日産のコンパクトセダンがスタイリッシュに変貌!
2019年4月12日(現地時間)、日産は新型ヴァーサを米国で世界初公開。ヴァーサといえば、かつて日本ではラティオとして販売されていた小型セダン。現在は国内販売を終了したモデルだが、気になる日本発売はあるのか? 新型ヴァーサの概要とともにその可能性を占う。
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文:ベストカーWeb編集部/写真:NISSAN
外観はスタイリッシュに大幅刷新
新型ヴァーサ。外観はVモーショングリルを採用し、ロー&ワイドになった恩恵で、スポーティかつスタイリッシュに一新された
日本では2016年に生産終了したラティオ/全長×全幅×全高:4425×1695×1495mm
日産を代表するベーシックセダンといえば、往年のファンは真っ先に「サニー」の名を思い浮かべるだろう。
そのサニーが2006年に生産終了となり、実質的な後継車となったのが、ティーダラティオ。同車は2代目モデルでラティオに改名し、2016年に日本での生産を終了している。
ただし、北米でヴァーサの車名で販売されるなど、海外では販売を継続。そして、今回発表された新型が、通算3代目のモデルとなる。
発表された新型を見ると、まず印象的なのがエクステリアの大幅な変化。これまでのヴァーサ(ラティオ)は、「ハッチバックをベースとしたセダン」という印象が拭えず、お世辞にも格好いいとは言い難いものだった。
これが新型ではセダンらしく引き締まったデザインに激変。リーフなど近年の日産車に共通の「Vモーショングリル」を採用し、精悍な小型セダンのルックスへと大変貌を遂げた。
細かいサイズは公表されていないものの、日産自身が「よりロー&ワイドで長くなった」と表現するように、従来型比で全長・全幅は拡大され、一方で全高は低くなっている。
リーフ譲りの内装で安全性も最新鋭に!
新型ヴァーサのインテリア。 ハンドルやモニターの形状を含めて、全体の意匠はリーフの雰囲気と極めて近い
外観が大きく変わった新型ヴァーサのインテリアは、リーフなどと極めて近い意匠。黒を基調としたシックなデザインにまとめられている。
注目のエンジンは、新開発の1.6L直列4気筒エンジンを搭載。最高出力は122HP、最大トルクは15.7kgm(114lb-ft)となり、このエンジンに日産おなじみのエクストロニックCVTが組み合わされるほか、5速MT仕様も用意される。
また、安全面では、ローグを皮切りにマキシマ、ムラーノなどにも搭載されている最新の安全運転支援システム「日産 セーフティシールド360」を新たに採用。
歩行者検知機能付きの緊急自動ブレーキや車線逸脱警報、ハイビームアシストなどが装備されるほか、先行車追従型の「インテリジェント クルーズコントロール」などの運転支援システムも採用されている。
新型シルフィと関係? 気になる日本発売の可能性
新型ヴァーサのリアスタイル。サイズの拡大で伸びやかなフォルムを実現したが、従来型と同等の室内空間を確保しているという
先述のとおり、ヴァーサの歴史は、2004年に日本で発売されたティーダラティオに遡る。
同車は、車名の通り5ドアハッチバックのティーダをベースとしたセダンとして誕生。その後、2012年に2代目へとバトンタッチし、同時に車名をラティオに改名した。
実はこのラティオ、海外ではヴァーサのほかサニー、アルメーラなどの車名で販売され、2017年上半期には、日産車の世界販売5位となる17万7271台を売り上げたヒットモデルでもある。
北米では2019年夏に発売される新型ヴァーサの日本での導入について、日産広報部に問い合わせると「現時点で(日本発売の予定)はない」とのことだったが、折しも4月16日に中国でヴァーサの兄貴分ともいうべき新型シルフィが発表されたばかり。
シルフィは現在、日本でも販売されているモデルだが、新型の日本導入については「現時点ではお答えできない」(同広報部)とのことで未確定な状況。しかも、現行型の直近の月販台数(3月)は215台に留まっている。
ただし、シルフィが日本から消滅するとなれば、日産のセダンラインナップはスカイラインの下がぽっかり空いてしまうだけに、ヴァーサもシルフィも販売しないということは考えづらい。
そうなると、両車の役割を統合し、どちらかのモデルに集約させることも充分に考えられる。ボディサイズを拡大したといっても新型ヴァーサは全長で4.5m程度、全幅も1.7m台が濃厚。
サイズも扱いやすく、スタイリッシュな外観を持つだけに、新型ヴァーサの日本導入に期待が高まる。
上海ショーで公開された新型シルフィ。ヴァーサとデザイン的な共通点も多い
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