現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > クルマの「カタログ燃費」と「実燃費」なぜ違う! 一体どんな「計測方法」をしてるの!? 実は“ちょっとした工夫”で「約10%」の燃費改善も!

ここから本文です

クルマの「カタログ燃費」と「実燃費」なぜ違う! 一体どんな「計測方法」をしてるの!? 実は“ちょっとした工夫”で「約10%」の燃費改善も!

掲載 37
クルマの「カタログ燃費」と「実燃費」なぜ違う! 一体どんな「計測方法」をしてるの!? 実は“ちょっとした工夫”で「約10%」の燃費改善も!

■クルマの「カタログ燃費」と「実燃費」なぜ違う!

 クルマに乗っていて、カタログに記載されている燃費と実際に走行した際の燃費にギャップがあると感じる人も多いかもしれません。

【画像】「えっ…!」 これが「押すだけで燃費が良くなるボタン」です!(21枚)

 カタログ燃費と実燃費に違いが生じてしまうのは一体なぜなのでしょうか。

 そもそもカタログ燃費は、国土交通省が告示したWLTCモード試験に基づいて測定されます。

 同告示によれば、「市街地」「郊外」「高速」の三つの速度領域を組み合わせ、これらの走行パターンを約30分間シャシダイナモメータ上で再現します。

 平均速度は、市街地が17km/h、郊外が39km/h、高速が62km/hで、エアコンやオーディオは使用せず、車両には荷物を積みません。

 さらに風洞法で個体ごとの走行抵抗を測定し、試験装置の負荷を補正します。

 このようにカタログに記載されている燃費は理想条件で算出されており、雨風や交通状況が加わる日常のドライブとは切り離された上限値にとどまります。

 そのため、カタログ燃費と実燃費ではドライバーの運転方法や外部環境によって差が生じてしまうのです。

※ ※ ※

 この開きについて、一般社団法人日本自動車工業会(以下JAMAと記載)の担当者は次のように話します。

「WLTCモードの市街地、郊外、高速の各モードで想定されている平均速度と、実走行の平均車速のずれや加減速の度合いが大きくなるほど、実燃費との差が大きくなると言えます」

 つまり、速度変動がカタログ燃費と実燃費を隔てる最大の要因と言えます。

 また速度変動による燃費への影響について、前出の担当者は次のように話します。

「実走行で平均車速が落ちる分かりやすい例として、渋滞が挙げられます。

 渋滞が発生しやすい都市部の走行時には、市街地モード平均車速よりも低いと燃費値との差が発生しやすいと考えられます。

 さらに高速道路で高速道路モードの平均車速よりも高い速度で走る場合は、空気抵抗が大きくなるためこれも燃費悪化となります」

 また国土交通省の分析資料では、高速道路を100km以上にわたって連続走行した場合に、実燃費がカタログ値の9割前後まで回復する例を示しています。

 一定速度域を長時間保つことが燃費向上の近道であると分かります。

 そのほか速度変化以外にも生じる燃費への影響については、「ユーザーの運転の仕方や登坂などの道路環境や気候に影響を大きく受けますし、アクセルの踏み方や乗車人数、エアコンのON/OFFなども大きく影響します」とのこと。

 ちなみに、JAMAがまとめた「実走行燃費調査報告書」によると、WLTCモード導入後も実燃費はカタログ値より平均で1~2割低い水準に収まるそうです。

 ただし短距離走行が主体の場合や、梅雨時でエアコン稼働が増える場面では、差が2割を超える事例も見られます。

 特にハイブリッド車はエンジンとモーターの協調領域が狭まりやすく、初夏でも渋滞中のギャップが目立つ傾向が見られるようです。

※ ※ ※

 それでは、なるべくカタログ燃費に近づけるために、クルマの運転でどのように工夫すればよいのでしょうか。

 前出の担当者は「関係省庁では、そのような燃料消費やCO2排出量を減らして地球温暖化防止に繋げる運転技術や心がけを『エコドライブ10のすすめ』としてまとめており、普及・推進を図っております」と助言しています。

