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クルマで流しながらの出会い頭で野生のウサギを瞬撮!「三好秀昌のニッポン探訪・取材ウラ話 第15回~アマミノクロウサギ」

ドライバー2020年3月号(2020年1月20日発売号)からスタートした連載「(じつは)動物カメラマン 三好秀昌の『ニッポン探訪』」。日本全国をSUVで駆けまわり、かわいい動物や最高の絶景を撮影してしまおう!という企画です。第15回は、鹿児島県の奄美大島に生息する絶滅危惧種の『アマミノクロウサギ』。撮影テクニックやクルマのインプレッション、その地域のグルメやお土産情報など、取材ウラ話をいろいろと紹介します。
 
 

 
 
撮影のタイミングは道に出てきてウ○コをする瞬間!
 
今回ほど大ざっぱな撮影ポイントの予想で地方に出かけたことはない、というくらいに雑な出発だった。なぜか行けばどうにかなるという感じがしていた。
 
絶滅危惧種と言われる動物はそう簡単には姿を見せないから、いつもは探す場所を十分にリサーチしてから出かける。そうしないと1週間探し回っても、何も撮れないということもあるからだ。
 
だが、アマミノクロウサギはそうじゃない感じがしていた。
奄美大島に旅行した人の多くが、ナイトツアーでクロウサギを撮影してネットに上げていたからだ。
 
目星を付けた林道の入り口に着くと「アマミノクロウサギ」の注意看板があった。ここで間違いないと確信したが、発見するまではドキドキだった。
交通量が少ない狭い荒れた砂利道のほうがいそうだと思って探していたら、予想どおりいた!
 
それもいきなり、ポロッという感じでコーナーの内側、いわゆるクリッピングポイントでじーっとしていたのだ。だから気づくのに遅れてひきそうになり、あわてて切り込んでいたステアリングを戻した。
 
カメラを窓から出そうとバタバタしていると、アッという間にやぶの中に逃げ込んでしまった。
 

世界でも珍しい温泉に浸かる野生ザルを激写!「三好秀昌のニッポン探訪・取材ウラ話 第14回~ニホンザル」

 
それからはなかなか見つからず、なかなか厳しい撮影環境だな~と思いながら、林道でも舗装された広い2車線のほうに戻った。
すると1kmおきにポロポロと道の上にいるのだった。
 

●知らなければこの黒い塊がウサギだとは思わない。こんな感じで道にいるので驚く
 
人気の少ないところを探すという予想は、じつはハズレだったのだ。
彼らは道にウンコをするために出てくる。
一番無防備なときに捕食者に襲われづらいように360度視界がある広いところ、すなわち道をトイレにするのだそうだ。
そんな理由を知って路面を見ると、確かに見晴らしがいい直線はウンコだらけだった。
 
しかし、見かけるがなかなかちゃんと撮影できない。クルマが止まってもすぐには逃げないが、室内で人影が動くと逃げてしまうのだ。
そこで作戦変更。一番ウンコがあるところで張り込んだ。そのうちトイレに出てくるだろう、と。
 
直線の終わりにパジェロミニを止め、彼らが出てくるのを待つ。待つ。ひたすら待つ。
諦めた(笑)。
考えてみれば、人の気配があるところで一番無防備という状態になるわけない。
やはりクルマで流して、出会い頭の発見で撮影しよう。
 
平均すると1時間に1匹ぐらいは見かけるのだが、すぐに逃げてしまい、まともな写真は全然撮れない。
自分でハードルを上げて自分の首を絞めているようなものだが、オイラが望んでいるのはクルマの中からではなく、クロウサギと同じ目線までカメラアングルを下げた写真なのだ。
 
そして、あまりにうまくいかず嫌気がさし、やや雑に探しているときに道の脇にいるのを見落として通りすぎた。急ブレーキで雑にクルマを止めたのだが、クロウサギは逃げない。
オイラがカメラを持って影になっているほうのドアから出ても逃げない。気づいていないはずはないのだが……。
 
初めてまともに写真が撮れた!!
そこで、オイラは感じるものがあったので試してみた。
彼らがいてもそーっと通り過ぎてからクルマを止める。そして、一呼吸おいてからクルマから出て撮影。
これが7割ぐらいの確率で当たった! クロウサギたちはクルマのようなスピードで通りすぎてしまったものにあまり関心を示さない。その油断した隙こそチャンスだったのだ。
この感じで落ちつくと、横のやぶに逃げるのではなく、のんびりと草を食べながら移動していくのも撮影できた。
 
不思議なのだが、この状態になるとウサギがオイラの存在をほとんど意識しないで行動している感じで、こっちが少しぐらい動いても逃げないのだ。
 

 
アマミノクロウサギのいろいろな姿を撮影できた。
絶滅危惧種というわりにずいぶんたくさん見かける。保護環境がよくなって増えているのだろうか?
 
