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最終周に首位スバルの夢破れる。UNI-ROBOフェラーリが怒涛の26台抜き初勝利【GT300決勝レポート】

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最終周に首位スバルの夢破れる。UNI-ROBOフェラーリが怒涛の26台抜き初勝利【GT300決勝レポート】

 5月4日(日)、静岡県の富士スピードウェイで第2戦『FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL』の決勝レースが行われ、GT300クラスは6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)が優勝を飾った。

 予選日から晴れに恵まれた富士。決勝日はコース全域に陽が差す一方、ホームストレート上では涼しい追い風も吹く気候となった。スタート前の気温は24度、路面温度は38度。14時11分にパレードラップが始まり、1周のフォーメーションラップを行って3時間の決勝レースが始まった。

【正式結果】2025年スーパーGT第2戦富士 決勝


■1~2周目から接触&マシントラブル。FCY導入時のピットで戦略分かれる

 まずはポールポジションのD’station Vantage GT3に乗る藤井誠暢を先頭に、隊列はTGRコーナーへ。2番手SUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝が続き、3番手争いではCARGUY Ferrari 296 GT3の小林利徠斗がマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号の木村偉織からポジションを守る。

 2周目のTGRコーナーでは、8番手GAINER TANAX Zの富田竜一郎がseven × seven PORSCHE GT3Rの藤波清斗に接触し、seven × seven PORSCHEがスピン。GAINER Z富田には、この接触を理由にドライブスルーペナルティが課せられた。ほかにも王者VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)やGreen Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)がマシントラブルでピットインするなど、序盤から荒れた展開に。

 その後、D’station Vantageの藤井が首位をキープ、2秒以内でSUBARU BRZの山内が追う。一方、3番手CARGUY Ferrariの小林は徐々に差が開く。中団では13番手スタートのリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rの平手晃平、27番手スタートのUNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIのロベルト・メリ・ムンタンのペースが良く、早くも8~9番手まで追い上げてきた。

 19周目、TGRコーナーでHELM MOTORSPORTS GT-Rの平木玲次がMETALIVE S Lamborghini GT3の坂口夏月と接触し、ダメージを負ってマシンを停めることに。ここで、ポイント圏内にいたPONOS FERRARI 296のケイ・コッツォリーノとLEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥が最初のピットインへ向かう。そして、マシン回収のためにフルコースイエロー(FCY)が導入となった。

 その後は各車1度目のピットへ向かい、22周目にはMC86 マッハ号、26周目にCARGUY Ferrari、32周目にD’station VantageとUNI-ROBO FERRARI、34周目にSUBARU BRZの順でピット作業を実施。最後までピットインを遅らせたのは、HYPER WATER INGING GR86 GTの平良響の42周目となった。


■首位奪取も緊急ピットイン。最終ラップで悲劇

 第2スティントが始まると、先にピットインを済ませたPONOS FERRARIのコッツォリーノがレースをリード。その後ろにLEON AMGの菅波冬悟が続く。しかし、ペースで勝るD’station Vantageの藤井やSUBARU BRZの山内が追い上げ、ともにLEON AMGをパス。15秒前のPONOS FERRARIを追う。

 D’station VantageとSUBARU BRZは、1周で約1秒速いペースで追い上げていき、52周目にまずD’station VantageがPONOS FERRARIをホームストレートでパス。さらに54周目にはSUBARU BRZもTGRコーナーで並びかけてオーバーテイクを決めた。

 しかし、首位に立ったD’station Vantageの左リヤタイヤに、まさかのパンクトラブルが発生。緊急ピットインをし、10番手へとポジションを下げ、代わりにSUBARU BRZがトップに立つ。

 ここで1時間30分が経過し、レースは後半へ。首位SUBARU BRZは好ペースを維持し、徐々にギャップを築いていく。60周を超えたころにPONOS FERRARI、65周目にはLEON AMGがピットへ向かったことで、SUBARU BRZの後ろはUNI-ROBO FERRARIとなった。

 そして、30秒のリードを守ってトップを走るSUBARU BRZも、ちょうど2時間が経過した69周目にピットへ。翌周にはUNI-ROBO FERRARIも続いた。これでトップは、1スティント目を42周目まで引っ張ったHYPER WATER GR86の堤優威に。86周目に2度目のピットへ向かうと、タイヤ無交換作戦を敢行し、SUBARU BRZの井口、UNI-ROBO FERRARIのメリに次ぐ位置でコースに復帰する。

 代わってトップに立ったのは、D’station Vantageのチャーリー・ファグ。緊急ピットイン後、好ペースで周回を重ねていたが、2度目のピットインが早まったことで燃料が保たない計算となり、残り12分の終盤に給油のみのピットインを行った。これでSUBARU BRZとUNI-ROBO FERRARIが先行し、トップ争いは2台に絞られる。

 ただ、HYPER WATER GR86の3.5秒前でコースへ復帰したD’station Vantageのファグは、HYPER WATER GR86の堤よりも速いペースで3番手を守る。一方4番手に下がったHYPER WATER GR86の堤に対し、LEON AMGをパスして追い上げてきたCARGUY Ferrariの小林が接近。GRスープラコーナーでインから抜き去って4番手に浮上した。

 レースが残り6分を切ると、10秒以上のリードがあったSUBARU BRZのペースが徐々に落ち始める。そこにUNI-ROBO FERRARIのメリがスパートをかけ、1周1秒以上速いペースで猛追。約2秒差まで近づき、優勝争いは最終ラップに突入した。

 UNI-ROBO FERRARIに隙を与えずに首位を走るSUBARU BRZ、第3セクターまではポジションを守り切ったが、なんとDUNLOPコーナー手前でマシントラブルが発生しスローダウン。チェッカー目前でコース脇にマシンを停めてしまい、UNI-ROBO FERRARIが初のトップチェッカーを受けた。

 2位はD’station Vantage、3位はCARGUY Ferrariが入る表彰台となったが、レース後にCARGUY Ferrariに対して『SpR.27-1.3ピット作業違反』で10秒加算ペナルティが課されることとなり、繰り上がりでHYPER WATER GR86が3位表彰台を獲得した。

 正式結果では計9台にペナルティが課されたほか、中団勢のタイヤトラブルも頻発するなど荒れた展開となった第2戦富士3時間レース。つねにトップレベルの速さを見せたものの、チェッカーフラッグを受けずにレースを終えることとなったSUBARU BRZは、8位完走扱いとなった。

 2025スーパーGTの次戦は、マレーシアのセパン・インターナショナルサーキットが舞台となる海外ラウンド。6月26~28日にかけて実施される予定だ。

[オートスポーツweb 2025年05月04日]

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