アッソ・シリーズの3番目
ジョルジェット・ジウジアーロ氏が『オートモビルカウンシル2025』へ来日したことを記念し展示された、『いすゞアッソ・デ・フィオーリ』。前編では企画経緯について書かせて頂いたので、後編はアイディアスケッチから実車、そしてピアッツァまでの流れについてまとめた。なお、この文章はいすゞ広報からのコメントなどをもとに、筆者が補完して作成したものとなる。
【画像】貴重!いすゞから提供された当時のアッソ・デ・フィオーリ 全40枚
ジウジアーロ氏から送られてきた最初のアイディアレンダリングは、どういうものだったのか。前編でも引用したいすゞ広報から文章で情報を提供していただいた、『宣伝会議別冊』1982年12月号の『いすゞ自動車「ピアッツァ」のスタイルがいすゞデザインの証』によれば、『当時ジウジアーロが主題としていた一連の「アッソ・シリーズ」のスケッチ』だったという。
アッソ・シリーズは、優れた空力と快適な居住性と実用性を備えスタイリッシュなボディを持つというコンセプトをもとに、1973年フランクフルト・ショーに登場した『アウディ80』がベースの『アッソ・デ・ピッケ』(スペードのエースを意味)、1976年トリノ・ショーに登場した『BMW 320』がベースの『アッソ・デ・クワドリ』(ダイヤのエース)、そして『アッソ・デ・フィオーリ』(クラブのエース)と続き、いずれも鋭いウエッジシェイプとフラッシュサーフェースのボディスタイルを持っていた。
『決定は1978年10月だった』
『宣伝会議別冊』1982年12月号の引用を続けると、『それに当時のいすゞデザインのデザインフィロソフィ「カプセルシェイプ」を加えたものが(筆者追記:アッソ・デ・フィオーリの)最終レンダリングとなります。決定は1978年10月です』とある。
そして1979年1月にランニングプロトタイプ製作を開始。アルド・マントヴァーニ氏率いる技術チームが、当時のカロッツェリア独特の製法、木型を組んでそれに合わせてスチールパネルをたたきながら造形を整えていく手法により、何とか3月のジュネーブ・ショーに間に合わせた。
イタルデザイン・ブースに展示されたアッソ・デ・フィオーリには、いすゞの名前も併記されていた。その会場での評価はとても高く、関係者の「大幅な変更なく生産化は可能」というコメントから、市販化に大きな期待が持たれたという。さらにいすゞ社内での評価も高かったのは、ほぼそのままの形でピアッツァとして量産化されたことからもわかるだろう。
また、1979年5月に行われた『イタリア・ローマ・ペガソ・アウォード』を受賞したのも、生産化に向けた後押しにもなった。ちなみに同賞は、1966年に117クーペも受賞している。
ISUZU Xになって
そしてアッソ・デ・フィオーリは『ISUZU X』と名を変え、1979年の第23回東京モーターショーに出品されたが、実はアッソ・デ・フィオーリとは仕様が若干異なる点があった。例えばステアリングホールが2本から3本スポークへ、エンブレムが竜から当時のいすゞマークになり、また、アルミホイールのデザインも若干変更されている。
インテリアはジュネーブ・ショー時点では可動しなかったようだが、その後、生産化に向けてできる限り、そのデザインやレイアウトを生かしながら開発が進められた。市販時にサテライトスイッチと呼ばれるメータークラスターは、ジウジアーロ氏のアドバイスを受けながらいすゞでまとめ上げたものである。
ジウジアーロ氏の思いを受けながら、ピアッツァはたった2年で開発、市販された。世界初のメモリー式チルトステアリングをはじめ、クイックアジャスト機構付きの無段階調整式マルチコントロールシート、セミリトラクタブルヘッドランプ、デジタルメーター、サテライトスイッチなど先進的な機能が数多く装備された。
搭載されたエンジンはG200型2リッター直列4気筒DOHCエンジンで、135psを発揮。ちなみにフェンダーミラーもジウジアーロ氏のデザインであるという。
残念ながら実際の販売台数は伸び悩んだようだが、イメージリーダーカーとしていすゞに大きな影響を及ぼしたピアッツァ。そのベースとなった『アッソ・デ・フィオーリ』を復刻し、こうしてその状態を維持していることに敬意を表したい。
(終わり)
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