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【三菱】“クロカンミニバン“デリカD:5の魅力とは S-AWC搭載で完熟してもなお魅力が深まる[開発者インタビュー]

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【三菱】“クロカンミニバン“デリカD:5の魅力とは S-AWC搭載で完熟してもなお魅力が深まる[開発者インタビュー]

2025年12月18日にデリカD:5のマイナーチェンジ(MC)が発表され、内外装の変更や装備類の変更などともにS-AWCが搭載されたことがアナウンスされた。

「4WD性能が高いイメージのデリカD:5にS-AWCが搭載されていなかったことは逆に意外で、今回のMCでS-AWC(スーパ・オールホイール・コントロール)を搭載した。しかし、他の三菱車に搭載するおなじS-AWCでも、アウトランダーPHEVとエクリプスクロスに搭載しているS-AWCとはじつは異なっているのだ。

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ドライブモードの選択はダイヤル操作で簡単S-AWCの作動状況はディスプレイに表示されるリヤ駆動がモーターなのかエンジン駆動なのかの違いにより、制御が異なってくるからだ。デリカD:5はディーゼルターボなので、エクリプスクロスと同じロジックのブレーキAYC制御が入っていることになる。

異なるS-AWCとはいえ、ユーザーが受ける恩恵は同じで、アウトランダーPHEVはリヤにモータを使用しているため、ブレーキAYCにプラスして前後のトルク配分を細かく制御しつつヨーモーメントを作っている。一方、エクリプスクロスと今回のデリカD:5はエンジンなので、プロペラシャフトでリヤに駆動力を伝えているのだが、その機械式の特性上、アウトランダーPHEVのような細かく理想的な前後トルク配分は実現できていないという違いはあれど、加速、減速時の車両姿勢変化によるタイヤ接地過重の変化に対し、適切に前後の駆動力も制御し、AYCでヨーモーメントを作っている点は同じ。

AYCとはアクティブ・ヨー・コントロールの略で、ランサーエボリューションの時代に開発された技術。イメージとしては、コーナー侵入時にブレーキングし、ステアして旋回が始まる。コーナー脱出に向けて4輪独立制御されているブレーキに制動力をかけ、4WD駆動力とのバランスを取りながら、連続的に制御することで安定した姿勢でコーナーを立ち上がるというイメージだ。

つまりS-AWCは、ハンドルを切ると素直に曲がる仕掛けなのだが、曲がりやすくするため、内側のタイヤにブレーキをかけ、ノーズがインに向きやすいようにヨーを発生させているということだ。

その仕組みはASC(車両姿勢安定装置)とABSも含んだ制御で、ブレーキをつまむことで、曲がりやすくしている。そこにプラスして4WDの駆動力が加わってスムーズにコーナリングするというわけ。コーナリング中には瞬間的なブレーキ制御が連続的に働き、最初は強めにブレーキがかかり、回頭性をあげる。回頭したら徐々にブレーキは弱まり、駆動力を上げていくという制御がミリ秒単位で動いているのだ。

さて、このデリカD:5のドライブモードにはエコ、ノーマル、スノー、グラベルの4つもモードがあり、S―AWCと連携して車両を安定させる仕組みになっている。ただエコモードはS-AWCが機能しない設定になっていて、イメージとしては2WD走行で、エアコンの出力を絞ったエコ・ドライブとなるモードだ。

そしてスノーは文字通り、雪道など滑りやすい低ミュー路で安定して滑らず走るモードだ。タイヤの滑りに対してはフィードバック制御され、グリップさせる仕組みだ。

グラベルは未舗装を意味するが、このグラベルがもっともS-AWCの機能がフル稼働するモードだ。じつは未舗装路に限らず、雨の高速道路や路面のうねりなど不安定要素がある場面では、S-AWCが機能し、車両姿勢を安定させるので積極的に使ったほうが安定するモードでもある。反面、ブレーキ制動が頻繁に入るため、燃費に影響がでやすく、路面状況が悪い時に使うのがベターだ。


