上海モーターショー2019
フォルクスワーゲンは、2019年4月14日に開催されたオート上海2019に先立って開かれた「ブランドSUVナイト」で、同社の電気自動車シリーズ「I.D」ファミリーのSUVタイプのニューモデル「I.D ルームズ」を世界初公開した。
【上海モーターショー 2019】アストンマーティン ラピードEを世界初公開
VWのEV戦略サブブランド「ID.」
「I.D ルームズ」は、3列シートで多彩なシートアレンジができる全長5000mmクラスのフルサイズ電動SUVで、ファミリーユース、ビジネスユースの両方を想定している。デザイン・テイストは、これまでのI.Dシリーズと統一されており、一目でフォルクスワーゲンの電気自動車であることがわかる。このSUVモデルは2021年最初に中国で発売する計画だ。
「I.D ルームズ」は容量82kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は中国測定モードで475kmを想定している。このバッテリーは最新の150kW急速充電器を使用すれば80%充電まで30分だ。電気モーターは前後アクスルにそれぞれ配置される電気4MOTION、つまり常時4WDだ。モーター出力は合計225psで0-100km/h加速は6.6秒、最高速は180km/h(リミッター付き)。
「I.D ルームズ」の注目点は、「IQドライブ」と呼ぶレベル4の自動運転システムが採用されていることだ。そのため、自動運転モードを選んだ場合は、左右のシートを25度内側に回転させてラウンジのようなシート配置にすることができる。
つまりシート配置は乗員の好みと運転状態に合わせて設定することができるようにしてあり、自動運転状態ではシートの回転だけでなく、大幅にリクライニングさせることもできる。
インテリアでは自動運転システムに合わせた革新的なシステムを採用。自動運転時にはハンドルは格納されており、手動運転時にはハンドルと一体化されたデジタル・コクピットパネルが出現する。
VWとアウディの合体組織「ONE R&D」
なおフォルクスワーゲン・グループの電動化戦略では2028年までに累計2200万台の電気自動車を生産する計画だが、そのうち半分以上となる1160万台を中国市場で生産すると発表している。そのため、中国ではフォルクスワーゲンとアウディ、その他のブランド部門を合体させた新組織の「ONE R&D」体制で研究・開発能力を高めることになっている。
そして2019年にはフォルクスワーゲン中国は電動化モデル、14機種を新たに中国市場に投入し、2020年には現在、中国で建設中のMEBプラットフォームを導入した工場から生まれるEVモデル2機種を導入するという。
さらにフォルクスワーゲン・グループは中国の自動車メーカーと合弁で、家庭充電用の大容量充電ボックスと高出力の公共急速充電設備など充電インフラの供給も開始し、さらにフォルクスワーゲン中国の子会社により車載コネクティビティ・サービスも開始することになっている。
上海モーターショー
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