ウイリアムズF1チームの副代表を務めるクレア・ウイリアムズは、同チームの売却を検討しているのは、F1活動継続を確実なものにし、従業員の将来を守るためであると語った。
F1での低迷が響き、ウイリアムズ・グランプリ・ホールディングスは、2019年の決算結果で1300万ポンドの損失を出したことが明らかになり、今年はコロナウイルス感染症のパンデミック危機による深刻な影響がおよぶ見通しとなっている。そうした状況を背景に、同社は5月29日、事業の戦略的見直しを行い、株式の一部あるいはすべての売却を検討していることを発表した。
ウイリアムズF1、タイトルスポンサー契約打ち切りに伴い、新マシンカラーリングを発表へ
40年以上前にフランク・ウイリアムズによって設立された同チームは、フェラーリとマクラーレンに次いでF1で3番目に成功したチームであり、長年にわたってウイリアムズ家による経営が行われていた。
78歳のフランク・ウイリアムズは日々の会社経営にはもはや関与しておらず、現在の経済的逆風にウイリアムズファミリーが立ち向かうことは難しくなってきている。
「フランクは常にチームとビジネス、スタッフを第一に考えてきました。それは今も私たちが行っていることです」とクレア・ウイリアムズは金曜日に、選ばれた記者たちとZoomを介して行ったビデオ会議で語った。
「フランクはいつも取締役会が下すすべての決断を把握し、支持しています」
「この決定的な時点で対内投資を求めることは、チームの将来とここで働くスタッフを守るという、私たちが常に掲げてきた哲学に完全に一致していると強く感じています」
クレア副代表は、必要な投資が見つかると確信しているといい、ウイリアムズは「これからの3カ月から4カ月で」見直しのプロセスを終えることを目指していると述べた。また、グループは「今年末までレースを続けるのに十分な資金を確保している」とも明言した。
■「成績不振は長くは続かない」とウイリアムズ副代表
投資あるいは買収を検討する者にとって、チームの価値を決める要素のひとつは、最近のパフォーマンスであるが、ウイリアムズは2018年からの2年、コンストラクターズ選手権最下位に沈んでいる。
ウイリアムズの2020年型マシンFW43は、プレシーズンテストでは進歩を垣間見せたが、実際にレースで走ってみるまでは、チームがどれだけ進化したのかを評価することはできない。
しかしながらクレア副代表は、チームが下降傾向から抜け出すのは難しいとする、評論家たちがしばしば示す見解に反論した。
「私たちは不振のなかで2年間を過ごしました」とクレアは語った。「どのチームも2年間不振に陥るようなことはあります。2年間の不振の結果として何をするかが重要であり、ミスから学んで自分たちを引き上げるのです。そうしたことがこの1年、そして今年これからも私たちがやっていくことです」
「残念ながら今年はまだレースに行くことができずにいるので、私たちが前進したことを皆さんに示すことができません」
「この2年より前の時期には、私たちはかなりの成功を収めていました。2014年と2015年はランキング3位、2016年と2017年は5位を獲得したのです」
「ですから、ウイリアムズが長期にわたる負のスパイラルに陥っているというのは、少々誇張されているか、間違いだと私は思います」
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