道に出てくるという習性のせいで、クルマにひかれてしまう個体も多いと聞く。林道ならまだしも、交通量とスピードレンジが高い国道にも出てくるから困りものだ。
 
野生動物のロードキル問題は簡単には解決が付かないが、生息地域のなかを走っているという情報の周知だけではなく、アマミノクロウサギでいえば、開けた道へ出てきてじっとしている習性までもドライバーに伝えることが重要なのだろう。
ウサギに「横断注意」って言ったって言葉理解しないからな~。人間が忖度(そんたく)してやらないと(笑)。
 

●最初に見たとき、クロウサギに見えなくて正直怖かった。真っ暗な山の中で見たら、どー見てもこれって悪魔君でしょ!
 
 
「撮影裏話&テクニック」
 

 
ピントを合わせるポイントを即断即決
 
そうそう被写体には近づけないだろうとレンズは70-200mmではなく100-400mmをチョイス。自分的にはだいぶ接近できたと思って写真データを見ると、ほとんどが400 mmあたりで撮影している。この写真も400mmで少しトリミングをしているのでレンズチョイスは正解だった。絞りも5.6と開放なのでフラッシュの光も届いているが、被写界深度は浅いので、ピントを合わせるポイントをどこにするか即断即決が悩ましかった。
 

 
[撮影データ]
機材:SONY α9
レンズ:FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
撮影モード:マニュアル
シャッタースピード:1/200秒
絞り:F5.6
ISO:800
※フラッシュ同調

 
「今回のSUV……三菱 パジェロミニ」
懐かしく楽しい思い出のクルマは動物観察にピッタリ!
 

 
ダート林道対応でパジェロミニを指名借り!
引き取りの際、レンタカー屋さんに「島ではネズミ取りとかやってます?」と聞いてみた。すると、「めったにないですよ。このクルマは大丈夫ですよ」と謎めいた答えが返ってきた。
その理由は走り始めてすぐわかった。
スピードが出ないのだ(笑)。
 
まずATの調子が悪くなかなかシフトアップしないから、エンジンがうなるだけでスピードが上がらない。何かの拍子にシフトアップしても、とにかくパワーがないから50km/hがやっと。下りならもう少しなんとかなるが、アクセル踏むだけ疲れるからやめた。
途中でボンネットを開けて「ターボが付いてないのかな?」と確認したぐらい。それほどお疲れさんのエンジン。
 

●昔はやった大きなドアバイザーは雨が多い場所での動物観察にはすごく便利だった。再発見!
 
この遅さならアマミノクロウサギとのトラブルも起きにくいはずなので、これはこれでよしだ。
とはいえ、三菱パジェロ、パジェロジュニア、パジェロミニとパジェロファミリーが隆盛を誇ったころに、オイラもパジェロミニでロシアンラリーというひっちゃかめっちゃかのラリーという名のドライブでロシア沿海州に行ったのを思い出した。懐かしく楽しい。
 
古いとはいえ乗用車的な内装と乗り心地の片りんは残っていた。林道などの不整地での乗り心地のよさは健在だった。
 
雨がちなこの島のダート林道では大径タイヤと4WDは心強い。4WDシステムは今でもしっかりしていて、わざわざ借りた価値は十分にあった気がする。
見知らぬ泥道では4WDに勝る安心はないのである。
 
 
 
■主要諸元
三菱 パジェロミニ VR
(4速AT/4WD)
全長×全幅×全高:3395mm×1475mm×1635mm
ホイールベース:2280mm
最低地上高:195mm
車両重量:980kg
パワーユニット:直4OHCターボ
総排気量:659cc
最高出力:47kW(64ps)/6000rpm
最大トルク:88Nm(9.0kgm)/4000rpm
燃料/タンク容量:レギュラー/43L
10・15モード燃費:14.4km/L
タイヤサイズ:175/80R15
価格:139万8000円(2002年発売当時価格)
 

「地元グルメ」
鶏飯(けいはん)
 

 
鶏飯は奄美大島で出される代表的な郷土料理。
お店によって乗せる具の種類は多少違うが、基本は白飯の上にほぐした鶏肉と錦糸卵、漬物や薬味などを自分好みに散らし、鳥スープをかけて食べるお茶漬け的な食べ物。
 
ボリュームもあるし、食べやすくおいしい。
ただ複雑なものではないので、家で時間がないときにチャッチャと食べるようなものだな~という気もした。
だからお土産にお湯をかけるだけで完成のフリーズドライの鶏飯を買ってしまったが、やはり店で食べるほうがおいしい!
 

●奄美大島の中心地「名瀬(なぜ)」 
 

〈文と写真〉
三好秀昌 Hideaki Miyoshi
●東京都生まれ、日本大学芸術学部写真学科卒業。八重洲出版のカメラマンだったが、ラリーで頭角を現し、そのうち試乗記なども執筆することに。1995年、96年にはサファリラリー グループNで2年連続優勝。そのほか、国内外で数多くのラリーに参戦。写真家としては、ケニアでの豹の撮影など、動物をおもな題材としている

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