トヨタ カローラクロスハイブリッド 「一部改良時に加わったスポーツグレード」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
3
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
4
燃費
5
価格
4

一部改良時に加わったスポーツグレード

2026.1.10

年式
2025年5月〜モデル
総評
カローラを名乗るSUVモデル。今回の改良で通常モデルのパワートレーンは1.8lのハイブリッドモデルのみに絞られた。内外装の大幅な変更でグレード感をアップしたのが特徴だ。E-Fourを名乗る後輪モーターによる4WDシステムには、ドライブモードに「SNOW EXTRAモード」を追加した。また安全面では、国内初の装備として「シグナルロードプロジェクション」を装備した。これは路面に矢印形状のLEDの光源を照射して車両認知を促す機能だ。
満足している点
装備をいっそう充実させた点や内外装の質感アップにより、より高い満足度が得られると市場からの評価が高い。この改良タイミングに合わせて追加されたスポーツグレード「GR SPORT」では、2.0lエンジン+THS-ⅡのE-Fourとなり走行性能を大きく高めた。もとよりカローラクロスは高い走行性能をもっていたが、専用の足まわりに19インチホイールの組み合わせでそこに磨きをかけている。
不満な点
ここは賛否が大きく分かれるところだが、外観デザインがやや落ち着いているという声が多い。今回の改良で兄貴分であるRAV4に近い顔つきになったものの、サイドからリヤにかけてはオーソドックスな造形だ。よって全体の雰囲気としては、競合するエクストレイルやZR-Vなどと比較しても若干、おとなしい。追加グレードのGR SPORTにしても躍動感は高まったが、全体のバランスに欠けてしまう。ここが惜しい。
デザイン

3

不満点で述べた通りだが、外観は落ち着いている点が評価の分かれ目。しかし内装デザインはとても高く評価できる。視界が広く死角が少ない作り込みにはじまり、カローラを名乗るにふさわしい使いやすさとシンプルなデザインを両立させている。コネクティッドナビ対応の10.5インチディスプレイオーディオPlusもタッチ操作性、視認性ともに良好だ。
走行性能

4

まず標準の1.8lハイブリッドのカタログスペックだけで考えれば3点。しかし実用上は十二分に速く、実用燃費性能も優れている。5点としたのはGR SPORTに高い走行性能があるからだ。エンジンそのものが1.8lの98PS/142N・mから2.0lでは152PS/188N・mへと大幅に向上。さらにハイブリッドシステムのTHS-Ⅱと組み合わされる前輪モーターが95PS/185N・mから113PS/206N・mへとこちらもスペックを大きく高めた。後輪モーターの出力は両車ともに41PS/84N・mだ。
乗り心地

4

標準モデル、GR SPORTともに4点。標準モデルではFFモデルの乗り味が好ましいと思えた。後輪サスペンション形式がFF/トーションビーム、E-Four/ダブルウイッシュボーンと形式が違うため、単純比較すれば絶対的な乗り味はE-Fourが有利ながら、THS-ⅡのE-Fourに共通課題である後軸にかかる重さ由来の突き上げがやや大きい。これがE-FourのみとなるGR SPORTでは専用設定の足回りにより、その突き上げがほぼ消えている。
積載性

4

ボディサイズを考えれば納得の積載性能だ。後席を使った5名乗車時の最大積載量はFFで487l、E-Fourで407l。後席を倒した2名乗車時は991l/901lと拡大する。ラゲッジルームの寸法は最大長1885㎜、最大幅1369㎜、最大高957㎜(ともにFF)。現代の水準でいえば、トーションビームの後輪サス形式のFFでも、若干サスペンションボックスの張り出しは大きめ。
燃費

5

1.8lはFFが26.4㎞/l、E-Fourが24.6㎞/lと優秀な値(いずれもカタログ記載のWLTC値)。これが2.0lでE-FourのみのGR SPORTになると23.3㎞/lとなる。排気量が大きく、GR SPORTでは走行性能側に振ったハイブリッド特性なので悪化するのは当然ながら、その差は非常に小さい。筆者による燃費計測では、標準モデルのFFが都内中心で20.8㎞/l、GR SPORTは郊外中心で18.9㎞/lだった。
価格

4

もっともベーシックな「G」グレードがFFで2,760,000円、E-Fourで3,019,000円。先進安全装備群である「Toyota Safety Sense」は標準装備だし、その他、快適装備も充実している。オプションでさらなる上級装備も加えられる。大きな開口面積を誇るパノラマルーフを装着したとなれば一つ上の「S」グレードに。トップグレードの「Z」グレードのE-Fourが3,689,000円のところ、2.0lモデルのGR SPORTが3,895,000円。装備や走行性能を考えればGR SPORTはコストパフォーマンスも高い。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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