スバル クロストレック 「ドライバーの見守り技術を強化した改良モデル」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧)
交通コメンテーター
評価

5

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
5
燃費
4
価格
3

ドライバーの見守り技術を強化した改良モデル

2025.9.28

年式
2025年7月〜モデル
総評
昨今、高度な運転支援技術であるADAS(アドバンスド・ドライバー・アシスタント・システム)がクルマ選びの大きな基準になってきた。スバルでは、アイサイトを筆頭にした運転支援技術群の性能が評価され、国内外での販売を伸ばしている。今回、中核モデルである「クロストレック」に改良が加えられた。従来型から搭載していた「ドライバー異常時対応システム」と、同じく従来型から搭載の「ドライバーモニタリングシステム」との連携を強化し、必要とされる際の作動シーンを大幅に増やした。
満足している点
国内外で人気のSUVは、ボディサイズが拡大傾向にあるままだ。もっとも、最小回転半径を小さくしたり、視界を広くとったりするなど、取り回し性能を向上させているためずいぶんと乗りやすくなった。その点、クロストレックは日本の道路環境にぴったりで狭い道でも運転しやすい。スバルこだわりのひとつである0次安全へのこだわりが強く、全方位で死角が少ない。これも美点だ。
不満な点
今回の改良では明るいベージュ系統のボディカラー「サンドデューン・パール」を新採用したが、室内色は実用性を重視したブラックカラーでまとめられたままだ。個人的な意見だが、車内こそ明るいカラーのほうが良いと思う。ダッシュボードまで真っ白が良いとは言わないが、かつての兄貴分であった「アウトバック」(新型は国内未導入)で好評だったベージュ内装などの導入も望みたい。
デザイン

5

全長4480mm×全幅1800mm×全高1575のサイズは日本の道路環境にジャストフィットする。今や国産勢のなかでもコンパクトといえる数値だ。しかし外観は押し出しが強く、立体感ある造形なので存在感はとても高い。ここは2022年12月の現行型発表からまもなく4年を迎える今となってもストロングポイントだ。車内は、11.6インチの縦型ディスプレイを中心とした左右対称デザインで、なおかつ視界を広く取っているため悪路や積雪路面でも運転しやすい。
走行性能

5

ストロングハイブリッドモデルのS:HEVに乗りロングドライブを行った。一般道路ではゆとりある電動モーターのアシストが大きく、排気量の大きなエンジンを搭載した車両のように、少ないアクセル開度でしずしずと走る。この点はスバルが持つもうひとつのハイブリッドシステムであるマイルドハイブリッドモデルと決定的に異なる点だ。高速道路でもそのゆとりは変わらず。トヨタのTHSシステムをベースにしているが、エンジン回転数を低く保つような独自の制御設計を施している。
乗り心地

4

S:HEVを名乗るストロングハイブリッドモデルは、重厚な乗り味が特徴。60km/h以下での走行となる一般道路では、若干ながら車両重量(試乗車は1680kg)からくる重さを感じるものの、駆動モーター(119.6ps/270N・m)のパワフルさをもってすれば不足なし。高速道路でも印象は変わらず。路面の継ぎ目や大きめの凹凸を通過しても、一度で収束する。うねりのある路面では、やはり重さを感じる(_収束が遅れる)場面があるが、不安が残るほどではない。
積載性

5

試乗したS:HEVモデルのラゲッジルーム容量は、後席を使った5名乗車の場合で279Lと必要にして十分なサイズ。後席を倒した状態では858L(天井部分まで積み込めば最大で1260L)で、これにサブトランクが1L分、用意されている。745mm×495mm×275mmのスーツケースであれば、後席を使った状態で2個、ゴルフバックも3個収納可能。
燃費

4

今回の改良ではS:HEVシステムそのものに変更は加えられておらず、WLTC値の総合値は18.9km/Lのままだ。同じくWLTC値の市街地モード値は15.4km/Lとフルハイブリッドシステムにしては若干落ちるが、今回の試乗では終始16km/L台を示していた。後輪へ動力を伝えるプロペラシャフトを用いたAWDなので、カタログ上の燃費数値では不利な傾向にある。しかし筆者の試乗では、高速道路走行が60%程度と多めながら、車載燃費計での総走行可能距離は1000km以上を示していた。
価格

3

マイルドハイブリッドのボトムグレード「Touring」前輪駆動モデルで301万4000円(AWDモデルで323万4000円)から。S:HEVのボトムグレードである「Premium S:HEV」(S:HEVは全車AWD)が383万3500円から。同じくハイブリッドを名乗り価格差も約60万円と大きいが、システムが大きく異なり、なにより優れた実用燃費数値と、確かな走行性能はS:HEVがマイルドハイブリッドモデルを大きく上回る。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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