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現地取材で判明! カワサキ Ninja ZX-25R(現時点での)全情報

17000rpmオーバーまでブン回せる!?

復活した250cc4気筒エンジンを引っさげ、遂にその姿を現したカワサキ・ニンジャZX-25R。まさに“祭り”と表現できそうな騒ぎの中、我々ヤングマシンは東京モーターショーのプレスデーでカワサキブースに張り付き、開発関係者への聞き込みを重ね、実車を舐めるように眺め回してきた。そこで判明した、現時点でのZX-25R全情報をお伝えする。

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オートブリッパーまで装備![ダウン側も対応のクイックシフター]

249ccの水冷直4・DOHC16バルブエンジンは旧ZXR250系の焼き直しなどではない、完全な新設計エンジン。気になるのは最高回転数だが、展示された「参考出品車」のレッドゾーンは17000rpmから刻まれていた。レブリミッターが作動するのはもう少し上だろうから、最高許容回転数としてはプラス1000rpm、18000rpm程度は回せるのではないか。最高出力は現状では非公開だが、話を聞いたカワサキ関係者がZX-25Rのコンセプトとして掲げ、インタビュー中も多用した「走りも装備も、全てにおいて既存250ccのワンランク上」という言葉から察するに、2気筒のニンジャ250の37psはもちろんのこと、現在クラス最強を誇る、ホンダCBR250RRの38psも超えると考えて間違いないだろう。

加えて注目すべきなのは「上までカキーン!と回るが、昔の250cc4気筒のように下がスカスカということは全くない。低中速もしっかりとある」と関係者が語る点。世界スーパーバイク選手権で併催されるワールドSSP300クラスなどのレースも視野には入れているようだが、それでいて街乗りやツーリングなど、様々な用途に使われる250らしい汎用性や扱いやすさはしっかり持たせているという。カリカリに先鋭化したバイクではないのだ。

さらにカワサキらしいのが、関係者の「最高のオモチャです」という発言。250cc直4の大きな楽しみであるサウンドは「メチャメチャいい!」上に、装備されるクイックシフターはなんと、このクラスの装備としては信じがたいダウンシフト対応型なのだ。クラッチレバーもスロットルも操作せず、シフトペダルの操作だけで、超高回転型のニーゴー4気筒を自由自在にブリッピングさせられる! その世界は想像しただけでも快感モノだ。

オートブリッパーを備えることからも分かるようにスロットルは電子制御で、エンジン特性を変化させるパワーモードも有し、やはり250ccクラスでは驚きのトラクションコントロールまで備える。このトラコンがIMUを備えるかどうかまでは分からなかったが、既存250ccを超越する電子制御デバイスの超充実ぶりは、ワンランクどころか2ランクは上という印象すら覚えるものだ。

排気系の作りに本気度が覗く!?

エンジンは前述のように完全新設計。関係者は「かなり気合の入った開発です!」と語るが、現状ではボア・ストロークや圧縮比といった詳細は未発表なのがもどかしい。とはいえ、シリンダー右にテンショナーが見えることからサイドカムチェーン方式で、エンジンの主要三軸(クランクシャフト/メインシャフト/カウンターシャフト)は同一面上に並べられているように見える。リッターSS系の定番レイアウトである三角形配置ではなさそうだ。

同様にエンジン外観から想像できる点はいくつか存在し、排気系を避けるようにオフセットされたオイルパンはかなり深く、エンジンオイルの撹拌抵抗低減を狙った形状と察せられるし、シリンダーの前傾角も旧ZXR系の30度よりは起きているように見える。仮にそうなら、エンジンをより前輪に接近させられる(=前輪荷重を増やせる)レイアウトとも言えるだろう。

