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えっ、自撮り用ドローン搭載!? ポールスターが提案する次世代クーペEV「O2」とは何者か!!

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えっ、自撮り用ドローン搭載!? ポールスターが提案する次世代クーペEV「O2」とは何者か!!

 2022年3月2日、ボルボカーズ傘下のポールスターは、バッテリーEVのコンセプトカー「ポールスターO2」を欧州にて発表した。このポールスターO2は、ポールスターの次世代クーペBEVコンセプトカー「プリセプト」のオープン仕様となる。

 ポールスターらしいラグジュアリーなインテリアと、スタイリッシュなエクステリアデザインに目が行くが、リアには走行中の写真や動画を撮影できる自律型ドローンを搭載するなど、遊び心も備えているようだ。

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 ポールスターO2についてご紹介するとともに、ポールスターが目指すバッテリーEVの未来について考察しよう。

文/吉川賢一
写真/Polestar

■スタイリッシュなオープンスポーツBEV

 現在のポールスターは、ボルボカーズと中国の吉利グループが出資している電気自動車メーカーだ。代表的な車種は、2ドアクーペタイプのプラグインハイブリッド「ポールスター1」、2021年12月より発売開始となったバッテリーEVの4ドアセダン「ポールスター2」、そして、近く発表予定のBEVのSUV「ポールスター3」などだ。

 今回の「ポールスターO2」だが、エクステリアデザインは、ポールスターが2020年に発表したコンセプトカー「プリセプト(Precept)」を進化させたものにあたる。

 2+2シーター、ロングホイールベース&ショートオーバーハング、ワンド&ローボディ、大径タイヤなど、ラグジュアリーでクラシカルな後輪駆動車のスタイリングを持ちながらも、優れた空力性能のためのディテールが与えられている。

 また、イギリスにあるポールスターR&Dチームによって開発された「アルミニウム接着技術」を適用した新プラットフォームを使用しており、超高剛性かつ超軽量を両立しているという。

 これによって、小さなロールアングルと高いロールダンピングにより、俊敏でダイレクトなスタリングフィールを実現しているという。この技術は、2024年デビューを目標としている新型電動4ドアGT「ポールスター5」でも実際に採用される予定だ。

ラグジュアリーでクラシカルな後輪駆動車のスタイリングを持ちながらも、優れた空力性能のためのディテールが与えられている

「アルミニウム接着技術」を適用した新プラットフォームを使用しており、超高剛性かつ超軽量を両立

■ポールスターが提案する持続可能なスポーツカー

今回のO2でポールスターが強調しているのが、ボディに用いたアルミニウム素材のリサイクルだ。O2では、「スリリングなドライビング」のために、シャーシ全体にさまざまなグレードのアルミニウムを使用しているが、アルミニウムのパーツごとにアルミニウム原料の含有量に応じたラベリングを行っている。

 そうすることで、高品質のアルミニウム素材は高品質のまま、ほかのグレードのアルミニウム素材はそれぞれ管理してリサイクルすることで、材料効率が向上し、結果として、アルミニウム原料の使用が減少するという。

 また、内装に使われる素材にも工夫されている。ポールスターによると、内装には「熱可塑性モノマテリアル」という新素材を広く用いており、複数の部品の素材を同一材料とすることで、リサイクルが容易にできるそうだ。また重量軽減と、プラスチック系廃棄物を削減することもできるという。

 つまり、パフォーマンスの高さと内外装のラグジュアリーさとをアピールするような、従来よくある高級スポーツカーとは違い、ダイナミクスやラグジュアリーは高めつつ、「持続可能なモビリティ」を目指しているというのが、ポールスターが狙う未来のようだ。

■撮影用ドローンは、完全自立型で手間いらず

 冒頭に紹介した車載の撮影用ドローンだが、これは若干、後付けした様子が見てとれる。車両後方に備えた撮影用ドローンは、吉利グループの子会社の家電ブランド「HocoFlow」のもの。O2が走行中している最中に稼働でき、撮影シーケンスを完ぺきにこなすことができるという。

 ドローンは、後部座席の後ろ側に自動格納される。クルマが移動している時には、リアの可変ウイングで負圧のゾーンを創り出し、ドローンが容易に離陸できるようにする。ドローンは最大90 km/hの速度でクルマを自動追尾し、撮影を行う。ドライバーは、どういった撮影シーケンスにするかを選ぶだけ。あとはドローン側が勝手に撮影し、自律的にクルマへ戻るという。

 トンネルがあったらどうなるのか、スピードを出し過ぎてロストしたらどうなるのか、など心配してしまうのは余計なお世話だろうが、漫画「MFゴースト」のなかでも、自律型ドローンがレース中の車両に追従して動画撮影するシーンがあり、中国のドローン技術は、もはやこの「夢」を実現可能な領域にまで来ているということだろう。

車両後方に備えた撮影用ドローンはO2が走行中している最中に稼働でき、撮影シーケンスを完ぺきにこなすことができるという

■従来の自動車メーカーでは思いつかない、自由な発想

 新たなチャレンジとして、車体後方に自律型ドローンを仕込んできた、ポールスターO2。

 バッテリーEVとなれば、これまでのガソリン車では出来なかったインホイールモーター技術なども使えないわけではなく、例えば、目的地に着いた後は、タイヤ一輪が外れてそのまま1輪車のモビリティになる、といったことも不可能ではなくなる。

 やるやらないは別として、こうした自由な発想は大いに価値があり、将来的にも求められるものだが、こうした自由な発想は、クルマだけを扱ってきた従来の自動車メーカーでは、なかなか思いつかないところだろう。

 2ドアクーペのポールスター1は英国価格で139,000ポンド(約2167万円)~、BEVセダンであるポールスター2は40,900ポンド(約638万円)~、ただし駆動用バッテリー容量を上げると価格はアップする。

 仮にコンセプトカー「O2」が販売されるとすれば、1000万円オーバーは確実で、高額な2ドアオープンスポーツとなる。対象とする顧客はどこにいるのか、価格設定はどうするのかなど、まだまだ未知。続報が楽しみだ。

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