 このエコドライブ10のすすめによると、穏やかな「eスタート」として発進後5秒に時速20km程度までゆっくり加速すれば、約10%燃費が改善するとのこと。

 走行中は車間距離を確保して速度変化を抑え、市街地で2%、郊外で6%の悪化を防ぎます。

 さらに、停止が予測できたら早めにアクセルを戻しエンジンブレーキを使うと、2%向上するようです。

 くわえてエアコンの温度設定は「25度」にとどめ、暖房のみ必要なときはエアコンスイッチをOFFにすると、12%の悪化を抑えられます。

 そして停車中のアイドリングは10分で約130cc消費するためエンジンを切り、出発前に渋滞情報を確認して遠回りを避ければ、燃料17%増を回避できます。

 そのほか月1回はタイヤ空気圧を点検し、不要な荷物を降ろして軽量化、空気抵抗になる未使用のキャリアを取り外すことも燃費改善に有効です。

※ ※ ※

 このように、カタログ燃費との差は完全には埋められませんが、運転の工夫で縮めることは可能です。

 WLTCモードの背景を理解し、エコドライブ10のすすめを意識しながら速度変化を抑えれば、燃料費の節約に加えてCO2削減にもつながります。(Peacock Blue K.K.)

文:くるまのニュース Peacock Blue K.K.
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

