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EV最速のギネス記録はなんと日本車! アスパークが作った4億円の「アウル」って一体何者?

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EV最速のギネス記録はなんと日本車! アスパークが作った4億円の「アウル」って一体何者?

 この記事をまとめると

■国産EVがアベレージスピードのギネス世界記録を樹立

「世界最速EV」のプロトタイプが公開! 開発は人材派遣などを行う日本企業

■製造元はエンジニアを派遣するヒューマンリソースカンパニーであるアスパーク社だ

■50台限定で販売するほか中古車として登場した際は4億円以上で取引された経歴がある

 なんと国産EVがアベレージスピードのギネス記録を樹立!

「EVの世界最高速を記録!」といえば、外国のハイパーカーを思い浮かべがち。ですが、このほど318.856km/hというアベレージスピードで世界記録を樹立したのは日本製EVだったのです。事情通ならご存じのアスパーク・アウルは、2012馬力を発揮というハイパーカークラスなら、おおよそ4億円というお値段も日本車とは思えないメガスケールのEV。どえらいことを成し遂げた「アウル」というマシン、果たしてどんなクルマなのでしょう。

 アウルを製作したアスパーク社は、もともとエンジニアを派遣するヒューマンリソースカンパニーです。大阪を拠点として、技術開発や研究開発のアウトソーシング事業をコアに、EVやアプリの開発といったサービスを展開しているとのこと。また、従業員数は優に3000人を越えるといいますから、アウルのようなゼロから開発をスタートするプロジェクトにも、多くの人材を充てられること想像に難くありません。

 それにしても、フルカーボンボディのデザインや、ミッドシップレイアウトの構築といった、自動車メーカーでさえ慎重になる分野をいとも簡単にクリアしただけでなく、世界記録まで樹立するとは、クルマ好きなら驚きを禁じ得ないはず。

「世界一速いBEVを目指す」をコンセプトに掲げて2014年に開発がスタートしたアウルですが、早くも2017年にはフランクフルトモーターショーに出展され、翌年2018年にはパリモーターショーにも登場。当時は550馬力程度とアナウンスされていましたが、すぐさま1150馬力へと上方修正。これには自社で開発したとされるPMSM(パーマネント・マグネット・シンクロナス・モーター)、いわゆる永久磁石同期モーターの飛躍的進歩が奏功しているようです。いまやモーターやバッテリー、はたまたインバーターなどは日進月歩で技術的進化が早まっている時代ですが、それにしても1150馬力だったアウルが、すでに2012馬力です! アスパークの技術力、とどまるところを知らぬ勢いといえるでしょう。

 4億円以上で取引されている!?

 開発当初の動画などを見ていると、鋼管スペースフレームやカーボン素材を用いていることがわかります。アウタースキンについてもフルカーボンとして、車重は850kgという好データが公表されています。ここに、前述の2012馬力、885Nmというパワーが加わると、0-100km/h加速が1.72秒という凄まじいパフォーマンスが生まれるわけです。2秒を切るだけでも世界的なニュースですが、まったくもって耳を疑いたくなるような記録。こちらも、同社の動画で確認できますので、耳を疑った方はぜひご確認ください。

 動画といえば、2021年に販売されたアウルがフランスのエキゾチックカー専門店で販売されているものも発見しました。詳細は明らかにされていませんが、お値段はプレミアムの上乗せがあるのか4億4000万円というビックリプライス。それでも、アーリーアダプターからは注目されているようで、いくつかの引き合いがあるとか。そこへもってきて、ギネスの最速記録樹立ですから、世界中のビリオネアが放っておくわけはないでしょう。アスパークは限定50台の生産を公言しているので、争奪戦となること明らか。

 また、こうした速さやパフォーマンスを目の当たりにすると、一般的なEVの目安となる航続距離なんてさほど気にならなくなるから不思議です。これまた開発中のデータですが300kmを上まわるとされていますが、パフォーマンスとの相殺を考えれば立派な数字といって差し支えありません。空力的な形状を持ったボディゆえに、高速域の電費効率も悪そうには思えません。

 なお、開発途上に発表されたボディサイズは

「全長:4830mm/全幅:1935mm/全高:990mm/ホイールベース:2757mm/トレッド(前):1603mm/トレッド(後):1552mm」

 とされ、ランボルギーニのディアブロなんかよりいくらか大きい程度。ただし、各国の保安基準をクリアするなどランニングチェンジが適宜施されるはずなので、確定的なものではないでしょう。

 また、最高速記録や、ニュルブルクリンクのラップレースに向けたのか、大型のリヤウイングが追加されたタイプもあります。フェラーリやマクラーレンでいうところのサーキットパッケージ的なオプションと思われますが、こちらのパフォーマンスも大いに気になるところ。バッティスタやリマックといったライバルが次から次へと現れるはずなので、ぜひ蹴散らしてほしいものです。

 F1をはじめとしたレースの世界を日本のテクノロジーが席捲したように、ハイパーEVでも日本車がブイブイいわせるとはなんとも痛快です。アスパーク・アウルの躍進には、これからも目が離せません!

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