満を持してゴルフにもディーゼルが搭載
欧州では悪者扱いを受けているディーゼルだが、それはEuro4以前の旧世代ユニットを搭載しているモデルの話。最新モデルはより厳しい規制に対応しており、「超クリーンディーゼル」と呼んでもいいくらいである。
【試乗】VWにディーゼルが帰ってきた! パサートTDIの実力チェック(動画あり)
日本市場ではそんな欧州勢の超クリーンディーゼルが積極的に導入されている。日本では石原都知事(当時)のペットボトル会見以降、ディーゼルエンジン搭載の乗用車は絶滅したが、2006年にメルセデス・ベンツ「E320CDI」の日本導入を皮切りに復活。さらにマツダの「スカイアクティブD」の登場で一気に拡大。現在は多くの海外勢がディーゼルモデルをラインアップしている。
ちなみに長距離移動の多い欧州では、満タンで航続距離の長いディーゼルが好まれるのはわかるが、なぜ日本で再び市民権を得たのか? それは燃費の良さや燃料(軽油)の安さといった経済性のみならず、低回転からグッと立ち上がるトルクやドライバビリティの良さなど、走りの良さを評価しているのだろう。
そんななか、輸入車勢のなかでは販売台数ベスト5の常連となるフォルクスワーゲンは、数多くのリクエストを受けながらもディーゼル導入に出遅れていたのも事実だ。元々、ディーゼルモデル導入の計画は早いタイミングであったと言うが、2015年のディーゼルゲート問題から、国交省が認可する上でかなり慎重になった……というウワサも聞いている。
とはいえ、2018年に導入したパサート以降、クロスオーバーのティグアン、コンパクトミニバンのゴルフ・トゥーランにディーゼル(TDI)が追加。どれだけ待ち望まれていたのかは販売比率に表れており、全体では5割超、ティグアンに関しては8割超が選択しているそうだ。そして今回、主力のゴルフとともに追加されたのが輸入車勢では数少ないスライドドアの採用のミニバン「シャラン」だ。
シャランはエンジンとDSGのマッチングが気になる
まずはシャランから。昨今、ミニバンはクロスオーバーSUV人気に押され、かつてほどの勢いはなくなっているが、依然日本市場の主力カテゴリーであることは間違いない。しかし、モデルバリエーションは縮小傾向なのも事実だ。とくにボックス型ではないミニバンは壊滅の危機で、ホンダ・オデッセイと並んで“最後の砦”となる存在と言えるだろう。
搭載されるエンジンはほかのVWと同様に直列4気筒の2Lディーゼルターボだが、エンジンの特性は各々のモデルのキャラクターに合わせて最適化されている。ちなみにシャランは中間のスペックとなる177馬力/380Nm。ちなみにガソリン(TSI)は1.4Lターボで150馬力/250Nmなので、パワーは18%、トルクは52%アップだ。トランスミッションは湿式の6速DSGとなる。
TSIと比べると出足の良さや絶対的な力強さは、「やっぱりミニバンはディーゼル!!」と感じるものの、ライバルの2Lターボディーゼルと比べてしまうと、よく言えば「穏やかな特性」、悪く言うと「パンチがない」のが気になった。
具体的には1800rpmから力強さを増していくエンジン特性と6速DSGのマッチングが今ひとつで、巡航してしまえば気にならないのだが、ストップ&ゴーやタウンスピードからの再加速などではトルクバンドを外してしまい、「このエンジンパフォーマンスでこの車両重量ならば、これくらいの加速をしてくれるはず」といった期待値には届いていないように感じた。もちろん、アクセルをさらに踏み込めば即座にシフトダウンしてくれるが、ミニバン用として使うならもう少しディーゼルの粘り強さが欲しい所である。
また、静粛性は最新のプラットフォーム(MQB)採用のほかのモデルと比べるとエンジンノイズは大きめだが、エンジンサウンド自体は軽やかな音質なので、巡航/加速時ともにあまり耳障りには感じることはなかった。
フットワークは初期モデルに対して進化・熟成は行われているものの、ボディのシッカリ感や不整路面で若干ドタバタする足の動きなど基本設計の古さを感じる部分もあるが、ミニバンらしいドッシリとした落ち着きの良さと操作に対するクルマの動きは穏やかだが、ミニバンらしからぬ軽快なハンドリングは今も健在である。
乗っていると低重心な感じはあまりしないものの、4つのタイヤがシッカリと働いているので無理して曲がっている感じがなく、コーナリング時も不安な感じは一切ないし、ひとり乗車なら下手なスポーティカーよりも気持ちよく走らせることも可能だ。この辺りは日本で発売されるスライドドア採用のミニバンのなかでは依然トップレベルであり、ミニバンでもVWらしさを失っていないことを実感する部分だろう。
もちろん、日本のミニバンのように押し出しの強いフロントマスクやリラックスモードのようなシートアレンジ/調整、気の利いた装備などはないが、シンプルながらしつらえの良さと機能性の高さ、どの席に座っても正しい姿勢で座ることが可能なシート、ミニバンを感じさせない走りの良さ、そしてディーゼルの旨み……と、日本のミニバンに飽きた人にぜひ一度乗っていただきたいモデルだ。
ゴルフはパンチのあるスポーツグレードが欲しくなる
続いてゴルフである。日本ではゴルフIII以来、21年ぶりの復活のディーゼルエンジン搭載モデル。シャランと同じく2Lディーゼルディーゼルターボを搭載するが、スペックは150馬力/340Nmと、もっとも穏やかな特性となっている。トランスミッションは湿式7速DSGとの組み合わせ。
TDIシリーズのなかでは比較的軽量(と言っても1430kgだが)なので期待をするが、アクセルを踏むと意外とジェントル。トルクはモリモリ型ではなくマイルドで、あくまでも黒子に徹している印象だ。1800rpmを境に力強さが増す特性はシャランと同じだが、こちらは7速DSGの制御が巧みでターボラグをカバーしてくれるのでドライバビリティは高い。DSGとディーゼルの相性は非常に良く、低速時のマナーもATとほとんど変わらない。
フットワークは軽快な動きのガソリン車と比べるとドッシリとした落ち着きの良さと安定感が印象的で、むしろゴルフのキャラクターにはTDIの方が合っているように感じた。そういう意味では、ワインディングよりも高速道路のほうが真価を発揮するタイプだ。
ちなみにドイツ本国にはゴルフGTIのディーゼル版と言われる「GTD」というモデルがラインアップされている。184馬力/380Nmで最高速230km/h、0-100km/h加速7.5秒というスポーツディーゼルだが、ここまで来たらこれも導入してみてはどうだろうか?
恐らく年内にドイツ本国ではゴルフVIIIが発表される予定だが、日本への導入は2021年と言われている。さらに昨今の電動化の流れを考えると、TDIが設定されるかは流動的。そう考えると、今ゴルフVII TDIを選ぶ……という選択肢は十分アリだと思っている。個人的には最後の最後に表れた「ベストゴルフVII」と言ってもいい一台である。
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