現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ’20 カワサキ ニンジャ650試乗インプレッション【万能モデルのお手本】

ここから本文です

’20 カワサキ ニンジャ650試乗インプレッション【万能モデルのお手本】

掲載 更新 4
’20 カワサキ ニンジャ650試乗インプレッション【万能モデルのお手本】

外観シャープに、キャラは継続

カワサキ ニンジャ650がモデルチェンジ。ニンジャ400/250、そして間もなく登場するZX‐25Rらと共通イメージのフロントマスクに刷新されただけでなく、基本設計を継承しながらもETC2.0標準搭載やスマートフォンとの連動性など、ユーティリティの面でも大幅にバージョンアップしている。

カワサキ新型「ニンジャ650」と「Z650」の日本仕様が発売に! ユーロ5対応ほか全面改良とデザイン一新

●まとめ:大屋雄一 ●写真:真弓悟史

[◯]現代における万能選手。街も旅もこれ1台で!

ニンジャ400/250、そして間もなく登場するZX-25Rらと共通のフロントフェイスとなったニンジャ650。外観における先代からの変更点は、実はそのフロントカウルのみなのだが、明確に印象を異にする技術は素晴らしい。

―― 【’20 KAWASAKI Ninja 650】■全長2055 全幅740 全高1145 軸距1410 シート高790(各mm) 車重194kg ■水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ 649cc 68ps[50kW]/8000rpm 6.4kg-m[63Nm]/6700rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量15L ■ブレーキF=Wディスク R=ディスク ■タイヤF=120/70ZR17 R=160/60ZR17 ●価格:90万2000円(KRTエディション)/88万円 ●色:緑(KRTエディション)/白

―― 【ニンジャ400/250に通じるスタイリングに】外観での変更は主にフロントカウルで、固定方式をボルトからフックにすることで滑らかな表面を作り出している。ブレーキシステムや5本スポークのホイールなどは変更なし。フレームスライダーは純正アクセサリーだ。車体色は写真のパールブリザードホワイトのほか、KRTエディションのライムグリーン×エボニーも用意。後者はグリーンのホイールリムテープを採用。

まずはエンジンから。180度クランクを採用する649ccのパラレルツインは、ユーロ5排ガス規制に対応するため触媒容量を増大し、合わせてエキゾーストパイプをショート化&形状変更。さらに吸気系は、エアクリーナーボックスとスロットルボディをつなぐダクトの形状を見直し、中回転域のトルクを含めた特性を向上させたという。最高出力68psは不変だが、最大トルクは0.2kg-m低下しているのが諸元上の主な違いだ。

実際に走らせてみると、そのトルクダウンの件を忘れてしまうほど低回転域から力強く、特に街中で多用する4000rpm以下ではツインならではの鼓動感が心地良い。トップ6速、100km/hでの回転数は約4800rpmで、不快な微振動は皆無。峠道ではどの回転域からでもスロットルを開ければリヤタイヤの蹴り出し感が伝わり、レッドゾーンの始まる1万rpmまでパルスの表情を変化させながら気持ち良く伸び上がる。厳しい排ガス規制をパスしつつもドライバビリティへの影響はなし。感心することしきりだ。

ハンドリングもいい。前後サスのグレードは決して高くはないが、しなやかなフレームと、そして新型から標準装着となったダンロップ・ロードスポーツ2のおかげか、パッケージとしてのまとまりは抜群だ。倒し込みの軽さと適度な安定成分とのバランスがほどよく、操縦次第では高い旋回力が引き出せる。さらに乗り心地もいいなど、まさに万能モデルのお手本のようだ。なお、ウインドスクリーンは3段階の調整機構を廃して固定式となったが、巡航ポジションでの防風効果は及第点だ。

ブレーキは従来と同じシステムを継続。フロントキャリパーは片押し式2ピストンだが絶対制動力に不足はなく、また前後ともコントローラブルなので特に不満はなかった。

―― シート高790mmは先代から不変。同じシリーズの400が785mmなので、いかに低いかが分かる。外観は攻撃的だがライポジはリラックス系でロングライドも許容(175cm/62kg)。

―― 【触媒の増量でユーロ5対応。吸気系も変更】180度クランク採用の649cc水冷並列2気筒は、触媒容量を増大し、エキゾーストパイプをショート化。合わせてエアクリーナーボックスとスロットルボディをつなぐダクトの形状も変更している。

―― φ41mm正立式フロントフォーク、ホリゾンタルバックリンクのリヤサスペンションとも変更なし。標準装着タイヤはダンロップのD214から同ロードスポーツ2へと進化。

―― 【カワサキでクラス初の4.3インチ液晶メーター】旧型の指針式タコメーター+モノクロ液晶から、背景色を白/黒に切り替え可能な4.3インチTFTフルカラー液晶に。ハンドルは従来同様セパレート型で、レバーは左右とも調整機構付き。

―― 【電話&メールの受信を表示。走行ログも】内蔵のブルートゥースと専用アプリによってスマートフォンとの相互通信が可能に。車両情報の閲覧や表示内容の変更、電話やメールの受信表示、軌跡ログの記録など、さまざまな機能を持つ。

―― ヘッドライトはフィラメント球から最新のLEDへ。従来はロービームで右のみの点灯だったが、新型は左右同時点灯に。

―― (左)タンデムシートはウレタンの厚みを増やすことで快適性向上。(右)標準装備のETC車載器は新型で2.0にバージョンアップ。

【スクリーンの調整機能を持つ先代ニンジャ】’17年の大刷新でフレームをペリメターから高張力鋼トレリスにするなどし、18kgもの軽量化を達成した先代ニンジャ650。’20年型はこの基本設計を継承。



