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レッドブルF1の強さはチーム作りにあり。ニューウェイは「フラットな組織を作ろうと心がけている」と明かす

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レッドブルF1の強さはチーム作りにあり。ニューウェイは「フラットな組織を作ろうと心がけている」と明かす

 レッドブルのマシン開発はどう行われているか、圧倒的強さを誇るレッドブルの2023年型F1マシンRB19の開発責任者である、チーフテクニカルオフィサーのエイドリアン・ニューウェイが解き明かした。

 今シーズンのマシンは開幕から7戦全勝の成績を挙げている。昨シーズンは開幕前に空力の新規則が導入されたが、レッドブルのマシンは22戦中17勝を挙げた。そのマシンの好調さを今季のマシンも継承している。

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 ニューウェイは今日のF1界でも偉大なエンジニアのひとりとして長らく評価されており、ウイリアムズ、マクラーレン、レッドブルと渡り歩くなかで、F1コンストラクターズタイトルを11回、F1ドライバーズタイトルを12回獲得している。アメリカズカップなどレッドブルが関係するプロジェクトにも数年間にわたり時間を割いていたが、F1にフルタイムで復帰して以来の最近の連勝によって、彼に対する評価は高まるばかりだ。

 レッドブルの最近の好調さはニューウェイに依るところが大きいとはよく評されるところだが、ニューウェイ本人は、チームが強いのはみんなが存分に力を発揮できるよう組織の作り方を工夫しているからだという。

「理論上は、私がみんなを監督することになっているが、そんな風に考えたことはない」とニューウェイは今週『Sky Italia』が行った貴重な特集インタビューで答えている。

「できるだけフラットな組織を作ろうと心がけている。みんなでコミュニケーションを取り合い、メールを最小限に抑え、実際に話すことを奨励している」

「みんなが積極的に関われる、関わる必要がある職場を作りたいと思っている。そうした面で役立つ経験を積んだ優秀なエンジニアも多い」

 レッドブルは、このまま行くと、今週末のカナダGPで節目の記録を達成する可能性が高い。もし優勝すると、2005年のオーストラリアGPでF1に初参戦して以来、355戦を経てグランプリ100勝目を飾ることになる。

 だがそうした状況にあってもニューウェイは慢心しない。

「F1では、少しでも現状に満足したらすぐに追い抜かれる他チームからの激しいプレッシャーを常に想定しておく必要があり、進化し続けなければならない」

 ニューウェイは、ルール変更があった際にそれをうまく活用して自チームの有利につなげる点に定評があり、2022年がまさにそうだった。2024年シーズンはそうした変更は予定されていないものの、あらゆる面でさらなるパフォーマンスを引き出そうとニューウェイは努力を続けている。

「来年のレギュレーションはかなり安定している。それでも、今年行うリサーチはすべて来年へとつながっていく」

「2020年にルールが公表されたとき、かなり制限がきつくて、すべてのマシンが同じになってしまうのではないかと危惧したことは否定しない」

「しかし2021年を通じて詳細が明らかになってくると、当初思ったよりはさまざまなデザインを許容する柔軟性があることがわかった。特にサイドポッドの形状は多彩と言っていい」

「マシンの研究を行うにあたって、すべての可能性を追求する余裕があるわけではない。そこで、かなり早い段階で、『よし、これが進むべき方向だ』と決めて動いていくことになる」

 当然だが、レッドブルが圧倒的な強さを見せるということは、他チームがマシン設計に活かせる要素をコピーしようと鵜の目鷹の目で探ってくることを意味する。そうしたなかには、競合相手がチームの設計部門へと重要人物を引き抜こうとするといったことも含まれる。

「他チームにコピーされるのは、大いに名誉なことといえる。もちろんだが、コピーはF1には付き物だ。他チームの動向には目を光らせている。F1とはそういうものだ。非常に厳しい競争だ。プライドだのなんだの言ってはいられない。他チームが何をやっているのか、常に品定めをしている」

「実のところ、我々も他チームからコピーしたことはある。目に見える形のコピーもあるし、人材の移動に伴って時折起こるようなものもある。今年はそれが起きた」

「直接的にコピーする場合もあるし、『彼らは何であんなことをしているんだ』と発想のレベルで気付かされることもある。それで、こちらの設計も何か変えられる部分がないかといったことがある」

「よくあるのが、『これは興味深い。うちのマシンではここの設計がどうなっているか詳細に検証しよう。彼らの発想からひらめきを得て、自分たちのマシン開発に生かせないか』ということだ」

「最終的にどれが正解となるのかはわからない。さらに発展の余地があるのはメルセデスか? それとも、フェラーリが採用している形状にもっと注意を払うべきか? 結局、メルセデスが何をやろうとしているのかかなり短期間で見定めた。フェラーリについては検証せず、自分たちのマシンの開発に専念した。それが好運なことに、適切なソリューションに結びついたようだ」

 しかしながら、ライバル勢が力を盛り返し、レースごとにレッドブルに肉迫してきている兆候がある。RB19がシーズン終了まで不敗のままでいられるのかどうか。ニューウェイをもってしてもこれはかなりの難題かもしれない。だが、それが実現しないと断言することもまたできない。

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  • バジェットキャップルールは守っているか?話しはそれからだ
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