FIAは先日、アンドレッティ・フォーミュラ・レーシングによるF1新規参戦の申請を承認。早ければ2025年にも11チーム目がグリッドに並ぶ可能性が高まった一方で、F1や既存チームからの反発も根強く、事態が拗れて裁判沙汰となる可能性も否定できない。
しかしFIAのモハメド・ベン・スレイエム会長は、元F1ドライバーのマイケル・アンドレッティ率いるこのアメリカンチームが問題なくF1グリッドに並ぶことができると楽観視している。
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FIAからの承認を得たアンドレッティは今後、F1のビジネス面を司るフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)と商業権の交渉を行なうこととなるが、FOMや既存チームは、グリッドの拡大を認めるのは新チームがシリーズに新たな利益をもたらす場合のみと明言しており、アンドレッティが両手を広げて迎え入れられるという状況とは程遠い。
FOMがすんなりとアンドレッティを受け入れることに消極的であることもあり、仮にFOMがアンドレッティの参戦を拒んだ場合、欧州委員会競争総局を巻き込んだ法廷闘争へと発展する可能性もあると言われている。
しかし、ベン・スレイエム会長はこの件が裁判沙汰と化す可能性を否定し、アンドレッティがFOMから承認されることを「非常に楽観視」していると示唆した。
「我々は法廷に出る必要はないし、誰もそうする必要はないと思う」
motorsport.comを含む一部メディアに対して、ベン・スレイエム会長はアンドレッティの状況についてそう説明した。
「メディアのみんなにとってはエキサイティングでスリリングな話に聞こえるかもしれないが、裁判沙汰になることはないよ。それは確かだ。なぜ裁判を起こす必要があるのかね?」
FIAとFOMはアンドレッティのF1新規参戦を巡り意見が合わず、そりが合わないようにも見える。しかしベン・スレイエム会長は、事態が進展しない限り、大きな溝が生まれることはないと考えている。
それどころか、彼は事務的な形で処理されるだろうと強調している。
「(FIAとFOMの)蜜月関係? 以前言ったが、もう一度言う。バチカンの法皇は100回結婚して100回離婚できる。しかし我々は離婚しないのだ」とベン・スレイエム会長は言う。
「そう、明日にはオーナーが変わるかもしれないし、(現オーナーの)リバティ・メディアが売却するかもしれない。しかしそれでFIAとリバティで裁判になるか? 我々はそれを許さないし、議論にすらならない」
「私にとっては、電話を取って物事を処理するだけだ。こういう小さなことが、このスポーツをより良くする一環なんだ」
F1にとってのメリット
ベン・スレイエム会長はFOMがアンドレッティを受け入れる明確な根拠があると考えており、彼はFIAからの承認が発表された日にリバティ・メディアの株価が上昇したことや、アンドレッティがパートナーを組むゼネラル・モーターズ(GM)を断ることが難しい点を指摘した。
アンドレッティの参戦に楽観的な理由を尋ねられたベン・スレイエム会長は次のように答えた。
「ここには色々な側面がある」
「まず、リバティはアメリカの会社であり、彼らがもう1チーム増やしたいと言っている(記事を)読んだ」
「そして株価を見ると、我々が発表した時には下がるどころか上がっていた。それは彼らにとって良いことだ」
「そして3つ目は、アメリカの自動車メーカーにノーと言うことだ。それはかなり難しいことで、逆に(GMの参戦は)ビジネスにとって良いことだ」
受け入れ体制がないと言うのは“言い訳”?
FOMや既存チームがアンドレッティ受け入れにおいて指摘する要因のひとつに、11チーム目の受け入れ体制が整っていないサーキットがあるというモノがある。しかしベン・スレイエム会長は、これが申請を却下する理由にはならないと強調した。
現在のF1カレンダーに載るサーキットのうち、追加チームを容易に収容できるガレージやパドック施設を持つサーキットは半分以下であることは理解されているが、ベン・スレイエム会長によると、サーキットのF1開催契約では12チームを収容できるだけの広さがあることが定められているという。
そして現在シリーズ側は、F1を題材にしたブラッド・ピット主演の新作ハリウッド映画の撮影に協力しており、作品中に登場する架空チーム“APX GP”のためにガレージとパドックスペースをいくつかのサーキットで確保している。ベン・スレイエム会長はこの点を指摘し、11チーム目の追加がいかに容易であるかを強調した。
「ハリウッドのチームをもうひとつ持つ余裕はあるのだ」と彼は言う。
「契約は非常に明確だ。我々はハリウッドのために11チーム目を走らせており、彼らとの契約が終了すれば、その時点で空きができる」
「ほとんどの契約は非常に明確で、12チーム分のスペースがあることが保証されている。そう契約に書かれているんだ」
「それはプロモーターとサーキットの責任で、我々の責任じゃない。我々は干渉しないが、それがルールだ。ルールは我々だけでなく、あらゆる場所で履行されている。全ての関係者によってね」
アンドレッティがFOMと商業契約を結ばずにF1へ参戦する可能性を示唆する声もあるが、論理的に考えて配当金なしでグランプリに参戦することは不可能だと考えられる。
情報筋によると、FOM、FIA、チームによって結ばれている2021年から2025年までのコンコルド協定には、新規チームはF1参戦前に商業契約を結ぶ必要があるという条項が含まれているのだ。
FOMの承認なしにアンドレッティが参戦するというのは非現実的な話で、サーキットに入るためのパスはFOMが発行するモノ。基本的なロジスティクスの問題をクリアすることは不可能だ。
ベン・スレイエム会長は、現在の状況がチームのパスを巡る争いにまで発展することはないと明言した。
「そんなことをするほど、我々はチープじゃないと思う。『君たちにパスは出さない』などとチームを否定することはあってはならないことだと思う。そうなれば我々はなんて幼稚なんだろうか」
「我々はF1というモータースポーツの頂点にいる。モータースポーツを維持するために、自動車メーカーのバックアップを受けるビッグチームに手を貸すべきなんだ」
「だが、(既存)チームの気持ちも理解している。彼らにはそれ(アンドレッティの参戦を認める決定)に関して何の力もない。彼らにとってはお金の問題だからね。ここで駆け引きするのはやめよう。お金次第なんだから」
アンドレッティの新加入がFOMに与える影響について、FIAが分析を完了するのは来年になる可能性がある。アンドレッティが2025年からF1のグリッドに並ぶには遅すぎるタイミングだが、ベン・スレイエム会長は最終的な決定を急がないとしている。
「FOMには時間がたっぷりある」と彼は言う。
「私は彼らを急かしたり、やるべきことを指示したりする立場ではない。彼らのやること全てに敬意を払っている」
「彼らのやっていることには決して干渉しない。それと同時に、我々に管轄されるのも好きじゃない。だから、これはアンドレッティとFOMの問題だ」
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みんなのコメント
この先10年ぐらいのランキングや入賞ポイントにより分配される
分配金の放棄や、輸送にかかる費用を全部自腹で負うとかぐらいの
思い切った譲歩が必要だろうねぇ