ロールス・ロイスがはじめて作った電気自動車、「スペクター」が日本でお披露目された。同社のアジア太平洋リージョナル・ディレクター、アイリーン・ニッケインに直撃する。
未来がやってきた
ロールス・ロイスにとって初の電気自動車となる「スペクター」は、「100年以上前から準備してきたクルマ」だと、アジア太平洋リージョナル・ディレクター、アイリーン・ニッケインは語る。
「1900年、ロールス・ロイス社の共同創業者である故チャールズ・ロールズが『電気自動車は完璧なまでに静かでクリーンです。匂いもせず、振動もありません』という“予言”をしています。私たちは長年をかけて準備、開発、研究を続けており、もっと早くEVを発表することもできました。でも大切なのは“ロールス・ロイス”であること。ロールス・ロイスのDNAを受け継ぐEVを作るためにじゅうぶんな時間をかけ、まさにパーフェクトなタイミングで、パーフェクトな1台が誕生しました」
未来的な雰囲気をまといながら、ロールス・ロイスらしい風格を感じさせる。そのデザインは絶妙なバランスの上になりたっている。
「まずこだわったのは存在感。ロールス・ロイスらしいサイズ感は一切妥協していません。航続距離のことだけを考えれば、より小さなサイズにしたほうがいい。でもそれではロールス・ロイスにならないのです。ロールス・ロイスらしい存在感がありつつ、満充電での航続距離530km。ガソリン満タンの状態とほぼ同じ距離を走ることができます。このふたつを両立させるのが私たちにとって大切なことだったのです。デザイン面では本来、EVには必要のないフロントグリルもあえて大きなパンテオングリルを採用しました。インテリア、インパネまわりも同様です。デジタルの便利さ、快適さは取り入れつつ、アナログな手触りも残す。ラグジュアリーなホテルに到着したときにドライバーが優雅に乗り降りできるための前開きのドアもブランドの伝統を残したものといえるでしょう」
乗り心地、運転感覚についても繊細な調整がなされているという。
「EVになったことでワンペダルでの運転が可能になっています。この操作方法だと減速時にガクンガクンというノッキングが起きがちですが、スペクターでは非常にスムースに減速します。私も実際に運転しましたが、これまでのロールス・ロイスのクルマとの違いを感じることはありませんでした。つまりこのスペクターも“マジック・カーペット・ライド” (魔法のじゅうたんのような乗り心地)なのです」
変わらないこと「これまでと変わらない」ためにこんな工夫もなされている。
「スペクターを運転すると、従来のエンジン音に近い動作音を耳にすることができます。もちろん電気自動車ですから本来音はほとんどありません。ただ安全面での規制から音を出さなければならない国もありますし、お客様もなかにもエンジン音に近いサウンドがほしいという方もいらっしゃいます。この音はオンオフが可能なのですが、特に加速するときなどに、これまでと変わらないロールス・ロイスを運転しているという歓びをもたらすことでしょう」
ロールス・ロイスは2030年までに全車種をEV化することを発表している。
「あえて言うならば、私たちにとってパワートレインが変わっただけの話なのです。決して“空飛ぶクルマ”を開発しているわけではないのです。ロールス・ロイスらしいデザインの美しさ、最高の乗り心地、芸術的なまでのクラフトマンシップはこれからも一切変わることはありません。今後のモデルについてはまだ発表できませんが、ロールス・ロイスを愛するお客様の期待を裏切ることはないと断言することはできます」
アイリーン・ニッケインアジア太平洋 リージョナル・ディレクター
インドネシア出身。シンガポールのRMIT大学で、ビジネス・アドミニストレーション(マーケティング専攻)の学士号を取得。2021年により現職。
文・川上康介 編集・岩田桂視(GQ)
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