今季2025年よりアルピーヌのスポーティングディレクターを務めているニコラ・ラピエールは、WEC世界耐久選手権のハイライトである『ル・マン24時間レース』におけるアルピーヌのハイパーカー部門のポジションが6番目にとどまっていると述べ、6月14~15日に決勝が行われる第93回大会での上位争いの可能性をほぼ諦めていると認めた。
第2戦イモラと、ル・マンの“前哨戦”に位置づけられる第3戦スパ・フランコルシャンの両6時間レースで3位表彰台を獲得したアルピーヌ・エンデュランス・チームは、過去2年間サルト・サーキットで見られたフェラーリとトヨタの“二大勢力”による競争に加わる有力候補として、今シーズンのル・マンに臨んだ。
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しかし、シグナテックが運営するチームは、12日木曜夜に行われた予選シュートアウトの最終セクションであるハイパーポール2(H2)に2台のA424のうち1台しか出場させることができなかった。さらに、ミック・シューマッハーとジュール・グーノンとともに36号車アルピーヌをドライブするフレデリック・マコウィッキは、タイムを記録したマシンの中では最後尾となる9番手にとどまった(H2最下位の10番手はノータイムに終わった8号車トヨタGR010ハイブリッド)。
一方、予選からH1に進むもH2には残ることができなかった、シャルル・ミレッシ/フェルディナンド・ハプスブルク/ポール・ループ・シャタン組の35号車アルピーヌA424は決勝レースを12番グリッドからスタートする。
「正直に言って、簡単な週末にはなっていない」とラピエールはSportscar365に語った。
「期待していたほどの競争力がなかったんだ。予選とフリープラクティス4(FP4)では上位とのギャップを縮めることができたと思う。走り始めに比べれば少し良いベースを見つけたと思うが、レースペースという点では手放しで喜べるものは得られていない」
「レース中の気温はこれまでよりも低いと予想されるので、どうなるか見守る必要がある。状況は変わるかもしれない」
「我々としては今週、大きな変化はない。ただ、全体的なペースが少し足りないだけだ。パフォーマンス面で自分たちがどこにいるのかを明確に把握するのは難しいが、イモラやスパほどの競争力はないように思う」
■アルピーヌの現在地は後ろから3番目
ラピエールは、フランスのメーカーが、2024年のル・マンで2台ともスタートから6時間を前にターボバルブのトラブルによってリタイアを余儀なくされる不運に見舞われた後、2度目のル・マン挑戦となるいま、結果に関して明確な目標は持っていないことを強調した。
「私たちの目標は、オペレーション面でクリーンなレースをすることだ。順位については明確なターゲットはない」と彼は述べた。「私たちが望むのは、レースを最後まで走り切り、ミスをせず、タイヤ選択などあらゆる面で後悔のないようにすること。それが我々の目標だ」
「順位についてはまったく期待していない。最終的にどこにたどり着くかは、私たち次第だ」
プジョーと新参のアストンマーティンを除くハイパーカー部門の中で、アルピーヌがもっとも競争力が低いと考えているかと問われると、ラピエールは「そのとおりだ」と答えた。
「今週の初めはプジョーとアストンマーティンにさらに追い上げられていた。それほどまで状況は良くなかった。それ以降は少し集団のほうへに戻ってきた」
「気温が上がれば、本当に後方に沈むことになるだろう。反対に気温が下がれば、もう少し強くなれるかもしれない」
アルピーヌのモータースポーツ担当副社長であるブルーノ・ファミンも、アルピーヌA424のレースでのチャンスについてラピエールと同様の見解を示した。
「本当に分からない」とSportscar365に語ったファミン。「うまくいけばトップ5に入る可能性があるかもしれないし、トップ10から外れるかもしれない」
「良い戦略を持って、トラブルのない良いレースをして、結果として11位や12位になっても構わない。これは私たちの目標ではないが、トップ10フィニッシュできればそれだけで充分だ」
アルピーヌは今年初め、モーターランド・アラゴンで24時間にわたる耐久テストを実施している。ラピエールによると、テストは問題なく終了したという。
ル・マンデビューから1年が経ち、A424の信頼性に充分な自信があるかと問われたファミンは、WECにおけるアルピーヌの優れた完走実績を強調した。
「昨年のル・マンは非常に特殊な例だった」とファミン。「信頼性の問題を抱えたのは、あのときだけだった。プログラム開始から今日まで、完走できなかったのはル・マンだけだ」
「6時間レース、8時間レース、10時間レースとさまざまなレースを経験してきたが、私たちはその中でつねに学んできた。しかし、ル・マンでは毎年何か新しいことを学ぶことができると考えている」
[オートスポーツweb 2025年06月14日]
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