スバル フォレスター 「SUV元祖モデルにして6代目」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

5

デザイン
3
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
5
燃費
3
価格
3

SUV元祖モデルにして6代目

2025.4.23

年式
2025年4月〜モデル
総評
1997年の初代デビュー以降、世界的なSUVブームの牽引役として販売を続けるフォレスターが6代目となった。これまで同様の高い悪路走破性能に加えて、優れた燃費数値が期待できる「クロストレックS:HEV」と同じ水平対向2.5L+2モーターのS:HEVエンジンを手に入れた。このほか水平対向1.8Lターボもあり、こちらはリニアトロニック方式のCVTトランスミッションを組み合わせる。
満足している点
オン/オフを問わない走破性能はもちろんのこと、どんな速度域でも静かで低振動である点。これが6代目フォレスターの大きな特徴だ。前席と後席間での会話明瞭度が高く、長距離走行でも疲れが少ない。さらにS:HEVを手に入れたことで、燃費数値が大幅に伸びた。執筆時に公表されているプロトタイプの開発目標値では、WLTC値の総合で18.4km/L〜18.8km/L。
不満な点
これまで日本や北米市場で評価の高かった5代目フォレスター。弱点だった燃費数値をS:HEVによって改善したことで、不満はないように思える。しかし、その代償として車両価格が大きく上がった。ここを不満に感じる潜在的ユーザーもいるのではないかと思う。もっとも運転支援技術にしても大幅に機能向上させるなど、装備関連からすれば妥当な価格設定ではある。
デザイン

3

普遍的なSUV的なデザインながら、前方からでは車幅がかなりワイドに見える。しかし実際の車幅は1830mmと、欧州SUVなどと比較するとナローで日本の道路環境でも扱いやすい。サイドは水平基調ながら、ウインドウ位置を低くして見切りを良くしつつ、前後のタイヤまわりのフェンダーには立体的な処理を施して安定感を強調。後方は、灯火類の被視認性を確保しながらシンプルにまとめ上げた。
走行性能

4

S:HEVのほかに1.8Lターボにも試乗した。S:HEVはどんな場面でも力強い。同じS:HEVを搭載するクロストレックよりも90kg車両重量が重いことから、その差を埋めるため制御を変更している。ターボはスムースに吹け上がる特性そのままに、静かになったフォレスターでは上質感も向上した。SUBARUでは動的質感として走りの統一感を図っているが、フォレスターではフラットな乗り味を目指し、安心・安全の走りを支えている。
乗り心地

4

プロトタイプに試乗した場所がサーキットだったので、路面の凹凸がなくとても快適だった。これが一般道路になった場合はどう変化するのか予想してみると、荒れた路面になればなるほど、従来型との差が大きく広がるはずだ。とくに後席で、その傾向が強くなるだろう。フルインナーフレーム構造をもつSGP(スバルグローバルプラットフォーム)の採用が効果的に働き、車体にかかるねじり方向の剛性が高まっているからだ。
積載性

5

ラゲッジルームは単純に広いほうが積載量は増えるものの、開口部が狭いと積み込みにくい。また一般的に、SUVは最低地上高が高く荷物を持ち上げてから押し込む必要がある。6代目フォレスターの最低地上高は220mmと高めだが、開口部の横幅を積み込みやすさの目安である1250mm確保した。後席はワンタッチで倒せ、リヤゲートにはキックセンサー(足の出し入れで電動開閉する機構)があるので扱いやすい。
燃費

3

現時点ではプロトタイプとあり、実際の燃費数値は定かではない。執筆時に公表されているプロトタイプの開発目標値では、S:HEVのWLTC値総合で18.4km/L(19インチタイヤ仕様)、18.8km/L(同18インチ仕様)。これが1.8Lターボになると、WLTC値総合値で13.6km/Lと、従来型フォレスターと同じ値。1.8Lターボはレギュラーガソリン指定で、なおかつリーンバーン燃焼を行うため、高速巡航では17km/L台を難なく記録する。
価格

3

執筆時点では価格は公表されていない。2025年4月3日から先行商談会が開始されているので、商談に臨めば価格は明らかになるが、全車値上がり傾向だ。ただし、どのグレードも従来型から装備が充実しているため、比較の上では概算になるがターボモデルで50万円ほどの値上がりだ。S:HEVはe-BOXERとの比較で80万円ほどの値上がりか。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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