2011年6月
■2011年6月
スパイダーは、かつての356スパイダーや550スパイダーなどを見ても分かるように、ポルシェにおいてはオープンカーを意味する言葉というよりピュアスポーツモデルを意味する言葉として使われている。ボクスター・スパイダーより先に設定された911スパイダーもそうしたモデルである。2004年11月からの現行ボクスターに、スパイダーが設定されたのは2010年11月。ロサンゼルスショーへの出品に合わせて受注が開始された。車両重量はポルシェのラインナップの中で最も軽い1275kgにとどめられていて、公道走行が可能なレーシングカーともいえる存在だ。ソフトトップは手動格納式に変更され、低く後方に長く伸びた形状となっている。幌を収納するとリヤリッドのふたつの大きな隆起が標準のボクスターとの違いとなる。ボクスターSより大幅に軽量化されて重心が下がり、完全新設計のスポーツサスペンションが与えられたことによって、スパルタンな走りを実現する。リヤのミッドに搭載されるエンジンは水平対向6気筒3.4リッターの直噴仕様だが、ボクスターSを上回る235kW/320psのパワーを発生する。6速MTと7速PDKと組み合わされて後輪を駆動する。19インチタイヤが装着され、ブレーキはセラミックコンポジットブレーキがオプション設定されている。7速PDK車にはスポーツクロノパッケージがオプション設定されている。