ルノー アルカナ 「独自のハイブリッド技術をもつクーペSUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
5
積載性
4
燃費
3
価格
3

独自のハイブリッド技術をもつクーペSUV

2024.12.23

年式
2024年10月〜モデル
総評
ルノーのクーペスタイルSUVである「アルカナ」が2024年10月に小変更を行い、そのタイミングで「エスプリ アルピーヌ」グレードを追加した。アルピーヌはルノーのスポーツカーブランド。そのデザインテイストと専用装備を織り込んだのがエスプリ アルピーヌだ。マイルドハイブリッドのほかに、ルノー独自のE-TECフルハイブリッドの設定がある。
満足している点
唯一無二のポイントが多いところだ。販売台数が限られていることから、街中ですれ違うことが少ない。また、乗り味が独特でハマってしまうと抜けられなくなる。これらはもちろんイヤミではない。頻繁に見かけるクルマを避けたいというユーザーも一定数いるし、自身で気持ちよく乗りこなすことを第一に考える人からすれば最良の一台。加えてE-TECフルハイブリッドは実用域での燃費数値が抜群に良い。
不満な点
クルマ本体の評価とは異なるが、良くも悪くも独自色が強いところ。内外デザインにはじまり、ステアフィールからアクセル操作に対する車両の動き、乗り味、HMIに関する考え方……。より具体的に記せば、パッと乗っただけでは使いづらいと感じるものの、使い込んでいくに従い道具としての高い完成度が身体に馴染み、運転が楽しくなっていく、そんなイメージだ。これをマイナス点と捉えると評価が下がる。
デザイン

4

ずんぐりむっくりしているようだが、実車で確認してみると複雑な面構成を持っていて独創的。インテリアはさらに独自色が強く、9.3インチの縦型液晶モニター下部には複数の物理スイッチ類が並んでいる。乱雑で無骨に思えるが使い勝手はとてもいい。肝心の運転席からの視界は広く、とくに前方の見切りが際立って良い。LEDイルミネーションの配色や配置もよく考えられている。
走行性能

4

マイルドハイブリッドは直列4気筒1.3Lターボ(158PS/270N・m)に5PS/19.2N・mの電動モーターを組み合わせる。トランスミッションは7速ATだ。1800回転で最大トルクを発揮するため発進時からゆとりの走行性能を披露する。E-TECフルハイブリッドは直列4気筒1.6L(94PS/148N・m)に49PS/205N・mの駆動用電動モーターと、15PS/50N・mのスターター兼発電用電動モーターがあり、これをルノーが「ドグクラッチマルチモードAT」と呼ぶ独自のトランスミッションと組み合わせる。その走りはシームレスながら有段ギヤの節度があり、極めて楽しい。
乗り心地

5

正直に言うと滑らかとか、上質とは異なる乗り味。ではなぜ5点なのかといえば、身体にまとわりつくような乗り味だからだ。マイルドハイブリッドは1380kg、E-TECフルハイブリッドは1470kgと、軒並み車両重量が増えている昨今のクルマ事情からすれば軽量な部類。よって、その軽さを活かしたサスペンション設定が効果を発揮する。カーブでは割と大きめのロールを許すが身体にまとわりつくので不快感はゼロ。病みつきになる。
積載性

4

後席は6:4の分割可倒式を採用し、荷物のサイズに合わせたシートアレンジが容易に行える。ラゲッジルームは深さ、奥行きともに十分。クーペスタイルながら1580mmの全高があるため室内高が確保されていて、荷室の奥まで荷物を押し込みやすい。フロアは若干高めだがリヤゲートはつかみやすい。後席利用時でもゴルフバッグは2つ積載できる。最大容積はマイルドハイブリッドが513Lで、E-TECフルハイブリッドが480L。
燃費

3

E-TECフルハイブリッドのカタログ値(WLTC)は総合値で22.8km/Lとフルハイブリッドとしては平均的だが、実用燃費数値に優れている。気持ちよく走らせても18km/L以上は難なく達成する。得意とするWLTC郊外モードでは24.0km/Lだが、高速道路を含めて走らせても20km/L近い値にはすぐに到達する。マイルドハイブリッドはWLTC値で17.0km/L。低回転からの豊かなトルクを活かせば近い値を記録する。ただし使用燃料はハイオクだ。
価格

3

執筆時現在のラインアップは次の通り。特別仕様車の「アントラクトE-TECH FULL HYBRID」の438万円から「エスプリ アルピーヌE-TECH FULL HYBRID」の499万円。どのグレードも機能パーツに不足はなく、エスプリ アルピーヌに電動パノラミックルーフがオプションとして用意されるほかはすべて装備する。販売店舗は全国の主要都市に点在。パーツ供給面では時間が掛かるものもあるようだが、概ねユーザー評価は高い。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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