LFPバッテリーを搭載するエントリーモデル
ボルボのコンパクトBEVである『EX30』は現在、日本で5モデル展開されている。そのうち前後にモーターを搭載するAWD、『EX30ウルトラ・ツインモーター・パフォーマンス』に試乗したというのが前回の話。
【画像】LFPバッテリーを搭載するエントリーモデル!ボルボEX30プラス・シングルモーター 全42枚
今回はその試乗を通じて気になった、LFP(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリーを搭載するエントリーモデルに1週間ほど乗ることができた話をしたい。
LFPバッテリーはレアメタルを使用せずリン酸鉄を使用するのが特徴で、航続距離は短くなるが安価に製造できるメリットがある。今回試乗した『EX30プラス・シングルモーター』も航続距離は390kmと、『EX30プラス・シングルモーター・エクステンデッドレンジ』の560kmから大幅に低下しているが、価格も539万円→479万円とかなりリーズナブルになっている。
ここで参考までに両車のスペックで、主に違う部分だけ確認しておこう。
EX30プラス・シングルモーター・エクステンデッドレンジ
車両重量:1760kg 一充電走行距離:560km 交流電力量消費率:143Wh/km 総電力量:69kWh タイヤ:245/45R19 価格:539万円
EX30プラス・シングルモーター
車両重量:1770kg 一充電走行距離:390km 交流電力量消費率:150Wh/km 総電力量:51kWh タイヤ:225/55R18 価格:479万円
この季節の実用航続距離
さて、都内の駐車場から借り出した時のバッテリー残量は97%で、航続距離は288kmと表示されていた。
乗り込んで最初に気がついたのは、パワーシートがないこと。シートヒーターとステアリングヒーターはオプション装着されていたが、そもそもEX30にはシンプルな『プラス』と装備が充実している『ウルトラ』の2グレードがあり、これはバッテリーの違いではなくあくまでグレードによるものだ。
この日は都内で打ち合わせや取材を行い、夕方に静岡県東部の自宅まで戻るスケジュールだったが、金曜日で天候は雨。しかも東名高速道路の集中工事も重なり、渋滞はかなり酷い状態だった。ということで、途中車内での休憩もありつつ150kmほど走行したところ、バッテリーは残り16%、航続距離は残り51kmまで減っていた。
自宅では3kWで普通充電を行ったが、当然のことながら100%になるまで12時間以上を要した。ちなみに都内に戻る際も同じような減り方で、この季節の実用航続距離は300kmくらいと思われる。充電なしの長距離移動は、余裕を見て片道100kmくらいまでが現実的かもしれない。
あとスペック面の話をすると、EX30は全高1550mmに収まっているため機械式駐車場に収まることが強みとなっている。ところが、都内で古い機械の有料駐車場に停めようとしたところ、そこは車重1700kgまでとお断りを受けてしまった。
これは発想になかったため驚いたが、そういったケースがあることは覚えておいたほうがいいだろう。
いいデザインのクルマに乗っている
さてEX30に1週間乗っていて感じたのが、手元にあることの嬉しさ。『いいデザインのクルマに乗っている』という意識を持つことができ、自然とクルマを大事にしたい、スマートに乗りたいという気持ちになった。
ボディカラーがクリスタルホワイトプレミアムメタリックと呼ばれる白であることも関係しているのだろう。エクステリアはスッキリとしてクリーンな印象。コンパクトなサイズは、1~2名での生活にジャストフィットする印象で、荷室の狭さが若干気になるものの、そこは割り切れるはずだ。
走りは軽快で、追い越し加速も充分。タイヤが19から18インチにサイズダウンしている乗り心地の変化はそれほど感じなかったが、見た目はむしろ18インチのほうがバランスよく感じる。
回生ブレーキはちょうどいい効きで、その強さを変更できるのもいい。ワンペダルドライブもボタンひとつでオンオフができる。ただ、これらを含めて多くの操作がセンターディスプレイに集中していて、1回設定を決めてしまえばいいのかもしれないが、頻繁に変更する人は不便に思うだろう。
また、集中力低下をアラーム音と共に表示する文字が一瞬の表示でしかも小さく、そのアラームが何を示しているのか理解するまで時間がかかった……という細かい話はあるものの、ディスプレイの視認性自体は高い。
ちなみに、シート座面前方張りが少し強いように感じた。どうやらモデルチェンジで座面長が伸びたらしく、その影響かもしれない。あくまで体格との相性かもしれないが、個人的には最後までベストポジションを発見できなかったことは付け加えておく。
全車グーグル搭載のアドバンテージ
EX30が全車グーグル搭載であることは、普段から使っているユーザーにとっては大きなアドバンテージだ。筆者はグーグルマップのヘビーユーザーなので、アカウントを同期して登録データを再現できた時は感動してしまった。
普段からアップル・カープレイを使用することが多いのだが、iPhoneのバッテリー消費が早く、充電しながら使用すると今度は本体の熱が……と不便さを感じていた。もはや全メーカーで搭載すべきと、ルート案内の怪しい標準装着ナビを見るたびに思うようになった。
また、車内にキーがあるだけでアクセサリーがオンになり、スタート/ストップボタンが存在しないことにも、先進性を感じた。これに慣れると、他のEVでボタンが存在するだけで旧い世代に見えてしまうほどだ。
BEVを自然な形で『自動車』と融合
ボルボは早い段階から電動化に取り組んできたからこそ、もはやBEVを特別なものとして扱わず、EX30に乗っていると自然な形で『自動車』と融合させているように思えてくる。スカンジナビア・デザインのシンプルさも、その自然さを後押ししているのだろう。
また、エンジンに関しても2L直列4気筒以上を作らないとこれまた早い段階に宣言しており、だんだんとエンジンの存在を薄めてきた。つまり彼らが目指す方向性はエンジン車よりもクリーンで静かなBEVのほうが合致しており、極論すれば、ボルボにエンジンはいらないとさえ言える。
今回の試乗で外気導入にしていて、前のクルマの排ガスが臭いと感じた時、それが答えだと思った。排ガスを日々出していることを自覚すべきだと。そういった自然に対する意識を持つようになったのは、まさにボルボに乗っているからであり、言ってみればこれはスウェーデンという国の凄さであり、面白さだ。
決してクルマとしての押しは強くないけど、主張がしっかりしている他にはない選択肢。ボルボEX30を通じて感じたのはそういった確かな個性と、売れる売れないではなく、この道は正しいと信じて進む意志の強さだ。
見た目はスタイリッシュになっても、こういった頑固さは、昔と変わらないボルボらしさだと言えよう。
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