その排気系については、触媒の位置とエキゾーストパイプの取り回しに着目したい。排ガスの浄化効率を優先すれば、触媒は排気ポート直後に配し、できる限り高温を保った状態の排ガスを導入したい。しかしZX-25Rはそうなっておらず、エキパイは追加物を持たず、まるで社外エキゾーストのようにスッキリした取り回しで膨張室へ導かれている(触媒はこの膨張室内に配置される模様)。スムーズな排気の流れを優先させた形状と受け取れるし、1~4番を極太の連結管(エキパイ自体とほぼ同径)で繋いでいる点も含め、かなり“性能”に振った構造と見受けられるのだ。

ちなみに排気系の取り回しは、メーカー公開の透視図を見る限りでは4-2-1タイプで、外観からデバイスの類(=ヤマハのEXUP的なもの)は確認できない。ひとつだけ残念なのはスイングアーム下に突き出るマフラーエンド部で、大部分がカバーで隠れているので確証はないが、膨張室とは溶接された一体構造に見える。だとすればスリップオンタイプのマフラー装着は困難だろう。

エンジン性能面で言えば、フロントカウルのセンターに置かれた大きなエアダクトも気になるが、エアクリーナーボックスへ繋がっているかどうかは現状では不明(ダクト内のメッシュの向こう側には何らかのパーツが見えるが)。かつてのZXR250がカワサキ初のラムエア搭載車だったこともあり、ZX-25Rでも期待してしまうが……。

レースへの余力を秘めた車体

車体は近年、カワサキが得意としている高張力スチールパイプを用いたトレリスフレームを核とする。しかし、ニンジャH2やニンジャ250がエンジンに固定したプレートにスイングアーム保持の役割を持たせ、ハンドリングのしなやかさを演出しているのに対し、ZX-25Rはフレーム自体にしっかりしたスイングアームピボットが存在する。レースでの能力を踏まえて、確実に剛性を確保するための構造だろうか。

湾曲したへの字型スイングアームの材質は未発表だが、溶接部や質感から察するにプレス構造のスチール製のようだ。とはいえ“アルミじゃないのか……”と落胆するのは少々早計で、スイングアームピボットシャフトの構成に注目してほしい。ニンジャ250がピボットシャフト+ナットという一般的な組み合わせなのに対し、ZX-25Rはその方式を踏襲しつつも、ピボットシャフトの頭にネジを切ってロックナットを噛ませている。これはスイングアーム装着時のクリアランス管理をより緻密に行うための構造だ。現行カワサキ車でもリッタークラス以下での装備例は稀ながら、レースではこうした部分の精度の高さが効くはず。何より“後付け”は難しいから、そうした部分にはコストを掛ける考えなのだろう。

そうした「ワンランク上」は他にも散見される。ラジアルマウントのモノブロックキャリパーもそうだし、調整機構は持たないようだが、SFF-BPのショーワ製フロントフォークも同様。これを保持するアンダーブラケットも高剛性なボルト2本留めタイプだ。展示車はラジアルタイヤのダンロップGPR-300を履いており、フロントの110/70R17は他250cc車と同じだが、リヤの150/60R17はワンサイズ太い。リヤサスペンションはZX-10RやZ900RSでもおなじみのホリゾンタルバックリンク式。水平近くに寝かせて配置されるショックユニットは、カム式のプリロード調整を持つことは確認できた。

気になる価格設定はこれからとのことだが、2気筒のニンジャ250(65万4500円)よりは高くなるとのことだし、装備内容や「既存250cc車のワンランク上」という言葉をプライスにも当てはめれば、CBR250RR(80万3000円~85万4700円)超えも不思議ではない。車両の生産は日本/海外のどちらでも可能で、現状では決めかねているとのことだったが、雰囲気的には後者の可能性が高いと感じられた。

最後に発売される国とそのタイミングについて。メインマーケットはインドネシアを中心とした東南アジアで、もちろん日本にも投入されるが、欧米は現状では予定なしとのこと。排ガス規制の緩いアジア向け仕様と日本仕様の性能差も気になるが、仕様はもちろん異なるものの、大きな性能差はないというから期待したい。発売時期はインドネシアが先行する模様そして日本における情報は近々なんらかの発表がありそうだ。

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