[△]価格上昇は仕方なしか。特に不満は見当たらず

今回のモデルチェンジで約7万円アップ。ヘッドライトのLED化やブルートゥース搭載の新型メーターなどが価格に反映されたようだ。とはいえ、このクラスのフルカウルで100万円を切る日本車はこれだけ。実力的にもコストパフォーマンスは高い。

[こんな人におすすめ]大型初心者からベテランまで幅広くオススメ

’08年に登場し、時代を一変させたニンジャ250R。時代も排気量も異なるが、コンセプトの根幹は最新のニンジャ650にも受け継がれていることを実感。万能的に使えるだけでなく、ライディングテクニックをも向上させてくれそうな1台だ。

こんな記事も読まれています

プリウスもない! クラウンセダンにもない! 最近フォグランプのあるクルマ減ってない?
プリウスもない! クラウンセダンにもない! 最近フォグランプのあるクルマ減ってない?
ベストカーWeb
宮田莉朋が2度目のWEC出走へ。第3戦スパでレクサスRC F GT3を代役ドライブ
宮田莉朋が2度目のWEC出走へ。第3戦スパでレクサスRC F GT3を代役ドライブ
AUTOSPORT web
中央道の渋滞対策2ストライク、三振間近! なぜ愚策が繰り返されるのか?[清水草一の道路ニュース]
中央道の渋滞対策2ストライク、三振間近! なぜ愚策が繰り返されるのか?[清水草一の道路ニュース]
ベストカーWeb
大型連休でも大活躍! 6名以上乗れる手頃な価格の中古車4選
大型連休でも大活躍! 6名以上乗れる手頃な価格の中古車4選
グーネット
ハイブリッドなのにスポーツカー⁉️ C 63 Sに新世代のAMGを見た
ハイブリッドなのにスポーツカー⁉️ C 63 Sに新世代のAMGを見た
グーネット
レクサス 新型「GX550オーバートレイル+」抽選販売スタート!通常販売は2024年秋開始
レクサス 新型「GX550オーバートレイル+」抽選販売スタート!通常販売は2024年秋開始
グーネット
マツダ 新型3列シートSUV「CX-80」初公開 2024年秋に欧州で発売
マツダ 新型3列シートSUV「CX-80」初公開 2024年秋に欧州で発売
グーネット
プリウス後席ドアに13万台のリコール! 暫定的に手動開閉に! ところでプリウス後席ドアって手動でどう開けるの?
プリウス後席ドアに13万台のリコール! 暫定的に手動開閉に! ところでプリウス後席ドアって手動でどう開けるの?
ベストカーWeb
クルマの窓から愛犬が顔出してる! 可愛いんだけどこれって違反にならないの?
クルマの窓から愛犬が顔出してる! 可愛いんだけどこれって違反にならないの?
ベストカーWeb
ボルドールの経験でEWCの切符を掴んだ綿貫舞空。ル・マンで昨年2位の3ART加入に「できれば優勝をしたい」と意気込み
ボルドールの経験でEWCの切符を掴んだ綿貫舞空。ル・マンで昨年2位の3ART加入に「できれば優勝をしたい」と意気込み
AUTOSPORT web
BYDが都内屈指の自動車ディーラー激戦区に「BYD AUTO 目黒」を開店
BYDが都内屈指の自動車ディーラー激戦区に「BYD AUTO 目黒」を開店
グーネット
今やブーム真っ只中なのに……期待が大きすぎた  悲しい運命をたどった[SUV]4選
今やブーム真っ只中なのに……期待が大きすぎた  悲しい運命をたどった[SUV]4選
ベストカーWeb
マツダの新型「3列SUV」でた! ついに5m級 驚異的パワー!? 「CX-80」欧州で世界初公開 これ日本に来るのか!?
マツダの新型「3列SUV」でた! ついに5m級 驚異的パワー!? 「CX-80」欧州で世界初公開 これ日本に来るのか!?
乗りものニュース
GTワールドチャレンジ・アジアがJ SPORTSで全戦放送。ジャパンカップはほとんどを生中継へ
GTワールドチャレンジ・アジアがJ SPORTSで全戦放送。ジャパンカップはほとんどを生中継へ
AUTOSPORT web
安かろう悪かろうなクルマをつかまされないために知っておくべき……[修復歴]と[事故歴]の違いとは  どうやって見分けりゃいいの
安かろう悪かろうなクルマをつかまされないために知っておくべき……[修復歴]と[事故歴]の違いとは  どうやって見分けりゃいいの
ベストカーWeb
もっと「アバルト595」で運転を楽しもう! 車高調からペダルの「ポッティングデカール」にドラシューまで、厳選アイテムを紹介
もっと「アバルト595」で運転を楽しもう! 車高調からペダルの「ポッティングデカール」にドラシューまで、厳選アイテムを紹介
Auto Messe Web
シェイクダウンはオジエが最速発進。トヨタ1-2にヒョンデ勢が続く/WRC第4戦クロアチア
シェイクダウンはオジエが最速発進。トヨタ1-2にヒョンデ勢が続く/WRC第4戦クロアチア
AUTOSPORT web
韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)
韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

4件
  • すごくいいバイクでコストパフォーマンスも高いけど日本では欧州ほど人気ない。
    たぶん面白みがないと思われてるんだろうね。
    でもこういうのほどいろんなバイクを乗り継いだ玄人好みだったりするんだよね。
  • パッケージングは良いよね。
    ただ、パラツイン180°クランクは音が良くない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村