トヨタ アルファード 「あのLMを超える(?)PHEVの上質な走行フィール」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

一条 孝
一条 孝(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
3
走行性能
5
乗り心地
5
積載性
4
燃費
4
価格
4

あのLMを超える(?)PHEVの上質な走行フィール

2025.5.30

年式
2025年1月〜モデル
総評
2023年のデビュー以来、好調な売れ行きを見せている高級ミニバン。そんなアルファードに新たに追加されたのがプラグインハイブリッドシステム(PHEV)搭載モデル。18.1kWhのリチウムイオンバッテリーを床下に搭載し、EVとして73kmの航続距離を実現している。エンジンの振動やノイズのないモーター走行時の快適さはレクサスLMにも勝るほど。PHEVはアルファード/ヴェルファイアとも最上級グレードのエグゼクティブラウンジのみに設定される。
満足している点
4代目アルファードはPHEV化を想定していたこともあってか、フロア下に駆動用バッテリーを搭載することが出来た。室内のフロアはハイブリッドやガソリン車と同じくフラットで、エンブレムを見なければPHEVであることがわからない。乗降性にも影響がなく、快適性もハイレベル。重心が低くなったことで走行安定性も増している。
不満な点
PHEVだけに仕方ないが、EVとしての航続距離は73kmと短め。同様のシステムを搭載するハリアーやクラウンスポーツよりも20%ほど短いが、普段はさほど走らないのであれば、ほぼEVとして活用は可能だ。バッテリーの搭載で燃料タンク容量は60リッターから47リッターへと小さくなった。スペックから計算した際の航続距離はハイブリッドが1000kmを超えるのに対して、PHEVは780kmにとどまる。
デザイン

3

エクステリアデザインは他のモデルと基本的に同じ。異なるのはタイヤサイズが19インチ化され、それに伴いホイールデザインが新しくなっている。リヤエンブレムにも“PHEV”が明記されているが、よく見なければ判別出来ない。インテリアはハイブリッドのエグゼクティブラウンジと共通の仕立てだが、本革巻きステアリングの木目部分はハイブリッドの「UZURAMOKU」に対して、PHEVは「本杢(ほんもく)」が用いられる。ルーフ内張りも専用のウルトラスエードが張られる。
走行性能

5

フロントに182馬力、リヤに54馬力のモーターを搭載し、システム最高出力は306馬力を実現。EVとしての走行時は力強く、きわめてスムーズな加速フィールが印象的。ハイブリッドモードでもエンジンノイズはさほど気にならず、上質な乗り味が確かめられる。重心が低くなったこともあってか安定性にもすぐれており、背の高いミニバンにありがちなグラリとくるロールがさほど気にならない。
乗り心地

5

ハイブリッドと大きな違いはないものの、EV走行時の静粛性の高さは高級ミニバンにふさわしいもの。普段は気付きにくいロードノイズのほうが気になるほどだ。シートの造りもよく、フロントシートも適度なサポート性が得られ、運転席には調整幅の大きなハイトアジャスターが備わるおかげで、小柄な人でもポジションは合わせやすい。セカンドシートの居心地のよさは申しぶんなく、多彩な機能をスマホのようなリモコン(リヤマルチオペレーションパネル)で操作が可能だ。もちろん、マッサージ機能も備わっている。
積載性

4

PHEVでもハイブリッドと同等の積載スペースを確保している。サードシートを使用した状態ではさすがに奥行きは限られるが、5:5分割で左右に跳ね上げてしまえば、スーツケースなどのかさばる荷物が積みやすくなる。フロア下にも収納スペースを確保しており、高さのある荷物にも対応する。パワーバックドアは標準装備。
燃費

4

WLTCモード燃費は16.7km/L、ボディが重いだけにハイブリッドモードでの燃費はハイブリッド車に一歩譲るが、実測でのハイブリッドモード時の燃費は16km/Lほどだった。計測距離が100km程度と短かったのであくまで参考だが、小さくなった燃料タンクでも700km程度の航続距離は得られるようだ。
価格

4

ハイブリッドエグゼクティブラウンジの860〜882万円に対して、PHEVは1065万円。国から交付される補助金48万円を含めても車両価格は135〜157万円ほどの違いがある。さらに高価なレクサスLMも見えてくる価格設定だが、EV走行時の上質な乗り味はPHEV未設定のレクサスLM以上と言える。3列シートの高級ミニバンを求める人にとってPHEVのアルファードは、なかなか魅力的な選択肢と言えよう。
一条 孝
一条 孝
自動車ジャーナリスト
自動車専門誌の編集&ライターとして活動後、自動車ジャーナリストとして専門誌やWeb、タブロイド紙などに寄稿。運転する楽しさを追求するとともに、環境性能やパッケージングにもこだわりを持つ。これまで保有した車の大半はFRレイアウトのマニュアル車。日本自動車ジャーナリスト協会会員
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