AT車のシフトレバー“下のほう”にある「B」とか「L」いつ使う!? 「大きな音」出たけど故障ではない? いつもの「D」より役立つ“機能”とは
AT車のシフトレバー“下のほう”にある「B」とか「L」いつ使う!? 「大きな音」出たけど故障ではない? いつもの「D」より役立つ“機能”とは
くるまのニュース
「知らないと損!」 真夏の車内“どう快適に?” 「内気循環」と「外気導入」使い分けのコツは? 分かりやすく解説!
「知らないと損!」 真夏の車内“どう快適に?” 「内気循環」と「外気導入」使い分けのコツは? 分かりやすく解説!
くるまのニュース
トヨタ「“新”5人乗りワゴン」登場! 左“だけ”スライドドア×斬新「レトロデザイン」採用! ちょうどいい“5ナンバーサイズの“タクシーの定番”「新JPN TAXI」の改良点は?
トヨタ「“新”5人乗りワゴン」登場! 左“だけ”スライドドア×斬新「レトロデザイン」採用! ちょうどいい“5ナンバーサイズの“タクシーの定番”「新JPN TAXI」の改良点は?
くるまのニュース
EVって変速機がないって聞くけどなんで? じつは変速機がないことによる多大なメリットが存在した
EVって変速機がないって聞くけどなんで? じつは変速機がないことによる多大なメリットが存在した
THE EV TIMES
スズキの新型「小さなSUV」現る! 「SUV版スイフトスポーツ!?」 キビキビ走る×熱に強い「e-ビターラ」印象は?【試乗記】
スズキの新型「小さなSUV」現る! 「SUV版スイフトスポーツ!?」 キビキビ走る×熱に強い「e-ビターラ」印象は?【試乗記】
くるまのニュース
ダイハツ「“新”小型バン」がスゴい! 全長4m級で小回り性バツグン&軽商用車より使える! 5速MTもある最新「グランマックスカーゴ」が販売店でも注目に!
ダイハツ「“新”小型バン」がスゴい! 全長4m級で小回り性バツグン&軽商用車より使える! 5速MTもある最新「グランマックスカーゴ」が販売店でも注目に!
くるまのニュース
衝撃! 突然の「大雨」で道路が冠水、どうする? 事前事後の対処方法は? JAFテストに見る危険性とは
衝撃! 突然の「大雨」で道路が冠水、どうする? 事前事後の対処方法は? JAFテストに見る危険性とは
くるまのニュース
クルマの「新しい車検」スタート! 「良いこと? 悪いこと?」何が変わった? 改正から約3ヶ月… みんなの反響は
クルマの「新しい車検」スタート! 「良いこと? 悪いこと?」何が変わった? 改正から約3ヶ月… みんなの反響は
くるまのニュース
ハイブリッド車は酷暑に弱い!? エンジンオイルの劣化はガソリン車よりも早い!! 長持ちさせる予防策とは?
ハイブリッド車は酷暑に弱い!? エンジンオイルの劣化はガソリン車よりも早い!! 長持ちさせる予防策とは?
ベストカーWeb
35度の猛暑のなか外で待ちたくない!! 故障を事前に防ぐ!! 夏の大渋滞前に絶対やるべきクルマの点検とは?
35度の猛暑のなか外で待ちたくない!! 故障を事前に防ぐ!! 夏の大渋滞前に絶対やるべきクルマの点検とは?
ベストカーWeb
トヨタ新「ランドクルーザー」発表に反響多数! 「ついに来たか!」「燃費よくなってサイコー!」の声! “快適ハイブリッド”採用の欧州モデルに寄せられた意見とは
トヨタ新「ランドクルーザー」発表に反響多数! 「ついに来たか!」「燃費よくなってサイコー!」の声! “快適ハイブリッド”採用の欧州モデルに寄せられた意見とは
くるまのニュース
レクサス新型「スゴいSUV」発表! 400馬力の高性能モデルあり! まるでMTな新システム&世界初採用の「操縦かんハンドル」が画期的!「RZ」ドイツ仕様とは!
レクサス新型「スゴいSUV」発表! 400馬力の高性能モデルあり! まるでMTな新システム&世界初採用の「操縦かんハンドル」が画期的!「RZ」ドイツ仕様とは!
くるまのニュース
トヨタ「100万円台」のコンパクトSUVが「めちゃ売れてる」! 全長4m以下の「お手ごろサイズ」! 超人気「ライズ」が支持され続ける理由とは
トヨタ「100万円台」のコンパクトSUVが「めちゃ売れてる」! 全長4m以下の「お手ごろサイズ」! 超人気「ライズ」が支持され続ける理由とは
くるまのニュース
「トヨタのハイエースが買えません…」 受注停止で中古車相場さらに高く… 人気「商用バン」の現状はどうなっている?
「トヨタのハイエースが買えません…」 受注停止で中古車相場さらに高く… 人気「商用バン」の現状はどうなっている?
くるまのニュース
マツダ新型「CX-5」世界初公開! 9年ぶりの全面刷新でディーゼルモデル廃止!? 「主力SUV」の“電動化”が確実なワケとは!
マツダ新型「CX-5」世界初公開! 9年ぶりの全面刷新でディーゼルモデル廃止!? 「主力SUV」の“電動化”が確実なワケとは!
くるまのニュース
猛暑日なのにクルマのエアコンが効かない!? 命に関わる!!! 生ぬるい風の原因と修理代のリアル
猛暑日なのにクルマのエアコンが効かない!? 命に関わる!!! 生ぬるい風の原因と修理代のリアル
ベストカーWeb
スズキ「“新”軽セダン」発表に反響殺到! 「かわいい」「いい選択肢です」 新車114万円で「リッター28.2km」走る「新アルト」! 「MTのワークスも!」の声も!? 仕様変更が話題に
スズキ「“新”軽セダン」発表に反響殺到! 「かわいい」「いい選択肢です」 新車114万円で「リッター28.2km」走る「新アルト」! 「MTのワークスも!」の声も!? 仕様変更が話題に
くるまのニュース
スズキ新型「e VITARA」初公開! メーカー初の「パワーユニット」&“独自の4WD”を採用! 全長4.3m“ちょうどいいサイズ感”も魅力! 25年度内に新たな「コンパクトSUV」発売へ!
スズキ新型「e VITARA」初公開! メーカー初の「パワーユニット」&“独自の4WD”を採用! 全長4.3m“ちょうどいいサイズ感”も魅力! 25年度内に新たな「コンパクトSUV」発売へ!
くるまのニュース

みんなのコメント

37件
  • tak********
    eスタートは、しても良いけど他車を巻き込まずに1人でやってください。
    周囲の自動車を巻き込むと、余計な渋滞を生みますので。
  • reg*******
    走行環境は人それぞれだから実燃費は違って当たり前だし、一定速度を保ちたくても信号のつながりが悪ければ発進停止の多い運転にならざるを得ない。
    それでもWLTCは10·15やJC08モードの数値に比べたら現実に即していると思う。

    あと、ふんわりアクセルを推奨するな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村