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3号車Niterra、”悔しい鈴鹿”を取り返す圧巻の勝利。その勝因はミシュランタイヤのパフォーマンスと、千代勝正の”ある行動”にあった!|スーパーGT第4戦富士決勝

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3号車Niterra、”悔しい鈴鹿”を取り返す圧巻の勝利。その勝因はミシュランタイヤのパフォーマンスと、千代勝正の”ある行動”にあった!|スーパーGT第4戦富士決勝

 富士スピードウェイで行なわれた2023年のスーパーGT第4戦で、GT500クラスの優勝を手にしたのは、3号車Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)だった。

 3号車Niterraは4番グリッドとまずまずのポジションからスタート。特に雨が降っている時に素晴らしいペースを発揮し、ライバルを蹴散らしてトップチェッカーを受けた。この勝利の要因は、彼らが履くミシュランタイヤのパフォーマンスと、千代のある行動にあったという。

■スーパーGT第3戦鈴鹿の正式結果が確定。降着の3号車NDDP RACINGが抗議→控訴の意思表明も、19号車WedsSportの優勝で決着

 前戦鈴鹿で3号車NIterraは、レース直後に一時優勝とされたものの、レース中に義務付けられていた2回の給油を行なっていなかったとして後に60秒のタイム加算ペナルティが科され、4位に降着となった。その後、この裁定を不服とした3号車陣営が抗議する事態にまで発展したが、結局結果は変わらず。4位の順位が確定した。

 鈴鹿戦は悔しい結末だっただけに、今回こそは実力で勝ってやろう……そんな思いと共に、彼らは今回の富士に乗り込んでいたという。

「前回の鈴鹿では、実力で勝つことはできませんでした。でも優勝したということで記者会見に出た後に色々あって、4位という結果に終わりました……今回もまだ暫定結果ですから、正式結果が出たらもっと喜べると思います」

 スタートドライバーを務めた千代は、レース後の優勝記者会見でそう語った。

「実力で勝てるように、チームもこの2ヵ月準備してくれて、予選から良いパフォーマンスを発揮することができました。前半はウエットコンディションの中リードを築けましたが、コースがドライアップするのが早く、タイヤを労りながら様子を見ていました。天候が読めない中、スリックに変えるタイミングが少し遅れてしまったせいで、第2スティントでは4番手くらいに落ちてしまいました」

「後半の高星選手も素晴らしい走りで、チームの底力を示すことができたのでよかったです」

 また後半の走行を担当した高星も、今回のレースに挑んだ気持ちについて、次のように語った。

「前回のことについては思うところもありますけど、全てを飲み込んで歯を食いしばって、この2ヵ月耐えてきました。そういう意味では今回の結果は嬉しいし、チームも喜んでくれていると思います」

「赤旗のタイミングで雨が降ってきて、そのタイヤ選択も含めてすごく悩ましかったんですが、タイヤ選択がすごく良くて、最後までレインタイヤのまま走り切ることができました。強いレースができたんじゃないかと思います」

 ふたりはチームの力だけでなく、「ミシュランタイヤのパフォーマンスを証明できた」と口を揃える。ここ数年、ミシュランのウエットコンディションでのペースは他を圧倒しており、それがまさに今回も活きた格好だ。しかしそのミシュランは、今シーズン限りでスーパーGTへのタイヤ供給を終了させる。

「(ミシュランタイヤは)ウォームアップが良く、乾いた時にも長く走れる万能タイヤです。来年はもう履けないというのは少し残念ですが、今年のうちに雨が降ってくれてよかったです」

 そう千代が語ると、高星も次のように続けた。

「昨年からミシュランタイヤの(ウエットでのパフォーマンスは)非常に高いというのは感じていました。しかし、発動しやすいけど、後半ライバルに巻き返されてしまうかもしれないと思っていたので、最初からマネジメントしていました」

「それでも、最後までタレることはありませんでした。僕らは速いです。でもそれに慢心することなく、もっと開発して……(ミシュランを履くのは)今年で終わっちゃいますけど、今よりも良くしていければと思います」

 ただミシュランタイヤが良かっただけで勝てたわけではない。実は千代のある行動が、勝利をグッと手繰り寄せたと、高星は明かす。

「赤旗の時に(ウエットに)タイヤを交換できるということになりました。その時、レース再開の直前に、元々着いていたタイヤから別のモノに交換したんです。その判断は、実は千代さんがBコーナー(ダンロップコーナー)まで僕のクルマに乗ってわざわざ行って、状況を見てくれたからできたことなんです。『これだけ乾いてるから、こっちのタイヤなんじゃないか』と、アドバイスしてくれたんです」

 これについて千代は、さらに詳しく説明する。

「実は作業ができなくなる2分前まで、違うタイヤが付いていました。そのタイヤはもう少しフルウエット寄りのものでしたので、そのまま行っていたら最後まであのペースで走れなかったかもしれません」

 そう千代は言う。

「当時は風がBコーナーの方から吹いてきていたんですが、ピットにいると建物などがあって、空の様子がよく見えない。そして誰も行ける人がいなかったので、僕が行ったんです。その時、空は晴れてきていました。なので、タイヤを変えようと言ったんです」

「僕は乗っている立場なので、どういう情報が欲しいかはわかっていると思います。その時、自分が動けたことは、よかったと思います」

 ミシュランタイヤの性能やNissan Zのパフォーマンスの高さも、当然今回の勝利に寄与しているだろう。運の要素もあるかもしれない。しかしそれ以上に、是が非でも勝利を手にしたいという思いで動いたことが、この1勝を手繰り寄せたように見える。

 この勝利でランキング首位に浮上した3号車Niterra。サクセスウエイトは重くなるため、この先は簡単な戦いにならないのは容易に想像できる。しかし高星も千代も、臆することなくチャンピオンを目指す。

 千代は最後、次のように語って締め括った。

「(サクセスウエイトが)かなり重くなりますし、燃リス(燃料リストリクター)も入りますから、雨乞いしたいですね」

「雨が降ったら、ミシュランは本当に頼もしいです。それに期待しますし、チームの雰囲気もすごく良いので、最後に笑えるように頑張りたいと思います」

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