フォード製ケントエンジン搭載! パイプフレームで挑むソロキャンプ
屋根もドアもない2シーターに、寝袋とテントを積んでキャンプ場へ向かう。オーナーが17年間乗り続ける1994年式のバーキン「7(セブン)」には、荷室と呼べる場所がない。それでも積み方の工夫を重ね、愛車の隣で眠れる安心感を手に入れた。積載も含めて楽しむという、割り切りとこだわりが同居した1台を取材した。
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小学4年で出会ったドアも屋根もないクルマ。35歳で手に入れた1994年式バーキン7
購入は35歳のとき。それまで乗っていたのは国産のATモデルで、このバーキン 7が初めてのMT車だった。キャンプ場で息子さんと過ごしていたオーナーの岩本 竜典さんに、その出会いを聞いた。
「僕が小学校4年生ぐらいのときだと思うんですけど、父親が通っている趣味人の集まるサロンみたいな喫茶店があって、そこに連れて行かれたときに、ドアも屋根もない珍しいクルマが置いてあったんです。そのクルマに乗せてくれたんですよ。そのときは何だか分からなかったんですけど、中学3年のときに街中でセブンを見かけて、”あ、あのクルマはこれだったのか”と思って。そのときからずっとこれが欲しくて」
それから20年ほど経ち、中古車情報サイトで探すと17、18台ほどが掲載されていた。そのなかから選んだのが、この個体である。
「最初に乗ったときは、もう衝撃でしたね。排気ガスは臭いし、音はうるさいし、狭くて身動きできないし、狭いし、サスペンションは硬いし。でも1回これに乗っちゃうと、ほかのクルマは物足りないっていうか」
南アフリカ生まれのバーキン7とは。パイプフレームにフォード製ケントエンジンを搭載
バーキン7の素性にも触れておきたい。バーキン・カーズは南アフリカに拠点を構えるメーカーで、ロータス「セヴン」の愛好家だったジョン・ワトソンが1982年に設立した。ワトソンはル・マン24時間レースを制したレーシングドライバー、ヘンリー”ティム”バーキンの血を引く人物である。完成したモデルは1983年の南アフリカグランプリで公開され、最初の出荷分はロータスのディーラーを通じて販売された。
車体はロータス セヴンのシリーズ3を下敷きにした2シーターオープンで、本家同様にパイプフレームで構成される。エンジンは4気筒という点が共通で、フォードやトヨタなど複数の選択肢が用意されてきた。販売形態は完成車とキットカーの2種類。日本に入ってきたものは基本的に完成車、もしくは他国で組み立てられた個体となる。岩本さんの1台はフォードのケントエンジンを積む。
購入から17年。トラブルや部品供給について尋ねると、答えは意外なほど軽やかだった。
「バーキンはフレームの溶接があんまり良くないんですよ。ハイグリップタイヤを履かせるとフレームが負けて、折れちゃったりするんです。なので、あえて限界の低いエコタイヤにしてます。ブレーキまわりがフォルクスワーゲンだったり、デフのあたりにトヨタ86のパーツが使ってあったりで、流用が可能なんですよ。エンジンも50年ぐらいずっと作り続けられているので、アフターパーツがいっぱいあって困らないです、全然」
サーキットも走るバーキン7でソロキャンプへ。愛車の隣にテントを張る理由
バーキン7でサーキットも走ってきた岩本さんが、正反対に見えるキャンプへ出かけるようになった理由は、盗難や車上荒らしへの不安だった。
「セブンで泊まりに出かけたことがずっとなくて。ホテルに泊まって駐車場に置いておくのも不安だし、コインパーキングに一晩置いておくのも不安なんで。けど泊まりで出かけたいなと思ったときに、”オートキャンプだったらクルマの隣にテントを張って一緒に寝られるし、安心だな”と思って。それでソロキャンプで始めた感じですね。あとはキャンプ場でお酒を飲みながら、眺めていたいっていう」
積載スペースを持たないクルマだけに、道具選びと積み方そのものが遊びになっている。
「荷物を積むところがないんで、いかに軽くて小さいキャンプギアを選ぶかとか、そのあたりも込みで楽しくて。キャリアは重いと折れちゃうんで、トランクに荷物を入れてロールバーに引っ掛けて、ラチェットベルトでガチガチに止めるやり方で積んで。リアのナンバーステーのキャリアみたいなところには、寝袋とか軽くてかさばるものを積んでます。1人のときは助手席を外すと10cm分ぐらいはスペースができるので、サイドシェルのところにフックを引っ掛けて、そこにぶら下げたりとか」
ホイールはヨコハマ・アルメックス。夏の足元50度対策に空調用ダクトを流用
車両の変更点は多くない。ホイールをヨコハマ・アルメックスに交換し、ボディを加工してサイドダクトを追加した。夏場は足元が50度近くまで上がるため、空調用のダクトを流用して外気を送り込む仕組みにしている。効果は絶大とのことで、冬場は逆に寒くなるので塞いでいるそうだ。
フロントのサイクルフェンダー部分にはマッドフラップも備わる。水の跳ね上げを抑えるほか、サイクルフェンダーで起こりがちな飛び石の被害を減らすことにも役立っている。室内はモニターが追加されている以外、ほぼオリジナルの状態を保つ。
小学4年生で助手席に乗せてもらった記憶を、35歳で自分のものにする。岩本さんにとってのバーキン7は、速さを競う道具であると同時に、息子さんと火を囲むための足でもある。荷物が積めないという弱点さえ、道具選びの楽しみに変えてしまうところに、17年という時間の重さがにじんでいる。
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誰向けにやってんだ?嘘書くなよ。