トヨタ プロボックスバン 「トヨタの誇るエリートビジネスバン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
5
燃費
4
価格
5

トヨタの誇るエリートビジネスバン

2022.1.17

年式
2002年7月〜モデル
総評
商用バンにまで電動化の波は確実に訪れる。環境負荷を低減し、カーボンニュートラル化にも貢献するが、一方で、その負担を開発費としてメーカーが、購入代金としてユーザーである事業者が負担しなければならず、それらは決して小さくないことから単に早急に対応すれば良いといはいかない。まずは台数の見込める乗用車技術の転用を待ちたい。
満足している点
これだけの荷物が積めて130万円台から新車が購入できるとは、やはり日本の商用車技術はすばらしい。ご存知の通り、トヨタはその前身でG1型トラックを製造していたことから、現在に至っても商用車にはしっかりとした開発哲学があるのだと思う。先進安全技術である衝突被害軽減ブレーキも法規対応のため全グレードで標準装備だ。
不満な点
先代モデルユーザーからの声をたくさん採り入れて作られた2代目プロボックス。運転席シートのリクライニング角度を増やして休憩しやすくしたり、荷物が置きやすくなるよう工夫したりしてきた。働く道具であることから、できることなら乗用車で普及させていく車内Wi-Fiなど、ビジネスに特化した進化を期待したいところだ。
デザイン

4

もともとはプロボックス/サクシードという兄弟車でデビューしワゴンモデルの存在したが、2018年に2代目へとモデルチェンジを行なった際に商用バンに一本化。そしてサクシードは2020年に製造を完了した。荷物をたくさん積むこと、そして楽に積み卸しができることを主眼に考えられたデザイン。ゆえに野暮ったくもあるが、働き者らし割り切りがあって良い。
走行性能

4

直列4気筒1.5lハイブリッドと1.5l、1.3lの3本立て。先代の4速ATから、当時の商用バンとしてはめずらしくCVTを組み合わせた。走りは空荷と積載時では大きく違うものの、どちらの状況でも安定感が高い。CVTの最終減速比を商用向けにローギヤード化したため、フル積載時の坂道発進も容易に行えた。ハイブリッドモデルは全域で力強い。
乗り心地

4

過去、商用バンでルートセールスをしていた筆者にとってここは重要だ。バンの乗り心地はドライバーと積荷、両方に優しくなければならず、開発コストに制約のある商用バンでは両立がむずかしい。現行プロボックスは初代のストラット方式の前輪サスと、車軸トレーリングリンク方式の後輪サスをベースに設定を変更。両者にとってやさしい乗り味になった。
積載性

5

最大積載量は2名乗車時に400kg(ハイブリッドモデルは350kg)だ。積み込み指標として使われるミカン箱なら38個、A4コピー用紙箱なら89個、1900㎜×900㎜のコンパネであれば平積みもできる。フラットで、ほとんど張り出しのない床面であるからこそ、これだけの荷物が積載できるのだ。
燃費

4

ハイブリッドモデルのWLTC値は22.6㎞/lと、ガソリン1.5lの17.2㎞/lに大きく差をつけた。興味深いのは排気量の小さな1.3lが16.6㎞/lと悪化する点。ここが商用バンの難しいところで、ゆとりのあるエンジンを丁寧に走らせたほうが実燃費も伸びる傾向ある。
価格

5

1.3lのボトムグレードが139.92万円、1.5lの同一グレードが157.85万円とその差は、17.93万円。これがハイブリッドモデル(同一グレード)だと185.35万円と1.5lから27.5万円高くなる。商用車は車両価格と燃料費含めたTCOで計算されるので、走行距離との関係で選択すれば良い。その意味で、幅広い車種を揃えるトヨタは強い。
西村 直人
西村 直人
自動車ジャーナリスト
WRカーやF 1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。
トヨタ プロボックスバン 新型・現行モデル