ポルシェ 911 「最新のポルシェが最良のポルシェ…？」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

最新のポルシェが最良のポルシェ…？

2025.9.25

年式

2025年4月〜モデル

総評

最新のポルシェが最良のポルシェなのか？　今回は992型の大規模マイナーチェンジによって、いわゆる「992.2」となり、911史上初めてとなるハイブリッドモデルについてレビューしたいと思います。結論からいえば「ハイブリッド感のないハイブリッド」ですね。モーター感は基本的にありません。それが何を意味するかといえば、従来の純エンジン車の延長線上にあり、ドライバビリティ的にはモーターの気配を感じさせず、燃費を向上させるギミックとしてハイブリッド化へ舵を切ったということ。まずはそこを理解しておかないと、このクルマのキャラクターを見誤るかもしれません。

満足している点

ハイブリッド化されたとはいえ、パワートレインの味わいになんら影響をもたらしていないことでしょう。つまり従来のエンジン車と変わらないアクセルに対する反応があり、モーターの存在は感じないということです。世の中にはハイブリッド車に対してモーターの走行感を求める顧客もいますが、エンジンらしさを求める人にとってはそうではない911のハイブリッドのようなタイプがいいのでしょうね。ハイブリッド化により燃費はよくなりました。

不満な点

欲しくてお金を積んだとしても、なかなか買えないこと。需要と供給のバランスが崩れていて、欲しいと言っても割り当てられるクルマが少ないのです。

デザイン

5

見るからに911ですね。992.2型になってフロントウインカーの位置が変わったとかリファインを受けているのですが、やっぱり911。ほかのクルマとはシルエットからして全く異なります。スタイルは911にとって「変えてはいけないこと」。それはポルシェの人たちだってよくわかっています。とはいえ先代（991型）と比べるとやっぱり新しさを感じるんですけどね。いろいろ書きましたが、何が言いたいかというと「911はやっぱりカッコいい」ということなのです。

走行性能

5

えっ……文句つける要素ありましたっけ。911の凄いところって、高速安定性が抜群なのにタイトな峠道へ行くと急に軽快になってスイスイ曲がることだと思っています。それからスピードを出さずにゆっくり走っていても楽しくて味わい深いことでしょうか。エンジンのフィーリングも含めて。そういう味の出し方に本物のスポーツカーを感じますね。

乗り心地

4

まったく問題ありません。「実用的なスポーツカー」ですからね。

積載性

3

結構実用的です。リヤのトランク自体は広くないけれど、フロントにもトランクがあるし、リヤシートを倒せばそこにも大型スーツケースが積めちゃう。えっ……ゴルフバッグ？　そんなのはセカンドカーのSUVに積んでください！

燃費

2

ハイブリッド化により従来よりは実用燃費が良くなっているものの、そういうのに期待して乗るクルマではないですよね？

価格

2

ノーコメントでいいでしょうか。かつてのように「サラリーマンがちょっと頑張れば買える」という水準ではなくなってしまいました。気が付けば。