トヨタ カローラフィールダー 「2012年式カローラフィールダーG(MT)感想文」のユーザーレビュー

ノイマイヤー ノイマイヤーさん

トヨタ カローラフィールダー

グレード:1.5G(MT_1.5) 2012年式

乗車形式:仕事用

評価

3

走行性能
-
乗り心地
-
燃費
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デザイン
-
積載性
-
価格
-

2012年式カローラフィールダーG(MT)感想文

2019.2.22

総評


往復1時間程度の移動の際、
往路は助手席で、帰路は運転席で体験した。

この個体は2014年式のGグレードで、
稀少な5速MTが搭載されたグレードだ。

2014年当時のトヨタラインナップの中でMTが選べる乗用車はカローラ・アクシオ/フィールダーの他はヴィッツ、iQ、オーリス、ラッシュがあった。

助手席に乗せてもらっている時には、フィールダーの快適性に感心した。まず、乗り込むとシートのヒップポイントが適度でどっこいしょと言う負担が相当少ない。ドアを閉めようとトリムのグリップに手を掛けるが、トリム形状が素晴らしく、持ち手の位置が前後方向に長い。このため、何処に手を掛けてもドアを閉められる。さらに、ドアと言う重量物を開閉する際の重さはドアのヒンジから遠いところで閉める方が軽い力で閉められる。ドアトリム形状によってはグリップが前にありすぎててこの原理でドアの開閉に筋力を要する車がたくさんある。カローラフィールダーはあらゆる人が任意の位置に手を掛けても確実に開閉できるグリップの位置と、筋力が衰えてきたユーザー(とその家族)にも優しい操作力の低さを実現している。

ちなみに、私の経験ではフィールダー以外で同様なドアグリップの構造を持っているのはBMW MINIや初代RAV4位しか思い出せないが、この便利さは一度知るとハマってしまう。

助手席に乗っていると、乗り心地はあくまでもソフトで当たりのやさしさ重視のため運転者と会話を楽しみながら快適なドライブが楽しめた。当日は真冬とは思えない暖かさだったが、ナノイーや花粉モードが付いたオートエアコンはあくまでも快適そのものだった。

次に、運転席に座り運転を試した。クラッチを踏んでキーを捻りE/G始動。ミラーを調整してからギアを入れて走り出すまでの動作に癖は無い。長年運転をしてきたベテランドライバーを不安に陥れることが無いよう、しっかり考えられた配置と言える。

ヴィッツRSやGRを運転したことがあるが、ドラポジはそれらとよく似ている。ゆえにドラポジはステアリングやペダルのオフセットがきつく感じる点も同じだが、フィールダーが持つ実用車然としたキャラクターの「やる気の無さ」がホッとさせてくれる。その分だけ私の評価する目が少し優しくなる。

トヨタのMT用シフトレバーの中で最廉価品と思われる加飾が一切無い塩ビのシフトノブを操作してギアをローに入れてクラッチを繋ぐのだが、スロットルのレスポンスの悪さはヴィッツ共通の欠点だ。

つまり、アクセルを踏んでいるか踏んでいないかの微妙な領域は操作に対する反応を見せず、その先で一気にE/G回転が上がる。何回経験しても気になるマナーの悪さだ。

現代のトヨタのMT車を運転する為にはアクセルを踏んでE/G回転数を適当に上げてクラッチを繋ぐ運転方法しか受け付けてくれない。確かにカローラスポーツのiMTも発進補助機構もそういうロジックだったのでそれが彼らのスタンダードなのだろう。

走り出してセカンド、サードとシフトアップするのだが変速の渋さもこれまでの経験と相違なく相当な筋力を要する。ただ、カローラスポーツと較べるとシフトレバーの位置が前よりなので、カローラスポーツで指摘した変速で肘が当たるような不具合は無い。

市街地走行では適当に加速してトップなりオーバードライブに入れておけば定常走行ではワゴンボディの割りに静かな走りが楽しめる。

このままETCゲートを通過して高速道路を走らせた。ランプウェイのコーナリングではスタッドレスタイヤゆえに少々不安定になったが、サポートの良いシートバック形状に助けられて不安感は無く、車体の挙動変化は穏やかで扱い易い。

