スズキ エブリイワゴン 「実用最優先の軽ワンボックス」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
評価

3

デザイン
3
走行性能
2
乗り心地
2
積載性
5
燃費
3
価格
4

実用最優先の軽ワンボックス

2021.9.30

年式
2015年2月〜モデル
総評
クルマに何を求めるかでこのクルマの評価は大きく分かれる。小さな車体に広い空間と実用性を求めるならジャストな選択だし、ドライバビリティや快適性を求めるなら向かない。クルマの狙いが明確だけに、自分が何を求めるかをしっかりと考えて向き合うのがいいだろう。
満足している点
何をおいてもパッケージング。全長わずか3.4mと短い車体に広い後席スペースを備えたうえで、3列目を畳んだミニバンを上回るほどの奥行きのラゲッジスペースを確保しているのだから素晴らしい。ある意味、日本のクルマ作りの奥深さを感じさせる、世界に誇れる設計だ。
不満な点
積載性最重視のクルマ作りなので、走行性能や快適性は控えめ。乗降性には床の高さがハンデだ。そのあたりは一般的な乗用車(軽自動車ではハイトワゴンやスーパーハイトワゴン)とは分けて考える必要がある。運転姿勢はトラックに似た独特の感覚だし、ハンドリングや走行安定性の面から長時間の運転は疲れやすい。
デザイン

3

デザイン性よりも空間効率を重視した、箱のように四角いボディ。「エブリイ」にはバンとワゴンが存在するが、ワゴンはフロントグリルにメッキをコーディネートするなど、ひと目でバンとは異なる仕立てになっている。リヤはテールランプを横長にしていることなどがバンとの違いだ。
走行性能

2

操縦安定性よりも積載性を重視した車体構造で、高身長で重心が高く、さらにはサスペンションも重い荷物に負けない頑丈さを重視した設計のため、ハンドリングといったドライバビリティはあまり期待できない。動力性能面はワゴン仕様の全車にターボエンジンを積み、重い車体に対応。交通の流れにしっかり乗れる。
乗り心地

2

商用ベースの車体なので純粋な乗用車のようにはいかないが、かつてのワンボックス軽自動車に比べれば洗練された乗り心地だ。シートも、かつてとは異なりサイズもクッション性もしっかり確保されている。足元も頭上も後席空間は広くて快適だ。
積載性

5

「軽自動車」という枠で評価すれば、積載性は素晴らしい。広い後席を用意したうえで、荷室もしっかり確保しているから4名乗車で荷物もたくさん積めるのが、「スペーシア」などスーパーハイトワゴンに対する強みだ。荷室長は後席使用時でも1mを超えるのだから驚き。
燃費

3

車両重量とエンジンのバランスなどもあり、WLTCモード燃費は13.4km/Lと軽自動車としては控えめ。ただし、実際に走ってみるとこの数字からイメージするよりは燃費がいい印象を受ける。キャブオーバーの軽自動車としては良好な燃費だ。
価格

4

価格帯は150万7000円〜173万8000円(2WDモデル)。軽自動車としては高めと感じるかもしれないが、全車にターボエンジンを搭載し、先進安全機能も標準装備、さらには中間グレードで助手席側、上級グレードでは左右両側の電動スライドドアも採用していることを考えると妥当と考えられる。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。
スズキ エブリイワゴン 新型・現行モデル