AFコルセのドライバーで今季2025年のル・マンウイナーとなったフィル・ハンソンは、フランス伝統の24時間レースで優勝する可能性を「ほぼ諦めていた」と認めた。フェラーリが3年連続で優勝するという夢、とくにカスタマーチームが走らせるマシンでそれを実現するという考えは「話がうますぎる」と感じていたためだ。
フェラーリのサテライトチームであるAFコルセのチームメイト、ロバート・クビサとイェ・イーフェイともに83号車フェラーリ499Pをドライブしたハンソンは、6月14~15日にル・マンのサルト・サーキットで開催されたWEC世界耐久選手権第4戦で、終盤に6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)の猛追をかわして総合優勝を飾り、歴史にその名を残した。
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彼はSportscar365を含む一部のメディアのインタビューに応じ、レースウイークを振り返るなかで、8日のテストデーで83号車フェラーリのペースを見て優勝できる可能性を感じ始めたと語った。
「ニュータイヤを履いてマシンに乗り込んだとき、セクター1はパープル(全体ベスト)、セクター2も非常に好調で、セクター3はトラフィックに阻まれたと思う」とハンソンは振り返った。「その時点では、理論上はセッション最速タイのタイムを出せたはずだ」
「他のドライバーは真の実力を隠すなど、駆け引きをしているだろうし、全員が手の内を明かしているわけではないだろうと思っていた。しかし、僕の最初の走行では、燃料タンクが満タンだったにもかかわらず好タイムが出た。だから素直に『よし、いい感じだ』と思ったよ」
「テストデーが終わって初めて、たとえ皆が全開で走っていなくても、少し余裕があるのだと考えるようになった。ガールフレンドから電話があって、どうなっているか聞かれたので、『勝てるチャンスはあると思う』と答えたよ」
「それ以前は、WECシーズンの最初の数戦でフェラーリが成功を収めていたので、今年のル・マンはほぼ諦めていたんだ。フェラーリが3年連続で優勝するなんて、あるいは3年目に3台目のマシンが優勝するなんて、ありえないと思っていた」
ハンソンにとってル・マンでの初の総合優勝は、2020年にユナイテッド・オートスポーツのシルバーグレードドライバーとして、フランスの耐久クラッシックに参戦した際のLMP2クラスでの成功に続くものだ。
25歳のイギリス人ドライバーは、ゴールドステータスに昇格した後も2023年末までユナイテッドに在籍し、昨季2024年にハイパーカークラスにステップアップ。ハーツ・チーム・JOTAに移籍し、ポルシェ963のカスタマーカーをドライブした。その後、インディカーに参戦するロバート・シュワルツマンの後任としてAFコルセに加入している。
「夢のような気分だ」とハンソンは付け加えた。「ル・マンがどれほど過酷で、どのように勝者を『選ぶ』のかを知っている。そこには、自分の力ではどうにもならない状況があまりにも多くあるんだ」
「チームメイト、マシン、すべてがうまくいった。僕たちは非常に強力なパッケージを持っていたし、レースを通して速さを保っていた。充分なリードを保っていたときにセーフティカーが入った後も、立ち直ってふたたびトップに立つことができた」
「たしかに、他のドライバーに不運もあったが、それはセーフティカーが僕たちのレースに影響を与えたことと変わらない」
■世界タイトルへの挑戦も「不可能ではない」
獲得ポイントが2倍となるル・マンでの勝利によってハンソン、クビサ、イェはWECドライバーズランキングで2位に浮上。ワークスカーの51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)を駆るジェームス・カラド、アレッサンドロ・ピエール・グイディ、アントニオ・ジョビナッツィを16ポイント差で追いかけている。
ハンソンはドライバーズタイトル獲得の可能性について、「厳しい戦いになるだろう」と述べた。「しかし、不可能ではない。僕たちはもっとも難しいル・マンで優勝したのだから、今なら何でもできるはずだ」
「次のレース(第5戦サンパウロ6時間)は、どれだけ競争力を発揮できるかを見るうえで重要かつ興味深いものになるだろう。ポイントを最大限に獲得し、できるだけ上位でフィニッシュできるように努力する」
「なぜなら、いまの目標はチャンピオンシップを獲得することだからだ。それは決して容易なことではない」
「ル・マンで勝つことと、チャンピオンシップを争うことは別物だ。ル・マンの勝者がチャンピオンになることはよくあるが、必ずしもそうとは限らない。過去2年間がそうだったようにね」
「僕たちは次の目標を達成するために良い位置にいるが、やり遂げるためには、すべてをうまくまとめる必要がある」
■ハンソンが目指す次のステップ
ル・マン24時間レースの総合優勝ドライバーとなったハンソンは、タイトル争いとともに、WECのトップクラスでの将来を確保することに関心が向いていることを認めた。
LMP2クラスからステップアップして以来、ハンソンはカスタマーチームでのみ走行しており、前述のとおり最初はハーツ・チーム・JOTA、そして現在はAFコルセに所属している。
彼は83号車フェラーリからのステップアップを急いでいるわけではないとしながらも、とくに今後2年間でWECにハイパーカーの新規参戦者が殺到することを考えると、ワークスドライバーへのステップアップは目標のひとつだと語った。
Sportscar365から将来について尋ねられたハンソンは、「マニュファクチャラーと長期的な契約を結ぶ立場になること、それが僕にとっての次のステップになる」と述べた。
「あらゆる可能性を排除するつもりはない。フェラーリは依然として非常に競争力のあるパッケージなので、来年他のチームで走ることは必ずしも考えていない」
「しかし同時に、僕は中・長期的に見て可能な限り競争力のある状況に身を置くために、あらゆる機会を白紙の状態から検討している。それがカギだ」
[オートスポーツweb 2025年06月26日]
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