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デザインで選んでも間違いない プジョー208 1.2 100アリュールに試乗

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デザインで選んでも間違いない プジョー208 1.2 100アリュールに試乗

208の名前を受け継いだ最新型

text:Richard Lane(リチャード・レーン)

【画像】プジョー208とフォード・フィエスタ 全94枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


プジョー製の小さなハッチバックと、フォルクスワーゲン製の小さなハッチバックとの違いはなんだろう?その1つは、フォルクスワーゲンは代替わりしても名前が変わらないのに対し、プジョーは変わるところ。

最初のポロが誕生したのは1975年。2019年の今でもポロを指名できる。プジョーは1976年にコンパクト・ハッチバックの104をリリースしたが、新型が出るたびに名前は変化。基本的なレシピは同じながら、205、206、207と数字が増え、現在は208だ。

一般ユーザーからすると、わかりにくいと思う。ライバルはフォード・フィエスタやルノー・クリオ(ルーテシア)、フォルクスワーゲン・ポロなど、古くからの名前が並ぶ。プジョーにとっても、ブランディングとして適切ではないと考えたのだろう。

連続性と親しみやすさが、A・Bセグメントというコンパクトカーで戦ううえで大切だと考えたプジョー。最新型の208は、シャシーも含めほぼ完全に新しく生まれ変わっているが、208の名前は残された。

新しいプジョー208は、先代から大きな変化を遂げた。先代の柔らかいイメージから、ボディデザインも根本的に刷新。新型は全長がやや長く、全幅もやや広くなっているが、全高は低められている。

フロントのライト周りはぐっとアグレッシブな造形になり、フロントガラスの位置は後退。長めのフロントノーズとなり、ボディ全体のプロポーションも良くなったと思う。

エンジンモデルとEVとを並列で選べる

トリムグレードの上位には、グロスブラックのホイールアーチ・エクステンションが装備される。テールライトの間、リアハッチには左右のライトをつなぐトリムが付く。

フロントのデザインは、ややアウディA1と似ていなくもない。リアビューは、退屈になりかけているコンパクトハッチバックを救う、ヒーローのマスクのようにも見える。3ドアモデルの設定はないが、惹かれるデザインだ。

208を進ませる動力源は、ガソリンとディーゼルエンジンに加えて、電動モーターもラインナップする。コンパクト・ハッチバックで、3種類のパワートレインを同一ボディでリリースする、初めてのモデルとなる。PSAグループが開発した最新のモジュラーCMPプラットフォームによって可能となった。

1.2L 3気筒ガソリンエンジンには75psから130psまでの設定がある。ディーゼルエンジンは1.5Lが選べ、最高出力は100ps。さらに136psの電気モーターもあり、WLTP値での航続距離は340kmとなっている。

このプラットフォームはスグレモノで、同じ生産ライン上で、エンジン版か純EV版かを作り分けることができる。プジョーによれば、ディーゼルエンジンを選択するのは20人中1人のみ。英国では5人に1人がEVを選ぶと、プジョーは予想する。

価格はEVのe-208が最も高い。ベーシックな208に75psのエンジンを組み合わせたアクティブなら、1万6250ポンド(227万円)から。今回のテスト車両は装備が充実した中間グレードのアリュールで、エンジンは100psのガソリン。価格は1万9000ポンド(266万円)となっている。

EVのe-208は、英国の補助金を差し引いた金額でも2万5050ポンド(350万円)。長距離を走るドライバーなら、25.2km/Lの燃費をうたうディーゼルエンジンが良いだろう。

秀でたインテリアに惹かれる

どのプジョー208を選んでも、ライバルより秀でていることを実感する。インテリアは特にストロングポイント。ライバルを圧倒するほど優れた運転環境だといえる。快適さもトップレベルだし、新テリアの質感も非常に高い。

2段に別れたダッシュボードは車内を包むように大きくカーブ。中央には大きなインフォテインメント・システムのモニターがレイアウトされ、ややドライバーへ角度が付けられている。その下には操作しやすいレバースイッチが整然と並んでいる。

インフォテインメント・システムのモニターは、標準で7.0インチ。オプションを選ぶか上位トリムグレードのGTなら10.0インチとなる。物理スイッチとモニターでの操作との仕分けは、フォルクスワーゲンほど良好ではないが、ストレスを感じるほどでもない。レイアウト自体はとても煮詰められていると思う。

プジョーのiコクピットも見直しされ、好印象。メーター類はステアリングホイールのリムの上部から見える。プジョーのコンセプトカー、クオーツに見られたようなスタイリッシュなステアリングホイールと、3Dデジタル・インスツルメントが未来的だ。

表示される情報は2レイヤーに別れており、スピードや重要な情報などは、ドライバーの手前側に表示されるように見える。アダプティブ・クルーズコントロールはオプション。

車内の広さも荷室容量も競争力は高い。リアシートの広さを優先したいのなら、パノラミック・ガラスルーフは避けた方が良いかもしれない。

デザインで選べる基本的な資質の高さ

ダイナミクス性能は、良い点とそうでもない点が混ざる。3気筒ガソリンエンジンは改良を受け、アイドリング時のノイズも穏やか。加速も滑らかで、クルージング時のノイズも最小限。ただし、スペック上はプジョーの方が速くても、フォードのエコブースト・エンジンの方が個性的で活気を感じる。

滑らかな路面での乗り心地は、新しいシャシーとリアがトーションビーム式となるサスペンションとが良く仕事をし、基本的に悪くない。風切り音も静かだ。だが、荒れた路面では落ち着きを欠くこともあった。

扁平タイヤとスプリングのストロークが短い足回りの組み合わせのように、衝撃を吸収できていない場面がある。全体的な乗り心地は柔らかめの設定だけに、少々不思議。改めて、英国の道でしっかり確かめてみたい。

ステアリングホイールを切っていくと、切り始めは手応えを感じるが、まだかなり軽い。自由に動くリアタイヤは、コーナリング時の楽しさを高めている。

全体のバランスやリニアな操縦性では、フォード・フィエスタの方が上。プジョー208も総合的な印象は良く、不安を感じたりグリップ力で劣るということはないけれど。

コンパクト・ハッチバックへ新たな挑戦を仕掛けたプジョー208。資質も高く、デザインは大きな訴求力となるだろう。意欲的な造形となったインテリアデザインに、素材や組み立て品質が対応している。ボディデザインも大きな魅力。

クラス最良のドライバー・アピールを得てはいないとしても、充分に競争力が高いことは間違いない。

プジョー208 1.2 100アリュールのスペック

価格:1万8850ポンド(263万円)
全長:4055mm
全幅:1745mm
全高:1430mm
最高速度:188km/h
0-100km/h加速:9.9秒
燃費:16.5-18.7km/L
CO2排出量:96-102g/km
乾燥重量:1090kg
パワートレイン:直列3気筒1199ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:100ps/5500rpm
最大トルク:20.8kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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