現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > [’84-]スズキ GSX-R:4ストレプリカ時代の幕開け【青春名車オールスターズ】

ここから本文です

[’84-]スズキ GSX-R:4ストレプリカ時代の幕開け【青春名車オールスターズ】

掲載 更新 4
[’84-]スズキ GSX-R:4ストレプリカ時代の幕開け【青春名車オールスターズ】



’80年代を通じて過熱し続けたレーサーレプリカブーム。このスペック至上主義の時代には、わずか1馬力の差がマシンの命運を分けることもままあった。本記事では、4ストレプリカ時代を切り開き、また後にGSX-R400Rの前身ともなったスズキ GSX-Rを取り上げる。※本記事はヤングマシン特別号 青春単車大図鑑からの転載です。

→【画像】[’84-]スズキ GSX-R:4ストレプリカ時代の幕開け【青春名車オールスターズ】

●文:ヤングマシン編集部

4耐優勝が勲章だった〈スズキ GSX-R〉

’83年は、世界耐久や鈴鹿8耐でスズキの耐久レーサーGS1000Rが旋風を巻き起こした。その年の暮れ、晴海で開催された東京モーターショーに、そのGS1000Rと見紛うばかりの市販予定車「GSX-R」が展示された。

2眼ヘッドライトにハーフカウル、そしてヨシムラ譲りの集合サイクロンマフラーの姿は、まさに耐久レーサー。400ccながら、排気量を越えた性能を示す「GSX-R」という孤高のネーミングも斬新だった。

’84年に登場した市販車の走りもケタ違いだった。ライバルに先駆けて搭載した水冷ユニットはクラス最強の59ps。400唯一のアルミフレームで、CBRやFZより10kg以上軽い152kgを実現した。爆発的にヒットし、他メーカーもGSX-Rを追撃すべく技術を磨いた。こうして本格的な4ストレプリカ時代が幕を開けたのだ。

毎年のように改良を重ね、ついに’86年型で待望のフルカウルを獲得。ライバルが戦闘力を増す中レースでの勢いは止まらず、’86~’87鈴鹿4耐をヨシムラGSX-Rが連覇。また、バイク漫画のバイブル「バリバリ伝説」でグンとヒデヨシが4耐にGSX-Rで出場したことも人気に一層の拍車をかけた。

’89年にはヨシムラのダグ・ポーレンが国際A級TT-F3で年間タイトルに輝くなど、常に最先端のパフォーマンスを堅持し続けた。そして’90年、400が倒立フォークなどを獲得し、最終型に進化を果たす。

歴代のGSX-Rは、過激なパワーとハンドリングで乗り手を選んだが、常に勝利と栄光に包まれていた。

―― 【’84 SUZUKI GSX-R】■水冷4スト並列4気筒 DOHC4バルブ 398cc 59ps/11000rpm 4.0kg-m/9000rpm ■152kg タイヤサイズF=100/90-16 R=110/90-18 ●価格:53万9000円

―― 【2型は白メーターに】Γ同様3000rpm以下を省略したタコメーター。’85で白い文字盤を採用した。

―― 「BORN IN CIRCUIT」の文字が躍る初代のカタログ。耐久レーサーを彷彿とさせる写真やメカニズムが満載。

―― 【憧れのヨシムラレーサー】ヨシムラが初期型を徹底チューンしたTT-F3参戦用レーサー。68psにまでパワーアップされ、プライベーターの憧れの的となった。

―― 【優勝記念限定車! 販売元は「共石」】メインスポンサーの共同石油がヨシムラR400のレプリカを30台限定&112万円で市販化。ガソリンスタンドでバイクを販売するほど2輪レースは人気だった。

◆先代モデル:’83 スズキ GSX400FW

―― 【スズキ初の水冷直4】他社より遅れてスズキが4スト水冷直4を搭載。このユニットがGSX-Rに受け継がれた。

スズキ GSX-Rの系譜

◆’84 スズキGSX-R:初代登場

―― 【’84 SUZUKI GSX-R】クラス初のアルミフレームで、異例のパワーウェイトレシオ2.57kg/psを達成。59psがその後の自主規制値になった。

◆’85 スズキGSX-R:色変更/白メーター

―― 【’85 SUZUKI GSX-R】メーター文字盤を白とし、青×白、紺×白×赤を設定。後に赤×黒と赤シートのヨシムラカラーを追加。

◆’86 スズキGSX-R:空油水冷に

―― 【’86 SUZUKI GSX-R】水冷と空油冷を組み合わせた新エンジンや、アルミボックス(ALBOX)フレームを採用。フルとハーフカウル仕様を設定。

◆’86 スズキGSX400Xインパルス:出ました東京タワー!

―― 【’86 SUZUKI GSX400X IMPULSE】’86のエンジンを鉄フレームに搭載。ネイキッドのXと、ハーフカウルのXSがあった。Xは独特なライトステーの形状と色から「東京タワー」の愛称が。

