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【第44回JAIA輸入車試乗会】ワイルドターキーをガブ飲みしたのは過去 オフローダーのアイコン「ジープ ラングラー アンリミテッド ルビコン」

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【第44回JAIA輸入車試乗会】ワイルドターキーをガブ飲みしたのは過去 オフローダーのアイコン「ジープ ラングラー アンリミテッド ルビコン」

街で実によく見る印象のジープ ラングラー。実はJAIA試乗会で今回楽しみにしていた一台ではあったのだが、乗ってみたら印象がずいぶん違った、というおハナシ。

今回楽しみにしていた「ルビコン」に近づきドアを開けた瞬間、ウイーンという音とともに電動ステップが出てきた時は本当に驚いた。この手の電動ステップは数年前にレンジローバーで初遭遇して以来、キャディラック エスカレードなどでも体験したことがあったし、電動ステップそのものに驚いたわけでは決してない。ジープ ラングラーの、それも硬派なルビコンに電動ステップが、標準装備ではなく追加装備ながらも装備されている、というあまりの意表を突いた部分に驚いたのであった。

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標準ではないがルビコンに電動ステップとは! 今年のJAIAで一番びっくりした部分である。昨今、日本においてラングラーは大人気で、販売台数ではアメリカ、カナダ(例の25%の関税がかかってしまったらどうなるのだろう)、中国に続き、4番目の売れ行きを記録しているのだという。ステランティスの中でももちろん重要な存在であり、毎年限定車が追加されたり、装備などもたびたびアップデートされたりすることが多い。

そんな中でもルビコンといえば本来硬派なモデルとして知られているし、あえてルビコンを選ぶというのは過剰なまでの性能と、若干の使いにくさを理解した上で選ぶグレード、都会では過剰なスペックの、お洒落はやせ我慢的な存在であったはずだ。そんな車なのに電動ステップとは!と驚いたまま全長4,870mm、全幅1,930mm、車重2.1トンの決して小さくない車内に入ると、そこは凝りに凝ったディテールの洪水だった。ジープの絵柄が描かれた野球バットほどの太さがある大きなオートマチックトランスミッションのセレクター、高低差の地図模様のフロアマット、あえて鉄ではなく丈夫そうな繊維が用いられたドアストッパー、耐久性を重視したコーニング社のゴリラガラス・・・。もういたるところにディテールが満ち溢れ、機能一辺倒のクルマでは決してない。

極太のオートマチックトランスミッションセレクターに描かれたジープの絵。その向こうの赤いスイッチがデフロックスイッチである。メディアと書かれた中にはUSBの差込口。しっかりとシガライターが装備されていることに注目して欲しい。シガライターが装備されている自動車は実に久しぶりだ!!

ドアに貼られたプラークのデザインも凝りまくり。ひたすら大きく誇らしげなUSAの文字とアメリカ国旗、シカゴ・生まれ(と地図)のロゴなどドナルド・トランプもニッコリだろう。

ドアストッパーが布であることに注意。こんな部分の演出にもぬかりはない。ドアに貼られたプラークがアメリカを主張する。そんなディテールの中でも目立つ一等地に置かれた、デフロックスイッチと、その横のフロントスウェイパーディスコネクトスイッチは、ミサイル発射装置かと突っ込みを入れたくなるほどのディテールと赤い着色がなされている。だがルビコンのルビコンたるゆえんはまさにこの部分なのだから、大げさともいえるほどの主張の強さに異議を唱える気持ちは一切ない。だがこの部分には一度も触れないオーナーがほとんどであることも事実ではある。

そんなディテールをチェックした後、妙に静かに回っているエンジンに感心しつつ走り始めた瞬間、滑らかで軽やかといってもよい感覚にちょっと戸惑いを覚えた。私の知っているJEEPというのはもっとワイルドでやや重々しく、なんだか曲がらなくって乗ることにやや慣れを要する乗り物、そんな記憶が頭の中にあったせいか、この軽い感じは予想外の出来事と言って良い。

特に2リッター4気筒DOHCターボエンジン(272PS & 400Nm)と8段ATの醸し出す、なんとも軽やかな感覚は、本当にこれはルビコンなのだろうか、といぶかし気に思えたほどである。255/75/R17 サイズのBFグッドリッチ マッドテレインのタイヤを履いているせいか、さすがに転がり感やコーナリング時に独特で癖のある感覚にはなるものの、決して曲がらないとか、運転に技術を要するというレベルではもちろんない。

デジタルではなくちゃんと針のメーター!針自体はやや安っぽいがそういう部分を指摘する車では本来ない。西湘バイパスの走行でも、当日はものすごい横風が吹き荒れていたもののまっすぐ走らない、とかちょろちょろした動きなどは皆無で十分以上に許容範囲だし、普通のモデルではなく硬派なルビコンだからとエクスキューズする必要など皆無である。だからこそ、期待していたあの骨太で腕っぷしの太い感じがあまりないことに寂しさを覚えたことも事実であった。

シートの形状はアメリカ車らしく快適なもの。ルビコンと大きく書かれた刺繍も標準装備。これなら都会に住む人が、ちょっと他の人と違うアウトドアアイテムを買うノリで購入しても困ることなどないだろう……売れるわけだ。そんなことを思いながら価格表を見ると889万円の車両価格にオプションが足され、ざっと930万円であった。なんだかんだで、1,000万円カーである。ついこの前まで500万円くらいだった記憶があるのに、今やジープも1,000万円の時代なのかという事実に、やはり少し戸惑いを隠せない。そしてこの軽やかといってもよい乗り味とワイルド感満載の見た目のギャップにも、やや違和感を覚えながら車を降りる。

カーゴルームは十分以上に広いが、内張の質感などは「それなり」。時代が変わればラングラーもルビコンも変わるものなのだなぁ、その理由がステランティスグループになったからかどうかは分からないけれどもとにかく「男らしさ」のようなものを誇示し、ひけらかす時代でないことは言うまでもない。

数年前に廃止されたアンテナがついていた部分には、丸いバッチが貼られるようになった。ドアヒンジももちろん演出だが丈夫そうに見える。だがそれでもコレステロール値を妙に気にするテンガロンハットのカウボーイ(風)男性よりも、カロリーがなんだ!脂肪だとう?そんなセリフを吐き捨てながら焚火で丸焼きの肉をほうばる猛者、そんな姿の方にわんぱくでもなく、貧弱な坊やである僕は、つい惹かれてしまうのだけれど。

Text: 大林晃平Photo: AUTO BILD JAPAN

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