2017年2月
■2017年2月
トヨタは、プラグインハイブリッド車のプリウスPHVをフルモデルチェンジして、2017年2月15日に発売した。
2012年にデビューした初代モデルはグローバルで7万5000台を販売しているが、EV走行距離が短く、デザインもプリウスとさほど変わらなかったことからいまひとつ盛り上がりに欠けていた。新型は大容量リチウムイオン電池の搭載、プラグインハイブリッドシステムの効率化によりEV走行領域を従来型の2倍以上となる68.2㎞とし、EV走行最高速度も135㎞/hとして電気のみで走行できる領域を大幅に拡大。ハイブリッドモードでも37.2㎞/Lの低燃費を実現しており、高速道路を使ったドライブでも高い経済性が得られる。
駆動用モーターに加え、発電用モーター(ジェネレーター)も駆動に使う「デュアルモータードライブシステム」の採用により、胸のすく走りを実現。また、「駆動用バッテリー専用ヒーター」や世界初となる「ガスインジェクション機能付きヒートポンプオートエアコン」の採用によって、EV走行中でもエンジンが掛かりにくい状態を維持することが可能になったという。
充電システムも充実しており、家庭の配線をそのまま利用できるAC100V/6Aの普通充電が利用可能。外出先ではトヨタの販売店(約4200基)や合同会社日本充電サービスの充電スポット(約1万4600基)で充電が行える。充電時間は普通充電100V6Aで約14時間、200V/16Aで約2時間20分。急速充電では約20分で約80%の充電が可能。なお、量産車では世界初となる「ソーラー充電システム」を採用し、太陽光の自然エネルギーを駐車中は駆動用バッテリーに供給し、最大約6.1㎞/日(平均2.9㎞/日)の走行分の電力量を充電可能。走行中は補機バッテリーの消費を補い、燃費向上に貢献する。
外部給電機能もあり、「EV給電モード」を選択することで、エンジンを掛けずに家電製品の利用ができる。エンジンが作動する「HV給電モード」では、最大1500Wの出力でガソリンを満タン状態から2日程度の電力を供給することができる。
エクステリアはプリウスと差別化されている。透明アクリル樹脂を採用した大型フロントグリル、4眼LEDヘッドランプの採用のシャープなフロントマスク。リヤもバックドアガラスに採用した2つの膨らみを持つバブルウインドゥを採用、一本の赤いラインでつないだハイマウントストップランプとリヤコンビネーションランプなどにより、ひと目でプリウスPHVだとわかるデザインだ。なお、このバックドアには軽量なCFRP(炭素繊維強化樹脂)がトヨタブランドでは初めて採用されている。サイドビューは延長したリヤオーバーハングを生かした、伸びやかなラインを特徴としている。
インテリアはトヨタでは初となる11.6インチの縦型ディスプレイ、TコネクトSDナビゲーションシステムとDCMを標準装備(Sを除く)。安全かつ便利なカーライフをサポートする多彩なコネクティッドサービス「TコネクトDCMパッケージ」が初年度より3年間無料で提供される。安全性能についても衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスP」が標準装備されている。
■2017年9月
トヨタは、新たなスポーツコンバージョンブランドとなる「GR」を2017年9月19日に発表、シリーズ第一弾としてプリウスPHVに「GRスポーツ」を設定し、同日より販売を開始した。
「GR」はGAZOO Racing Companyがニュルブルクリンク24時間耐久レースや全日本ラリーなどの国内外のモータースポーツ活動を通じて、そこで得た知見やノウハウを注ぎ開発した新しいスポーツカーブランド。モデル体系としてはエンジン内部にもチューニングを施した「GRMN」を頂点に、GRMNのエッセンスを注ぎ込んだ量販スポーツモデルの「GR」、気軽にスポーツドライビングを楽しめる「GRスポーツ」が設定される。これまでは「G’sスポーツ」がスポーツコンバージョン車として設定されていたが、今後は「GR」シリーズに一新され、カスタマイズが楽しめるアフターパーツ「GR PARTS」も用意される。
今回、プリウスPHVに設定された「GRスポーツ」には専用チューニングサスペンション(フロントを約13mmローダウン)、ブレース追加、さらに専用タコメーター(GRロゴ入り)、シフトノブ(スモークブラック加飾)、アルミペダル、小径ステアリングホイールが装着される。
エクステリアは標準仕様と異なり、走るための機能をストイックに追求した水平/垂直の「Functional MATRIX」グリルに加え、ホワイト塗装+GRロゴ入りブレーキキャリパー、専用エンブレムが装着される。インテリアについても専用スポーティシート(GRロゴ入り)、ドアトリム、フロントシートなどにスポーティさを演出した専用加飾やシルバーステッチ、GR専用パワースイッチを装着する。
ボディカラーは「ホワイトパールクリスタルシャイン(メーカーオプション)」、「シルバーメタリック」、「グレーメタリック」、「アティチュードブラックマイカ」、「エモーショナルレッド(メーカーオプション)」、「サーモテクトライムグリーン(メーカーオプション)」、「スピリテッドアクアメタリック」の全7色を用意する。
ベースグレードには「S」と「Sナビパッケージ」が設定されている。
■2018年1月
トヨタは、プラグインハイブリッド車のプリウスPHVに特別仕様車「S“セーフティプラス”」、「S“ナビパッケージ・セーフティプラス”」、「A“ユーティリティプラス”」を設定して、2017年12月25日に発表、2018年1月8日に発売した。
今回の特別仕様車は、先進の安全機能「インテリジェントクリアランスソナー」を特別装備し、衝突回避支援システム「Toyota Safety Sense P」とあわせ、セーフティ・サポートカーS(通称 : サポカーS)の<ワイド>に相当する。
「S“セーフティプラス”」と「S“ナビパッケージ・セーフティプラス”」は「S」をベースに、インテリジェントクリアランスソナーやシンプルインテリジェントパーキングアシストを特別装備した。さらに「S“セーフティプラス”」は、外出先でも短時間で充電可能な急速充電インレット、後退時にバックカメラによる後方映像の画面表示を可能にするナビレディセットを特別装備。「S“ナビパッケージ・セーフティプラス”」は、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W、ヴィークルパワーコネクター付)、ETC2.0ユニットを特別装備して、利便性を向上した。
「A“ユーティリティプラス”」は「A」をベースに、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W、ヴィークルパワーコネクター付)、ETC2.0ユニットを特別装備した。
3モデル共通でステアリングとシフトパネルをブラック加飾することで、上質な室内空間を演出した。