◆’87 スズキGSX-R400:再び2眼に

―― 【’87 SUZUKI GSX-R400】新気導入システムSCAIを投入。再び2眼になり、イエローバルブやラジアルタイヤも採用。車名に400が付いた。

◆’88 スズキGSX-R400:新フレーム/キャブ

―― 【’88 SUZUKI GSX-R400】再び水冷となり、高剛性なDC-ALBOXフレームや応答性を高めたスリングショットキャブを採用。

◆’89 スズキGSX-R400R:足まわり強化

―― 【’89 SUZUKI GSX-R400R】タイヤのワイド化やサブフレーム付きスイングアームなど足まわりを強化。車名はR400Rに。

※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

文:WEBヤングマシン ヤングマシン編集部

関連タグ

【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

ベントレー 次世代車コンセプト『EX 15』発表 最上級リムジン、ミュルザンヌ後継か
ベントレー 次世代車コンセプト『EX 15』発表 最上級リムジン、ミュルザンヌ後継か
AUTOCAR JAPAN
【Forever ALPINA】BMWアルピナ最終モデル、B3 GTは世界最良の快速ツーリングカーでありビスポークモデル。すべてが最高である!
【Forever ALPINA】BMWアルピナ最終モデル、B3 GTは世界最良の快速ツーリングカーでありビスポークモデル。すべてが最高である!
カー・アンド・ドライバー
BMW M2に313馬力の“サーキット専用” M2 Racing登場! その中身が本気すぎる!!
BMW M2に313馬力の“サーキット専用” M2 Racing登場! その中身が本気すぎる!!
ベストカーWeb
135万円から! スバル新型「軽ワゴン」発売! 「“初”のスライドドア」に「助かる!」声も! 「リッター20キロ走るのサイコー」 新「ステラ」の反響は?
135万円から! スバル新型「軽ワゴン」発売! 「“初”のスライドドア」に「助かる!」声も! 「リッター20キロ走るのサイコー」 新「ステラ」の反響は?
くるまのニュース
ケンメリと兄弟なのに、その愛称は「ブタケツ」。ヤンチャな漢たちから愛された、憧れの高級クーペ
ケンメリと兄弟なのに、その愛称は「ブタケツ」。ヤンチャな漢たちから愛された、憧れの高級クーペ
月刊自家用車WEB
海自史上「空前絶後の巨大戦闘艦」のレーダー納入完了! 日本への搬入前に性能試験実施へ 肝心の性能は?
海自史上「空前絶後の巨大戦闘艦」のレーダー納入完了! 日本への搬入前に性能試験実施へ 肝心の性能は?
乗りものニュース
【南アフリカ】3年ぶり復活したトヨタ最新型「ヴィッツ」が話題に! 全長3.7m級の「超コンパクトカー」に「かわいい」「あり」の声も! 約136万円のモデルに反響多数!
【南アフリカ】3年ぶり復活したトヨタ最新型「ヴィッツ」が話題に! 全長3.7m級の「超コンパクトカー」に「かわいい」「あり」の声も! 約136万円のモデルに反響多数!
くるまのニュース
ジョーダン ブランド40周年を飾る「エアジョーダン40」が登場! 歴代モデルのディテールと最高クラスの技術を搭載した「新フラッグシップ」の魅力とは
ジョーダン ブランド40周年を飾る「エアジョーダン40」が登場! 歴代モデルのディテールと最高クラスの技術を搭載した「新フラッグシップ」の魅力とは
VAGUE
「レアカラー多っ」「もうカフェとストリートないの!?」最新中古相場つき人気バイク歴代モデル図鑑:カワサキW800【2019~2025年モデル】
「レアカラー多っ」「もうカフェとストリートないの!?」最新中古相場つき人気バイク歴代モデル図鑑:カワサキW800【2019~2025年モデル】
WEBヤングマシン
レガシィが去り、フォレスターが主役に! スバル海外工場600万台突破で見えた未来図
レガシィが去り、フォレスターが主役に! スバル海外工場600万台突破で見えた未来図
ベストカーWeb
電動モデル用最新プラットフォームを初採用したプジョー新型「3008」!HVモデルは500万円弱~
電動モデル用最新プラットフォームを初採用したプジョー新型「3008」!HVモデルは500万円弱~
Auto Messe Web
日産「追浜工場」は生き残れるか? 鴻海EV協業で問われる「完成車メーカー」の定義
日産「追浜工場」は生き残れるか? 鴻海EV協業で問われる「完成車メーカー」の定義
Merkmal
青春の名車をポケットに! Hondaモンキー 3Dキーチェーンが大人心を刺激する理由
青春の名車をポケットに! Hondaモンキー 3Dキーチェーンが大人心を刺激する理由
ベストカーWeb
ホンダ「ADV160」【サクッと読める!250ccバイク・2025年現行モデル解説】
ホンダ「ADV160」【サクッと読める!250ccバイク・2025年現行モデル解説】
webオートバイ
特別なディフェンダーが“フジロック”参戦!次世代の車載音響テクノロジー披露
特別なディフェンダーが“フジロック”参戦!次世代の車載音響テクノロジー披露
グーネット
ベントレー初のBEVのデザインを予告? コンセプトモデル「EXP15」披露
ベントレー初のBEVのデザインを予告? コンセプトモデル「EXP15」披露
グーネット
トヨタ 水素で走る「GRヤリス」披露 エコと走りを両立した最新ラリーカー
トヨタ 水素で走る「GRヤリス」披露 エコと走りを両立した最新ラリーカー
グーネット
ホーナー代表解任を受け、ホンダ・レーシング渡辺社長がコメント「残り12戦、共に精一杯戦っていくことに変わりはない」
ホーナー代表解任を受け、ホンダ・レーシング渡辺社長がコメント「残り12戦、共に精一杯戦っていくことに変わりはない」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

4件
  • GSX-R400懐かしや。もう40年も経つんですね。
    レーサーレプリカと言ってもタンデムし易い形状のシート。しかもシート中央にベルトまで装備するという安全性も確保。タンデムステップの位置も同乗者思いの場所に装備。重量だって当時にしては驚きの150kg台。いろんな面で良心的なバイクでした。でも今では中古のタマも見掛けませんね。持っている人は持っているのでしょうけど。
  • 写真のライダーは若き日の宮城光さんですね モリワキ時代のヘルメットと革ツナギが何故かHBカラーとマッチングして不思議 40年ほど昔、八代さんと組んで4耐優勝した時のマシンはCBX改 まだGSX-Rのようなレプリカマシンが出る前だった
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村