プジョー 406 クーペ 「大人のクルマ そもそもプジョーブランドのクルマは比較的安価な価格からもわかるようにいわゆる高級車ではない。 ありふれたメカニズム・素材を用いながらも、」のユーザーレビュー

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プジョー 406 クーペ

グレード:-

乗車形式:マイカー

評価

5

走行性能
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乗り心地
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燃費
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デザイン
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積載性
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価格
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大人のクルマ そもそもプジョーブランドのクルマは比較的安価な価格からもわかるようにいわゆる高級車ではない。 ありふれたメカニズム・素材を用いながらも、

2010.12.31

総評
大人のクルマ
そもそもプジョーブランドのクルマは比較的安価な価格からもわかるようにいわゆる高級車ではない。
ありふれたメカニズム・素材を用いながらも、長年培ってきた技術の蓄積を生かしてチューニングをすることによって独自の乗り味を生み出しているのである。
ごく普通の(よくできたクルマだが)ミドルセダンである406を高級カロッツェリアのピニンファリーナが魅力的なクーペに仕立て、それに見合った走行性能をプジョーがチューニングしたのがこのクルマであり、歴史と伝統あるヨーロッパのクルマ文化の産物なのである。
実質的にプジョーとピニンファリーナの最後のコラボレーションとなったこのクルマは、長年の協力関係からの感謝の意を込めてのピニンからプジョーへの素晴らしい贈り物だったのではないかと私は密かに思っている(フェラーリがランチアテーマ8.32にエンジンを提供したように)。
このクルマは、ひとことで言えばこれらの事が理解できる人のため〝大人のクルマ〟なのである。
満足している点
・言わずもがなのデザイン
あまり知られていないことだが、このクルマはピニンファリーナ側からプジョーへのプレゼンテーションで誕生した。
ピニンとひと口に言っても担当するデザイナーは複数おり、このクルマは今は亡きイタリア人デザイナーのダビデ・アルカンジェリが担当した。
彼の代表作は他にフェラーリの360モデナがあって、それまでのスーパーカー然としたデザインが定番だったフェラーリに大きな変化をもたらしたのは周知のとおりだ。
が、406セダンのシャーシをベースにここまで伸びやかなラインを作り出したという点で406クーペの方が彼の代表作にふさわしいと思う。
このクルマのデザインの素晴らしさについてはアルカンジェリの同僚であった奥山清行氏の著書
『フェラーリと鉄瓶』に書かれているので参考にしてほしい。
・類まれな接地感覚
406シリーズには独特の接地感覚があり、例えて言うならタイヤと路面との間に分厚いフェルトを敷き詰めてあるかのような当たりの柔らかさがある。
それでいて相反するようだがステアリングには微細な路面情報も不快さを感じさせずに余すことなく伝えてくるという不思議な魅力がある。
惜しむらくはクーペの場合、低ボンネット化実現のためにサスのストロークが切り詰められているため、この美点がやや弱められていることだ。
が、基本的な性質は受け継がれており、他のどんなクルマでも感じることのできない406だけが持つ美点である。
・ニュートラルな操舵感覚
さほど大きくないボディに重いⅤ6エンジンを搭載していることからフロントへヴィでアンダーの強いクルマと捉えられがちだが、このクルマの基本特性はニュートラルステアである。
特にコーナーのアプローチでのステアリングの切り始めの応答感の良さ、ステアリング操作に対してクルマ全体の挙動の遅れがなく、前輪・後輪のどちらかに接地荷重が偏らないで回り込む感覚はとても前車軸上に1t近い重量が載っているとは信じられないほどで、今の時点で見ても特筆すべき性能だと思う。
要するにハンドリング性能はスペックではなくチューニング次第なのである。
これがクルマを知る人をしてプジョーを〝FFのBMW〟と呼ばせる所以である。
不満な点
・稚拙な4AT
他のオーナーの方も指摘されているとうり、このATがせっかくのクルマの魅力をスポイルしている。
おせっかいな「学習機能」が付いているせいで、特に初期型はECUの能力が低く、制御が不自然な反応を助長する傾向がある。
この点は中期モデル、最終モデルとなるにつれて改善されているので購入するなら最終モデルがベターだろう。
初期型(D8)のオーナーの方には申し訳ないが、エンジンが変わった中・後期モデル(D9)は率直に言って性能・フィーリングともに1クラス上のクルマとなり、さらにマイナーチェンジ後の最終モデルは公式なアナウンスはないもののボディまで含めた改善が施されていると思われ、高級パーソナルクーペにふさわしい乗り味と性能を手に入れていると思う。
私はD8のセダンも所有していたのでD8のアナログ的な心地よさも充分に理解しているが、これから購入しようという方には最終型をお薦めしたい。
フロントマスクが気に入らなければバンパーを交換すれば済むが、中身は交換したくても出来ないからだ。
最後に、406に限らずプジョーは短期間乗っただけでは本当の魅力がわからず、最低でも半年くらい付き合わないと良さがわからないというタイプのクルマだ。
しかし、その期間を過ぎてみると、その魅力にどっぷりとはまってしまうという不思議な存在である。
正直に言って私の最終型クーペも、購入した5年前は他の欧州車にもまだまだ負けないものを持っていたと思うが、当然現在の最新のクルマとは比ぶべきもないだろう。
実際ここ3年近く新しいクルマには試乗もしていない。
しかし、ここがこのクルマの最大の長所であり短所だと言えるかもしれない。
つまりこのクルマに乗っていると、もう他のクルマに大した関心を持てなくなってしまうのである。
デザイン

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走行性能

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乗り心地

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積載性

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燃費

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価格

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