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「毎年1秒速くなる」スズキが鈴鹿8耐で挑む“カーボンニュートラルの勝利”

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「毎年1秒速くなる」スズキが鈴鹿8耐で挑む“カーボンニュートラルの勝利”

7月3日から5日まで、鈴鹿サーキットで開催される夏の風物詩「2026 FIM世界耐久選手権『コカ・コーラ』鈴鹿8時間耐久ロードレース 第47回大会(鈴鹿8耐2026)」。環境負荷の低い燃料やタイヤなどを全面に使用したマシンで「チームスズキCNチャレンジ」として3年目の挑戦をおこなうスズキは、「当然ねらうのは表彰台」と意気込む。

2024年から鈴鹿8耐に参戦しているスズキは、初年度から8位入賞と健闘した。2年目となった2025年は転倒トラブルがあり33位の結果に。それでもトップ集団に引けを取らないタイムを計測しており、今年への期待が高まっている。

【画像】鈴鹿8耐2026に参戦するチームスズキCNチャレンジ

今年のマシンは発売が発表されたばかりの新型『GSX-R1000R』をベースにした2026年仕様の「2026チームスズキCNチャレンジGSX-R1000R」で、サステナブルアイテムの性能や採用率をアップさせ、モータースポーツをよりクリーンに、さらに“勝利する”ことができるマシンに仕上げた。

燃料は昨年に引き続き、100%サステナブル燃料としたほか、タイヤは再生可能資源の採用比率と性能を向上。外観上の特徴にもなっている亜麻由来のカウルはシートカウルにも採用を拡大。さらに燃料タンクカバーに「エコ不織布カーボン」を初採用した。マフラーは再生チタンを採用した環境配慮型チタンをテールパイプすべてに採用。車体、エンジンそのものも性能向上を果たしている。

2025年は、サステナブルアイテムを活用したレース活動で、通常の材料での活動と比べてCO2を約18%低減、重量で約2トンの削減になったという。レースの成績だけでなく、こうした数字を追うことで次世代の車両開発、モータースポーツの持続可能性につなげるねらいだ。

さらに今年は、昨年に引き続き津田拓也選手、エティエンヌ・マッソン選手に加えて、全日本ロードレース「JSB1000」のトップライダー水野涼選手を起用。スズキに乗るのは初めてだが、鈴鹿8耐のほか海外レースの経験もあるだけでなく、今年の全日本では開幕戦から3連勝を果たしており、活躍が期待されている。

◆毎年1秒速くなるチームスズキCNチャレンジ
5日の決勝を控えた4日、チームスズキCNチャレンジはファンに向けたトークショーを開催。3日におこなわれた公式予選の手応えを踏まえ、本戦への意気込みを語った。

プロジェクトリーダーの佐原伸一氏は、「年々大きく進化していると感じている。環境負荷低減を大事にしている中で、色々な新しいものに挑戦している。同じように見えるタイヤも年々進化していて、走るたびに速くなっていると思っている。あまり順位のことを始まる前に言うのは好きじゃないが、やはり皆んな頂点を目指して準備して、どうやったら勝てるかということを突き詰めている。なので、誰よりも速く、当然ねらうのは表彰台だ」と話す。

サステナブルアイテムを採用しながら、その性能をフルに発揮するのは難しく、チームにとってはハンデでもある。しかし佐原氏は、「あまりそれを言い訳にしたくはないが、普通のものとは違う特性であることは事実。使い方を工夫したり、ライダーは乗り方を工夫したりといったことでカバーしながら、その性能を100%出そうと思っている。ちょっとおこがましい言い方をすると、モータースポーツやオートバイの未来を背負って頑張っているつもり」だとプロジェクトへの思いを語った。

ライダーとしては2年目の参戦だが、マシン開発には初年度から関わっていたという津田選手は、その進化を目の当たりにしてきた一人だ。

「タイムで言うと、1年目はベストでも2分7秒台。昨年は6秒台に入って、今年は5秒台(2分5秒924)に入ることができた。すごい進歩だと思っている。惜しくもトップ10は逃した(総合13位)が、外から見れば“本当にカーボンニュートラル使っているの?”と思っちゃうくらい、他と遜色ないレベルに映っていると思う。そのレベルまで来たということは、チャレンジが成功に近づきつつあるのかなと思う」(津田選手)

◆雨のレースで強さを発揮するか
4日の午後から鈴鹿では雨が降り出し、予定されていた「トップ10トライアル」は中止となった。決勝となる5日も鈴鹿の天気は雨予報。降雨量によっては走行中止となる可能性も囁かれているが、雨のレース開催となった場合、強さを発揮しそうなのが「いいレースにできるんじゃないかなという手応えを感じている」という水野選手だ。

「昨年、全日本の鈴鹿でも最終2レースは雨で優勝できたし、全日本の初優勝も雨だったので、結構得意としているところはある。スズキ車を雨で乗ったことがなかったが、一昨日の午後雨になって、そこでしっかり乗ることができた。いい走りができるんじゃないかと思っている」(水野選手)

また、普段はヨシムラSERT Motulチームで世界耐久レースを戦うマッソン選手も雨のレースに自信を見せ、「雨はルマンではかなりいいコンディションとされているので、自分でもかなり得意としている。それがこのレースでも活かせるように頑張りたい」と前向きだ。

佐原氏は、「雨になるとどこのチームも予定している作戦を変更しなきゃいけなかったりする。そういう時こそチーム力が発揮されると思う。我々のチームは会社の中で公募された経験のない人も含みながらも、経験者もたくさんいる。そのチーム力を見せるいいチャンスかなと思っている。今一番の強みとしては、この3人のライダーみんなドライでも雨の中でも同じようなラップタイムでいいペースで走ることができているので、そこはチームとして本当に助かっている。どんな作戦でもいけると思う」とチーム、ライダーの活躍に期待を込める。

ウエットコンディション(路面が雨で濡れた状態)のレースになるとレインタイヤを装着することになるが、ブリヂストンが開発するサステナブルタイヤはドライ用のみ。つまり、通常のレース用レインタイヤで戦うことになる。全面にサステナブルアイテムを採用しカーボンニュートラルなレースをおこなう「CNチャレンジ」の本懐とは異なってしまうが、他チームとイコールコンディションで戦うことができるチャンスでもある。また、車体やエンジン、燃料など、タイヤ以外の性能や信頼性がより浮き彫りになりそうだ。

鈴木俊宏社長は6月末、「(レースで)勝ちに行くというのは大切かもしれないが、カーボンニュートラルに勝つ、ということにチャレンジしてほしい」と願い、チームを鈴鹿へ送り出した。3年目の挑戦、そしてその先にあるスズキのカーボンニュートラルへの勝利の行末に要注目だ。

「この自分たちの走りが、バイクの未来や、スズキのこれからに繋がっていけたらいいなと思って、明日の決勝も頑張りたいと思っています」(水野選手)

文:レスポンス 宮崎壮人
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みんなのコメント

11件
  • th2********
    水野選手の2STの走行は、確かにタイムもドライより遅いし、雨で気温も低かったから体力消耗も少なかっただろうけど、正直初バイクで凄いと思った。
    いくらクラス違いでもトラブルも無く、1桁入賞も凄い努力だと思う。
    来シーズンのチームカガヤマのスズキ復帰の布石?そして実質スズキワークス復活とか!
    どうせなら、水野選手もスズキワークス契約にしてMotoGPにも復活してもらいたい。
  • kyb
    水野選手は何を乗っても早いね国内だけでは勿体無い感じがする世界でも通用しそうなのでWSBKでも出てくれないかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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