全開加速をさせると、お馴染みの1NZ-FEの音がけたたましいが、巡航速度に到達すると再び静かになる。100km/h オーバードライブ時のE/G回転数は2500rpm近傍。ヴィッツよりも多少ハイギアードに設定されており、静粛性と動力性能がバランスしている。巡航している限りオーバードライブのままアクセルのみで速度調整が可能だ。この領域ではCVTでは味わえないレスポンスのよさを味わえる。もっとも追い越し加速時はトップにシフトダウンした方が俊敏な加速度が得られるだろう。

MTを残した点は素晴らしいが、その洗練度は不満が残り、敢えてMTを選ぶベテランドライバーに対してはもっと敬意を払って欲しいと感じた。

5ナンバーフルサイズと言えども現代ではもはや小さい部類に属するフィールダーだが、基本は本当に快適な車だ。高齢者の事を思って作れば万人に受け入れ易い車になる好例と言える。

コンパクトなボディサイズを維持して運転がし易く、居住性・積載性も必要充分以上を確保できている。

90年代にRVブームがあり、若者のエントリーカーとして100系カローラツーリングワゴンが売れた時代があった。

当時の一世代旧いカローラの設計を引き継いでいるので、そこそこの質感と高い装備水準がありながらもお買い得な価格設定(スタート価格は130万円台からだったはずだ)故に全国の津々浦々でカロゴンを見かけた。ステーションワゴンならカッコいいとされていたので、世代の旧さはあまり問題にされていなかった。

カルタスクレセントワゴン、ウイングロードなどの競合車者と共にセダンベースながらセダンとは違う車を求める層のニーズを満たす車だった。

この流れを引き継いで120系カローラフィールダーに引き継がれたが、キャラクターは完全にカロゴンを継承しつつ当時の最新レベルのメカニズムが与えられてヒットした。同じカローラだが、ベテランドライバーはセダンを買い、若者がフィールダーを選ぶ良い時代であった。

私の同期は今もカローラフィールダーの1.8Sの5速MT車に乗っている。20年近く前の車だが、うるさい私が納得できるレベルの走りと使い倒せる実用性を両立していた。この理由は「世界で戦える車」として力をこめて作られていたからではないかと個人的には感じている。

以後、国内専用のP/Fを与えられて同じキャラクターを保ってきたが、SUVブームの影響でセダンライクな車高のモデルは敬遠されはじめ、若者自体はもはや車を必要としなくなりつつある。

このカローラフィールダーは5ナンバーのカローラとして最後のモデルになるだろう。敢えてヴィッツのP/Fを使ってコンパクトで使い勝手の良い実用性の高いカローラを作った点は意義深いし、使い古した1.5LだけでもMTを残すことがどれだけ困難だったかを想像すると、見かけ以上に中身の濃い車だと感じる。

TNGAを得て飛躍的に性能アップした部分もあれど、作り込みの甘さゆえに思慮の浅い車となった
カローラスポーツと較べれば、現行カローラフィールダーはパッと見では分かりにくいけれど、制約の中でありあわせの素材を使って何とか日本のカローラファンの期待に応えようとした成果が感じられた。

しかし同時に、かつて世界を相手にグローバルコンパクトとして「鍛え抜かれた成果を日本で共有できるカローラ」では無くなった事も事実で、そういう時代があったことを知る者としてはその点に寂しさを感じる。
満足している点
1.ドアを閉める動作の簡単さ
2.欲しいものが揃う装備水準
3.居住性・実用性が申し分ない
4.MTを設定し続けていること
5.5ナンバー枠の素晴らしさを味わえる
不満な点
1.シフト操作の渋さ
2.スロットル操作の反応の悪さ
3.9代目カローラからの落差
デザイン

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走行性能

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乗り心地

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積載性

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燃費

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価格

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故障経験

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