルセデス・ベンツMクラスのフェイスリフトが行われ、同時に「ML63AMG」も変更を受けた。Motor Magazine誌はプレミアム化がさらに進められたMクラスの中で、とくにML63AMGに注目。上陸間もなく試乗テストを行っている。ここではその時の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年2月号より)
内外装が改良され、フロントマスクはより精悍なものに
SUVモデルとはいっても常にオフロードや悪路ばかりを走っているわけではない。工場から出荷され、その生涯を終えるまでほんの1mもオフロードを走らないSUVだって数は少なくないはずだ。とくに日本のような国では。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
それではどこにSUVの価値を見いだすのか。個人的には、1台でどのようなシチュエーションにも対応できるユーティリティの高さにあると思っている。それは路面の状況への適応性の高さだけではなく、ライフスタイルの中で起こりうるシチュエーションの変化にもだ。
年齢や生活環境の変化とともにクルマを使う場面は変化する。一緒に乗る人だって変わる。それは当然といえば当然なのだが、どんな場面に遭遇しても、1台でほとんどのことがこなせるクルマってなんだろうと思ったときに、ML63AMGが頭の中に浮かんだ。
メルセデス・ベンツのSUVのパイオニアとなる初代Mクラスのデビューは1998年。そして2005年には2代目が導入された。世界累計販売台数約99万台、日本累計販売台数約1万3000台(2008年9月現在)とヒット作になった。1998年当時のメルセデス・ベンツにSUVモデルはGクラスしかなく、その後、このM、GL、R、最新のGLKとこの10年で実に5モデルへとラインアップが拡大されたが、それはこのMクラスの成功なくしてはなかっただろう。
2008年10月、そのMクラスの内外装が改良された。まずはそのディテールを見てみよう。
外観で大きく変わったのがフロントグリルとフロントバンパー、そしてヘッドライトのデザインだ。新しい表情はより精悍さが強調されたものとなった。また、ML63AMGは、アルミホイールが20インチから21インチに拡大され、スポークのデザインをツインタイプへと変更、タイヤサイズも295/40R20から295/35R21に拡大もされている。
内装に目を移すと、まずスタート/ストップボタンが用意されたことに気がつく。そして地上デジタル放送対応テレビ、ミュージックレジスター機能が追加されるなどCOMANDシステムの機能も充実した。
安全面では、SRSニーエアバッグが新しく装備され、緊急ブレーキ時にブレーキライトが点滅し後続車に注意を促すアダプティブブレーキライトが装備されたことが挙げられる。
AMGの名から想像するハードさはなく、意外なほどコンフォート
試乗したのは、ML63AMG。搭載エンジンは他の63AMGシリーズ同様に6.2L V8。パワーに不満などまったくなく、ゆったりとしたクルージングから、右足に少し力を込めただけで、一瞬にして本領が発揮され、その瞬間からどのような回転域にあってもストレスなく2.3t以上もあるボディをグイグイと引っ張っていく。
それは、SUVらしさが試されるシチュエーションでもなんら変わることはない。撮影ポイントとしてスキー場が用意されており、そこで未舗装の斜面を登るという場面に遭遇したのだが、ML63AMGは苦もなく、いや得意げにDレンジのまま、通常の舗装路を走るかのごとく、フツーに登っていった。
試乗時間の許す限り未舗装を見つけて走ってみたが、どの場面でも何事もないかのごとく走り抜けていく。ドライバーはクルマ任せで、ハンドルとアクセルワークに集中するだけ。スイッチタイプからパドルタイプへと進化したAMGパドルシフトも使いやすく、これほど楽なことはない。
とくに感心したのが、全方面でのコンフォートな乗り心地。サイズアップした21インチタイヤやハイパワー、そして車高の高さもありコーナリングは不得意ではという心配を見事に裏切ってくれた。多少ハードなワインディングに出会っても姿勢変化が少なく安定したまま、そして楽々とクリアしていく。AMGの名から想像するハードなクルマでは決してない、荒々しさを微塵も感じさせないところがML63AMGの特筆すべきところだろう。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:島村栄二)
メルセデス・ベンツ ML63AMG主要諸元
●全長×全幅×全高:4815×1950×1775mm
●ホイールベース:2915mm
●車両重量:2350kg
●エンジン:V8DOHC
●排気量:6208cc
●最高出力:375kW(510ps)/6800rpm
●最大トルク:630Nm/5200rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:4WD
●10・15モード燃費:5.3km/L
●車両価格(税込):1490万円(2008年当時)
[ アルバム : メルセデス・ベンツ ML63AMG はオリジナルサイトでご覧ください ]
1人乗り仕様の真っ赤な「3輪」が爆走! ちょっと乗りたい激レア「ソロ」が英を走った! どんなクルマ?
トヨタ 新型クラウン EV時代を見据えた劇的チェンジで2022年7月間もなくデビュー!!
インフィニティのSUVクーペ、VCターボ搭載…『QX55』に米2023年型
写真で見るニューモデル ダイハツ「ムーヴキャンバス」
ルノーの新SUV『オーストラル』、受注開始
F1チーム、来季に向けた技術規定の調整に消極的。「バカなマネはするな」とレッドブル代表はFIAに釘を刺す
F1分析|アロンソ&ノリス、中団グループを置き去りにする好ペース……ベッテルの終盤”ミディアム”選択は正解?
土屋圭市 が レクサス RX450h Fスポーツ を ブルーの似合う女?!沢すみれ と徹底解説!!
「メーカー純正“車中泊”仕様!」キャンプ場映えする「SUV」風ワイルドミニバン「デリカD:5」で寝てみたい!
価格は8億円オーバー! レッドブル、初めての量産車「RB17」を発表 50台を生産予定
トヨタ米国販売19%減、『GR 86』は6倍の伸び 2022年上半期
ジローラモ、お値段6億円超の「ジローラモ船」スドンとお披露目 「おしゃれすぎ」「ロマンだ……」ちょい悪おやじの真骨頂に驚がくの声
見た目ほぼそのままで中身は完全刷新! ダイハツ ムーヴ キャンバスがフルモデルチェンジ
スバル インプレッサ スポーツの魅力とグレード分析! あえておすすめしたいグレードとは…?
「シビック e:HEV」発売 価格は394万200円 販売計画台数月販300台
発表は10月、1000万円超えでも買う価値あり! 次期「BMW M2」はM3/M4譲りのシャシーや新ATで走りを大きく洗練させた
ホンダ、新型SUV「ZR-V」のティザーを予告。気になるボディサイズは?
国産ミニバンが苦手ならコレ! おしゃれMPV「シトロエン ベルランゴ」を詳しく解説
フォレスター「STI Sport」追加! この夏のマイチェンに合わせた新グレード
赤のくまどりにレーザーライトの目立ちまくりレーサー「M4CSL」にくぎ付け! 世界1000台、日本向けも瞬殺必至
愚直なまでに”マツダらしさ”を追い求めたCX-60。SUVでも”人馬一体“と”美“は表現できるのか