第二車両技術開発本部 車両運動システム開発部 4輪統合制御設計 担当マネージャー 加藤智さん
プロジェクト推進室 CVE 柴田直之さんこのS-AWCを搭載するにあたり、開発者に話を聞くことができた。まず、デリカD:5にだけS-AWCが搭載されていなかった理由についてプロジェクト推進室の柴田直之さんは「デリカD:5に対して、ヘビーデューティなイメージを持つユーザーも多く、2WDと4WDを切り替えて使うギヤとしての楽しい一面もあったので、2019年の改良時にS-AWC搭載は、見送りました」と話す。「それが時代の変化や常時4WDが当たり前となってきたこともあり、“クルマが自動でベストな駆動配分をするのがイマ風”という結論から、このタイミングで搭載しました」という。

また、実際に開発した4輪統合制御設計エンジニアの加藤智氏からは「エクリプスクロスにすでに搭載していたので、ICE(内燃機関)を使ったS-AWCのロジックはすでに存在していました。ですからデリカD:5には車両の適合レベルで搭載することができたので大きな苦労はなかったです」と。しかしながら「制御の中身になるとデリカD:5に相応しい制御にすることには気を使いました。また、デリカD:5のキャラクターを考えると『パワー』と『ターマック』は不要としました」

ターマックは舗装路用のスポーティドライブを意味し、パワーはデリカD:5にはディーゼルターボというトルクフルなユニットなので不要にしたというわけだ。

こうしてデリカD:5らしさ=オールラウンダーな力に磨きがかかり、「唯一無二」の存在感もさらに昇華させ、クロカンゆずりのタフな4WDといったイメージを崩さず、デリカD:5らしい4WDに仕上がったというわけだ。

タフネスなデリカD:5だが、フルモデルチェンジをすることなく、継続的に進化できている理由のひとつに環状骨格のボディがある。ワンボックスの弱点は広い空間があるため剛性不足になりがちだが、デリカD:5はその対策として環状骨格を導入している。

デリカD:5は、「リブボーンフレーム」と名付けられた、ほ乳類の肋骨のような環状骨格構造を、2007年のデビュー時から採用。A・B・Cピラーとルーフの結合やテールゲート開口部全周を閉断面骨格とし、大型クロスメンバーとあわせ優れたボディ剛性を確保している。そうした高剛性のボディがあるため、最新の駆動力制御を導入しても応答遅れや乗り心地の悪化、ステア応答の鈍さといったことにはならず、最新の乗り心地と安全性を担保している点もデリカD:5の美点と言えるのだ。

実際の試乗では、あえて滑りやすい雪道で走行してみると、確かにスノーは滑らず安心して走行できる。逆に滑りやすい路面を利用してスポーツドライブをしたいという、腕に自信のある人にはグラベルモードをお勧めする。適度な滑りもありつつ、破綻はしない安全性も確保されており、楽しいドライブができると思う。

そして高速道路のドライ路面ではエコがいいかもしれない。2WD走行で省燃費に貢献する。しかし雨など条件がわるくなったらグラベルを使うといった使い方がいい。試乗時はドライ路面だったので、グラベルモードの恩恵はなかったが、知識として知っておくといいと思う。

S-AWCとはあまり関係しないが、新型デリカD:5はステアリグ操舵が軽くて扱いやすいことも美点なので、お伝えしたい。軽すぎず、適度な反力もあり、路面インフォーメーションはしっかり届く。この軽さは先ほどのエンジニアによれば、家族で乗る場面も多く、平日は母親が運転するシーンが多く見られることも配慮したというわけで、納得の設定というわけだ。

2列目も3列目も広々快適運転姿勢はミニバンそのもの。視界が高く見通しもいい3列目を左右にはね上げれば荷室拡大も可能他ミニバンよりも車高は高いが、電動サイドステップで乗降も楽今年で19歳を迎えるデリカD:5はますます進化し、時代に見合った改良が施され、ユーザーが持つイメージを裏切らない進化を続けているのだ。

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三菱自動車 公式サイト

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文:Auto Prove 高橋 アキラ

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みんなのコメント

6件
  • しゃちょう
    運転支援性能は一世代前と言った感じなのが残念だが、それを超える魅力がある車だと思う。
    現在購入検討中です。
  • man********
    妙に近ごろ、三菱車に関する記事が多いな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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